たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    2020年04月


     新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が出され、外出自粛が叫ばれている昨今、俳優や声優の約7割が、新規の仕事依頼のない状態であることが明らかになった。

     そんな中、できることを探して頑張っている人たちもいる。

    『ウルトラマンタイガ』(2019)でメイン監督を務めた市野監督が監督を務める在宅ドラマ『すかいぷん』。収録は終わったらしく、現在編集中。近日公開予定だそうだ。

    出演者は

    『ウルトラマンエックス』で主人公・大空大地役を演じた高橋健介
    『ウルトラマンタイガ』で旭川ピリカ役を演じた吉永アユリ
    『海賊戦隊ゴーカイジャー』でシド・バミック/特務士官バリゾーグ(声)役や
    『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』で柿崎悟志/キルバス役を演じた進藤学
    そして、今村美乃

    脚本は『牙狼』シリーズの田口恵

     市野監督は『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』が延期となりいつ公開されるかも分からない中、それでも諦めず「俳優・声優業界を元気にしたい」という想いで頑張っている。
     動画がYou Tubeで4月23日18:00から公開。ぜひ応援していきたい。

    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    You Tube ql official channel【予告】リモートドラマ「すかいぷん」近日公開!
    https://www.youtube.com/watch?v=ktz0Y_oRPyI 
    にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
    にほんブログ村

    PVアクセスランキング にほんブログ村


     1974(昭和49)年放送の『ウルトラマンレオ』。当時は第4次中東戦争勃発に伴う石油危機によって、原油価格が高騰しており、フィルムやミニチュア、着ぐるみなど、製作に必要な資材の大半が石油加工品であった特撮現場は厳しい製作状況に追い込まれた。そのため、本編・特撮ともに合成に頼らないアクションシーンを重視することが大前提とされた。

     また、『ノストラダムスの大予言』(五島勉.著 祥伝社)や、『日本沈没』(小松左京.著 光文社)といった終末観を描いた作品が話題になっていたことや、ブルース・リー主演の映画『燃えよドラゴン』のヒットによるカンフーブームが起こっていたため、それらの要素が作品に投影され、「親しみやすくなりすぎたスーパーヒーローに頼りがちな現代っ子の甘えグセを払拭すべく、自分の道を自分で切り開く孤独なヒーローの創造」が図られ、「鍛錬や修練によってウルトラマンになっていく」主人公が設定された。

     世相の反映の例として、第1話では島が沈んだり、東京で大洪水が起こる。また、今作から殺陣師(擬斗)が導入され、渡辺安章が担当している。

     最初の企画書「ウルトラマンL(レオ)」では、主人公はおおとりレオ。故郷のM77星を怪獣・宇宙人に蹂躙され、地球を第二の故郷としていた。宇宙パトロール隊の川上鉄太郎隊長の娘・カオリが所属するウルトラスポーツクラブの指導員を務めている。という設定。

     続く企画書「ウルトラマンレオ」で製作がスタートするのだが、脚本執筆の段階で役名や防衛隊、故郷が全滅したという設定となる。さらに、川上隊長としての出演オファーを受けた森次晃嗣が、「ダン役でなら出演する」と言ったため、モロボシ・ダンが隊長として出演することになった。しかし、第1話でセブンが変身不可能になる設定は、森次晃嗣の意図とは違っていた。 

    cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

     放送開始後、「ゲンを鍛えるダンの姿が過激である」との投書が多く寄せられ、2クール以降の番組強化案では改善が図られ、日本民話シリーズ、北海道ロケ、弟アストラや伝説の超人キングの登場など、落ち込む視聴率のテコ入れの為に路線変更や試行錯誤がなされた。

     また、製作費のさらなる緊縮を余儀なくされ、シリーズ終盤では防衛隊MAC基地のセット維持費や人件費削減も兼ねてか、MAC全滅という展開となり、モロボシ・ダンも行方不明。レオの「孤独なヒーロー像」がさらに強調される結果となった。

