たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    2020年04月


     1997(平成9)年に放送された『ウルトラマンダイナ』は「平成3部作」の第2部。企画当初は、防衛チーム隊員以外の人物がウルトラマンに変身し、旅の中で遭遇した事件を解決していくというストーリだったが、前作『ティガ』の好評を受け、スポンサーであるバンダイや講談社を交えた会議では、「次回作がティガの延長でもいい」という意見が出た。

     そこで、『ダイナ』の世界は『ティガ』の7年後、2017年に決定。隊員が変身すること、宇宙へ開拓していく「ネオ・フロンティア」時代の人類、シリーズを通して登場する敵スフィアなどが設定された。 


     続編ということで、丸山浩デザインのダイナスーツにもティガの系譜が表れている。ティガでは技術的問題により実現できなかった青い体色の表現が、合成技術の進歩により可能になり、「体色に青を持つウルトラマン」が初めて登場した。また、ティガのタイプチェンジが好評だったので、ダイナもフラッシュ・ミラクル・ストロングの3タイプにチェンジできることになった。

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    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8084850.html


     作風は、前作『ティガ』がどちらかといえば『ウルトラセブン』的なハードなSF寄りで落ち着いた雰囲気だったのに対し、本作『ダイナ』は『ウルトラマン』に見られる明るく牧歌的な雰囲気が目指された。隊員たちにも元気な演技が多い。


     その一方で、最終回ではダイナがブラックホールに飲み込まれ、生死不明の状態で終わる、というハッピーエンドとは言い難い結末を迎える。しかし、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)で客演することにより復活を果たし、その後の作品にも度々客演している。これは、今なお衰えぬダイナ人気の証拠でもあるだろう。

    cf.)前作『ウルトラマンティガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5966349.html

    cf.)次作『ウルトラマンガイア』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5911369.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンダイナ』©円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンダイナ
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     『ウルトラマン80』の終了以来、TVシリーズは長らく製作されていなかったが、ウルトラマン生誕30周年にあたる1996(平成8)年の放送開始に向けて企画が練られていた。

    cf.)『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html


     しかし、TBSにおける放送枠の確保は実現せず、TBS系列である大阪の毎日放送(MBS)での放送が決定。9月7日が放送開始日とされたが、準備期間が5か月しか残されていなかった。

     製作は突貫工事のように急ピッチで進められ、その中で、毎日放送の丸谷嘉彦プロデューサーの提案により、V6の長野博が主役にキャスティングされることとなった。

     脚本の最終決定稿を待たず、第1話が慌ただしくクランクイン。『80』終了の1981年以来、約15年振りにファン待望の新作TVシリーズがスタートしたのである。


     M78星雲が存在する世界観と決別し、3000万年前の古代の地球を守っていた「光の巨人」が復活すること。そして、正しき心を持つ人間が「光」と融合することで巨人に変身できる、といった「人間ウルトラマン」のコンセプトが採用された。このコンセプトは後の『ダイナ』や『ガイア』にも通ずるところがある。

     「ティガ」とはインドネシア語で聖なる数字である「3」を意味しており、マルチ・スカイ・パワーの3タイプにチェンジできることも表していると言われている。撮影にはCG技術が使われ、タイプチェンジや飛行シーン・変身シーン、その他防衛隊メカなどにも効果的に使われた。


      ティガのデザインは丸山浩。従来のウルトラマンのマスクに装飾を付け足すのではなく、逆に削る発想でデザインをまとめた。後頭部の窪みは、光を吸収して額のクリスタルから発射する裏設定の名残。体色は赤・青紫・銀の3色を基調とした。当初デザイン段階では青紫ではなく青だったが、変更されている。

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    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8084297.html


     平均視聴率は7.3%と振るわずだったが、子どもたちの認知度は高く、今なお根強い人気を誇っており、TVシリーズ復活の狼煙を上げた記念すべき作品である。

    cf.)次作『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンティガ』©円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンティガ
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     4月26日放送の『ULTRAMAN』第3話「ウルトラマンやるのも悪くないかも」より。

    ・ゼットン星人エドから事情を聞き、ウルトラマンを引き受けてくれと頼まれる。
    SUITの訓練中に事件発生。進次郎が助けに行くことに。

    ・ウルトラスラッシュの説明を受けてぶっつけ本番でやってみる。発生モーションは原典とは違うようだ。劇中ではスペシウムスラッシュという名称。

    ウルトラスラッシュもエモい。でもウルトラスラッシュより八裂き光輪の呼び名の方が好きだ。

    ・運転手を助け、感謝される。

    ・諸星登場。目つきが鋭くていい。

    ・立て籠もり犯も捕まえる。

    ・エイダシク星人。cicada(セミ)を逆さ読みするとエイダシク。原典のデザインに割と近いが、やはり描写はグロい。

    cf.)第4話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6031944.html

    cf.)第2話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5922502.html

    [参考]
    TV『ULTRAMAN』TOKYO MX.©TSUBURAYA PRODUCTIONS ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

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     1994(平成6)年3月21日、『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』が放送された。これは、昭和の『セブン』終了以来、26年振りに製作された。


     この作品は、もともと通商産業省(現・経済産業省)が推進していた「ソーラーシステム(太陽光発電)」のPR番組として、放送前年に読売広告社から円谷プロに持ち込まれた企画がもとになっている。その後、円谷プロで企画を検討するうち、太陽エネルギーはウルトラマンのエネルギー源なので、そこから『セブン』の新作を作る話にまで発展した。


