11月6日(土)放送の『ウルトラマントリガー』第16話「嗤う滅亡」はメツオーガ登場回。脚本は植竹須美男。監督は越知靖。

・イグニス、トリガーダークへの変身を果たすが、闇の力に翻弄され、苦しんでいる様子。エタニティと同様に、凄まじい力のため、その制御は一筋縄ではいかないようだ。トリガー、パワータイプで対抗。

・イグニス、ホロボロスキーを使用。トリガーダークの口の部分が排気口のように変形する。まるでガンダム。ホロボロスのように動きが速くなる。越監督が前作『ウルトラマンゼット』(2020)で監督した怪獣ホロボロス。思い入れがあるようだ。

cf.)『ウルトラマンゼット』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8275836.html

・スカイタイプも歯が立たず。しかし、突然消えるトリガーダーク。土砂から卵が現れる。『帰ってきたウルトラマン』(1971)で出て来たツインテールの卵にちょっと似ている。卵はヒュドラムが持ち込んだものらしい。

cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6315068.html

・イグニスと対峙するヒュドラム。パワーを卵に与え、逃げるヒュドラム。卵からメツオーガ誕生!前々作『ウルトラマンタイガ』(2019)の最終回怪獣ウーラーの色変え改造。ウーラーのときはあった小さな手がなくなっている。「魔獣」らしく、色は全体的に暗めの配色で、ウーラーのときにはあった「かわいさ」要素が排除され、禍々しさが前面に押し出されている。鳴き声にも笑い声のような音声が混じり、不気味さが増している。

cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6253725.html

・トリガー、ビルからの内引きカットへ後頭部から突っ込む。イグニス、ザイゴーグキーを使用。トゲトゲボンバーとでも呼びたくなるようなCG演出。アニメ的表現を志向する越監督の意向か。

・ユナ、ユザレの力を使おうとするが、不発。何か変化があったようだ。

・ガッツファルコンから爆導索!これもガンダムっぽい演出。

・ゼペリオン光線も飲まれてしまう。ウーラーのような爆食ぶりは健在だ。

・トリガーに持ち上げられたメツオーガ、バトルモードになったナースデッセイ号のマキシマナースキャノンを喰らう。『ウルトラマン』(1966)のジェロニモンの倒し方に似ている。

cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6642931.html

・しかし、メツオーガの中からメツオロチが登場。『ウルトラマンオーブ』(2016)で登場したマガオロチの色変え改造。角はマガ怪獣の赤いクリスタル角から、普通の角に挿げ替えられている。メツオーガ同様、色は青を基調とした暗めの配色。BGMもオーブのときに使われていたものを使用。あのときの絶望感が蘇る。

cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6231535.html

・トリガー、トリガーダーク、ともに消えてしまう。タツミ隊長、ガーゴルゴンキーを使うと言う。一発逆転の策でもあるのか。

 ウーラー、マガオロチ、トリガーダーク。既出の敵を改造したり色を変えたり、CGで一部変形させたりと、予算が限られている中で工夫してあの手この手で新鮮味を出しながら面白い作品を作る。監督は料理上手であらねばならない。

 越監督が既存の怪獣を任されたということはそれなりに円谷プロ社内で認められてきた証だろう。しかしながら、アニメ的表現を志向するのはいいが、過剰なCGのみでそれを表現してばかりでは真の巨大特撮とは言えないのではないだろうか。

 近年の仮面ライダーのような、画面一杯にCG合成し、爆音を流しておけばいい、というような、何が何だか分からない行き過ぎた演出への道を歩んでしまっている気がする。それだけは避けてほしい。

cf.)第17話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/12554622.html

cf.)第15話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/12340738.html


[参考]
TV『ウルトラマントリガー』©2021円谷プロ・ウルトラマントリガー製作委員会・テレビ東京

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