     
     レオのデザインは『エース』から美術を担当していた鈴木儀雄によるもの。L77星出身であるため、他のウルトラマンとは一線を画するデザインにしなければならず、苦心したという。

    cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html

     頭部の形状にポイントを置き、大空に飛翔する雄々しいイメージを投影すべく、「頭上の翼に可能性の広がり、切れ上がった眉に挑む勇気、瞳に深い優しさと一抹の孤独感を込めた」デザインを多数作成。NGデザインのひとつは、『ウルトラマンタロウ』のバルキー星人に転用された。

     プロデューサーの熊谷健とともに、複雑な頭部の粘土造形を完成させた。

    FullSizeRender

     検討用デザインには、腹部のシークレットサインがなく、体にシルバーのラインが走っている。また、片手にしかブレスレットをつけていない。


    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8027623.html


     2020年の新作『ウルトラマンゼット』ではレオの弟子・ゼロのさらなる弟子が活躍するということで、当時の設定である宇宙拳法が受け継がれている。これはレオの不動の人気の証でもある。

    cf.)前作『ウルトラマンタロウ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5925381.html

    cf.)続くアニメ作『ザ☆ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5938519.html

    cf.)実写特撮復活作『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンレオ』©1974円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/オイル・ショック

    にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
    にほんブログ村

    PVアクセスランキング にほんブログ村


     『ウルトラマンエックス』(2015)第19話「共に生きる」もアベユーイチ監督入魂の1話だ。
    「怪獣との共存」というシリーズのテーマに深く切り込んだ1話。アスナ役を演じた坂ノ上茜の演技も見逃せない。

     脚本は三浦有為子が担当。小林弘利が出していたM1号が人間を諭す内容のプロットを参考にした。

    ・M1号の目は『ウルトラQ』当時はスーツアクターの目がそのまま映っていたが、今回は円らな黒目をはめ、中に地球を映すカットもできた。

    ・オープンカットを繋げた印象的なエックス登場シーン。逆さまに落ちてきて着地する。

    ・相手がゴモラなので、後ろにかぶさり手を振り上げるが、本気の拳で叩けず、力ない平手になっているカット。大地とエックスの心情が伝わってくる。

    ・合成量を減らすために机の上のフラスコにエックスを入れるというアイデア。結果的に面白い構図の絵になった。

    ・炎バックのEXゴモラ。荒々しく凶暴さが表現されていてカッコいい。

    ・ゴモラが地面を叩き、衝撃でふっとぶアスナ。アスナは吹き替え。ワイヤーを使っているため、かなりのふっとび具合だ。

    ・アスナの台詞は最初はもっとあっさりだったが、アベ監督が「もっとクサくてもいいんじゃないの」とオーダーし、感情移入しやすい激情台詞となった。

    ・通常体に戻って正気に返り、「自分を撃ってくれ」と言わんばかりに両手を広げるゴモラ。冒頭の実験でも両手を広げており、繋がっている。心苦しくも撃つ決意をし、「ザナディウム・・・光線!」と叫ぶ大地。涙なしでは見られない名シーンとなった。

    ・M1号の声にはアベ監督がこだわり、キャスティングを依頼している。「私はカモメ」の台詞のくだりで、「私は・・・」はアベ監督が付け足した部分だが、「・・・」には「地球の代弁者」というワードが入る想定だった。一緒に浮遊している残骸は「いなずま号」の残骸だろうか。

    ・シリーズの肝になる話なので、ノイローゼになるほど悩み、プレッシャーがあったというアベ監督。アスナの演技に懸かっているため、坂ノ上茜を事前に呼び出して、アスナの演技の重要さを話したらしい。坂ノ上もそれに全身全霊で応え、涙とともに気持ちの入った素晴らしい演技を見せてくれた。


    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    You Tube 特爆!チャンネル 特撮は爆発だ! #129 緊急SP
    https://www.youtube.com/watch?v=D-Z77SNLxUY
    Blu-ray『ウルトラマンエックス』©2015円谷プロ
    にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
    にほんブログ村