     本作は、ウルトラシリーズでは初となるオールビデオでの撮影を採用。CG技術が発展途上だった当時、特撮をビデオで撮影することに不安の声もあったようだが、前年製作の『電光超人グリッドマン』で得たノウハウも積極的に活用され、見事な特撮に仕上がっている。これが結果的に往年のファンから喝采を浴び、第2弾の製作が決定した。

     第2弾『ウルトラセブン 地球星人の大地』では、旧作で主人公・モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣が出演し、ファンを喜ばせた。

     その4年後となる1998(平成10)年、TVシリーズではないが、オリジナルビデオシリーズとして『1998 誕生30周年記念3部作』の製作が決定した。プロデューサーの円谷昌弘は『ムーンスパイラル』(1996)で知り合ったバップの近貞博に相談し、製作に漕ぎ着けたという。

     当初は、ガッツ星人をシリーズ共通の敵とした「ガッツ星人の新たなる野望」という企画案が、脚本家の右田昌万によってまとめられた。ガッツ星人の活躍は「地球より永遠に」のみに留まったが、企画段階での「カザモリ・シン」の登場は、「カザモリ・マサキ」の設定に引き継がれた。

     また、右田昌万は「第七宇宙の創造」というシノプシス(あらすじ)も手掛けており、こちらは「太陽の背信」の原案となっている。

     この3部作のテーマは「記憶」。「失われた記憶」ではダンの記憶、「地球より永遠に」では地球の記憶、「太陽の背信」では宇宙の記憶に焦点が置かれ、現代の深刻な「環境破壊」なども盛り込まれた。

     続く『ウルトラセブン 1999最終章・6部作』では、ティガ・ダイナ・ガイアの「平成3部作」に関わった武上純希が脚本とシリーズ構成を担当。旧作第42話「ノンマルトの使者」の後日談として、「地球の先住民であるノンマルトが、地球を侵略した地球人の罪を明らかにする」という重厚なテーマが根底にあり、質の高いSFドラマに仕上がっている。

     そして2002(平成14)年、『ウルトラセブン誕生35周年記念“EVOLUTION”5部作』で平成ウルトラセブンシリーズが完結することになる。バップの穂山賢一プロデューサーによると、今回はウルトラ警備隊にスポットを当て、タイトルも「ウルトラ警備隊」という企画案が浮上。しかし、やはりセブンが登場しないのはおかしいということになり、シリーズの中盤でセブンが復活するという設定となった。「アカシックレコード」というSF設定が採り入れられた本作も、味わい深い記念碑的作品となった。

     かくして、『平成ウルトラセブン』は約8年にわたって作られた上記16本の作品からなる。ダンからカザモリへ説得力ある物語として引き継がれたわけだが、令和となったいま、『令和ウルトラセブン』として復活することはあるのだろうか。もし復活したなら、カザモリからまた別の誰かへ引き継がれるのだろうか。

    cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』©1994円谷プロ
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     『ウルトラマンネオス』の企画は1995(平成7)年に発足した。TVシリーズ化にはいたらなかったが、高野宏一監督のもと、8分間のパイロットフィルムが作成された。

     内容は「地球侵略を企むYY星系のザム星人が怪獣ドレンゲランを率いて地球侵攻し、ネオスとセブン21が迎え撃つ」といったもの。

     当時の円谷昌弘プロデューサーは「ネオスが発展したのが、ティガでありダイナ、ガイアなんですけど、ネオスは着ぐるみを製作し、キャラクターヒーローを生み出しただけで、映像としてはパイロットフィルムしかなかったんです」と語っている。

     しかし、熊本県の「ウルトラマンランド」のイベントショーなどで活躍するネオスとセブン21の姿を観た製作スタッフの熱意により、企画中断から5年後の2000(平成12)年に映像化へ動き出す。ちょうど平成ウルトラセブン「1999最終章」シリーズが終了したタイミングだったこともあり、次の映像作品として『ネオス』がオリジナルビデオ作品として製作されることが決定した。

     全12話。2002年7月6日と翌13日に、一時放送休止中だった『ウルトラマンコスモス』の代替番組としてTBS系で全国放送された。『コスモス』の放送再開に伴い、『ネオス』は放送されなくなるが、一部の局では時間帯を変えて残りの話数も放送された。

    cf.)『ウルトラマンコスモス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5982670.html

     ネオスとセブン21のデザインは丸山浩が担当。ネオスマスクのデザインは『ウルトラマンー遥かなる夢幻境へ翔べー』に登場予定だったウルトラマンの流用であり、丸山浩は首から下をデザインした。額のブロウスポットは円谷一夫のアイデアで付け足された。

     因みに、パイロット版は東京・新宿東口のアルタビジョンなど限定された場所での上映が行われ、その一部が『ウルトラマンワールド 決定版!ウルトラヒーロー』(絶版)に収録された。ここに登場するネオスとセブン21のマスクやボディラインは若干異なっており、ザム星人もボディの色調が違う。また、マグニウム光線は両手を×の字にクロスして発射されている。このポーズは後の『ウルトラマンエックス』(2015)のザナディウム光線と同様のポーズであるが、パイロット版ネオスを意識して継承したわけではない。

    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    ビデオ版では十字のクロスでネオマグニウム光線という名称で放っている。

     ネオスは光の国の勇士司令部に所属するエリートという設定だが、OV化に漕ぎ着けるまでイベントなどでの下積み5年という、苦労人の稀有なウルトラマンだった。

     因みに、エリートであるネオスとの差別化でコミカルに描かれたのが劇場作品『ウルトラマンゼアス』(1996)である。

    cf.)『ウルトラマンゼアス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6013793.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンネオス』©円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンネオス
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