    PVアクセスランキング にほんブログ村


     『ウルトラマンエックス』(2015)では様々な平成ウルトラマンが客演したが、今回はウルトラマンネクサスが客演する第20話「絆-Unite-」についてのあれこれ。

    ・ネクサス客演回があるのは元々決まっていた。そのために当時メイン監督だった阿部監督が呼ばれた部分もある。小林弘利のプロットが良かったので、ほぼそのまま使ったそうだ。

    ・脚本会議で既に阿部監督の中では「ネクサスになるのは橘副隊長」と決まっていたが、敢えて自分からは言わず、「橘副隊長で」の言葉が出てくるのを待ったという。

    ・かおるの意識をどうやって戻すことにするかについて議論があった。心臓マッサージまでさせる話もあったが、子役だし、心臓マッサージの演技は難しく、下手をすれば嘘っぽくなってしまうため、息はしている設定にし、回復体位にさせるに留めた。

    ・釣り堀で撮影。飛んでくる魚は現場にいた田口監督も1尾投げている。

    ・「あきらめるな!」の声を加工して光の効果音にしている。一度出来た音を阿部監督が聞いたとき、分かる人には分かってしまいそうな音だったので、聞いても全然分からないくらい加工させた。分かってしまうと、ラストでの橘の台詞が霞んでしまうから。


    ・岡崎聖プロデューサーが川久保拓司の起用を言い出し、友情出演が実現した。川久保本人は嬉しい気持ちもありながら、相当のプレッシャーだったという。

    ・川久保が演じた、カナダにいた橘祥吾は現地で医者をやっている、という裏設定があった。

    ・振り向くネクサスと見つめあう橘祥吾。このときの振り向きは、『ネクサス』第1話の振り向きをちょうど反転させた同じ角度での振り向きを意識させた。当初はカットバックを3回くらい入れる予定だったが、減らしたらしい。阿部監督によると「川久保君にネクサスと会わせてあげたかった」という。因みに、『ネクサス』最終回のエピローグでリコと一緒にいる孤門を撮ったのも、リコと会わせてあげたかった」から。

    ・ネクサスの声は新録。橘副隊長が変身するので、ネクサスの声は「そこまで男らしい拳のききすぎた声は避けて」と阿部監督がオーダーした。


    ・バグバズンの登場カット。車2台持たせてビルの裏側に待機させ、立ち上がると同時に上に放り投げさせた。阿部監督が「カメラ前のビルに落ちてきたらいいな」とつぶやいてから本番撮影したら本当にカメラ前のビルで車が弾み、良い絵が撮れた。「奇跡のカット」となった。写真右下の車がそれ。

    ・ネクサスのぐんぐんカットは新撮。ぐんぐん人形は当時のものが残っていたので、それを使った。

    ・バグバズンは当時のスーツを補修したもの。背中にある角はアラクネアの角を移植した。バグバズンが乗るビルは、乗っても大丈夫なよう、このために補強した。


    ・小西貴雄が『ネクサス』最終回の曲を新録したものを使用している。

    ・当初はメタ・フィールドを張る予定は台本にはなかったが、阿部監督が「ネクサスならここでメタ・フィールドを張るだろう」と思い、台本に手書きで書き加えたところ、スタッフたちの熱意で実現した。


    ・エックスが謎の連続光弾を発射するカット。当初は一発だったが、バグバズンのリアクションの間が長かったから、編集で光弾を多数発射していることにした。

    ・絵コンテ段階ではバグバズンにエクシードエクスラッシュを使う予定だったが、ビーストの性質上、ダークサンダーエナジーを払う必要がない、ということで使わないことにした。


    ・ロケ地は新宿。『ネクサス』最終回で孤門が変身した歩道の、道路を挟んで反対側の歩道で撮影した。『ネクサス』最終回でクロムチェスターが飛んで行った先の空間を見つめる橘と大地。


    ・最初のネクサス登場後、大地が机に戻ってきてエックスと会話「あのウルトラマンが誰だか知らない?」「私もすべてのウルトラマンを知っているわけではない。地球は宇宙の要石のポイントにある。それを守るのが私の任務だ」というやりとりがあるが、尺の都合でカットし、エンディングで僅かに映っている。

    ・橘が隊長の机の上にエボルトラスターも一緒に置く→ルイルイがそれを手に取り変身しようとかざすが何も起きない→グルマン博士が手に取りかざすが何も起きないので「こういうのは選ばれた人間しか駄目なんだ」と言いながら橘に返す。という幻のシーンがあったが、尺の都合上あえなくカット。こちらもグルマンのカットだけエンディングで僅かに映っている。ルイルイの方はお蔵入り。


    ・・・オマージュを挙げればまだまだ色々あって切りがない。
    こだわりにこだわり抜いた阿部監督入魂の1話。因みに、この頃はカタカナでいつもクレジットされており、第19話の「共に生きる」でも「アベユーイチ」とクレジットされているが、『ネクサス』の頃は「阿部雄一」とクレジットしていたため、今回の第20話も特別に「阿部雄一」でクレジットしている。


    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    You Tube 特爆!チャンネル 特撮は爆発だ! #129 緊急SP
    https://www.youtube.com/watch?v=D-Z77SNLxUY
    Blu-ray『ウルトラマンエックス』©2015円谷プロ
    にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
    にほんブログ村

    PVアクセスランキング にほんブログ村


     新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が出され、外出自粛が叫ばれている昨今、俳優や声優の約7割が、新規の仕事依頼のない状態であることが明らかになった。

     そんな中、できることを探して頑張っている人たちもいる。

    『ウルトラマンR/B』第17話「みんなが友だち」や『ウルトラマンタイガ』第5話「きみの決める未来」、第23話「激突!ウルトラビッグマッチ!」で脚本を書いた皐月彩の思い付きで始まった企画がある。

    自身の小説『ナヒレ決議』をイラスト等も付いたボイスドラマ化し、You Tubeで配信するという。

    声の担当に、特撮関係の俳優・声優も多数出演する。

    『ウルトラマンオーブ』で松戸シン役を演じたねりお弘晃
    『ウルトラマンジード』でピット星人トリィ=ティプ役を演じた桜木梨奈
    『ウルトラマンジード』でマミ役を演じた奥中美衣
    『ウルトラマンタイガ』でホマレ役を演じた諒太郎
    『ウルトラマンタイガ』で召喚士・葵役を演じた谷本琳音
    『ウルトラマンタイガ』のメイン監督・市野龍一
    『大怪獣ラッシュ』でカネゴンの声を担当した声優・うのちひろ
    『仮面ライダー電王』で仮面ライダーゼロノス/桜井侑斗役を演じた中村優一
    『天装戦隊ゴセイジャー』からヒーローショーアクターをしていた工藤舞人

    特撮とは関係ない俳優・声優は、

    龍健太・関幸治・朝井瞳子・善知鳥いお・榊原美鳳

    原作はLINEノベルで読めるようになっており、内容も好評。
    ボイスドラマの方はYou Tubeのチャンネル登録者数が1000人いかないと収益化できない仕組みのため、まずはチャンネル登録を呼びかけている(次に動画閲覧時間のハードルもある)。5月から順次配信予定。

    第一弾の宣伝動画では市野監督が出演し、「壮大なSFもの」と絶賛していた。

    「俳優・声優の助けになりたい」という皐月彩の想いで始まったこの企画。ぜひ収益化の上に、ゆくゆくはアニメ化まで漕ぎ着けてほしい。

    [参考]
    Aya Satsuki△△Twitter(@touhu320111)
    You Tube 外出自粛特別企画ドラマ 【ナヒレ決議】https://www.youtube.com/channel/UCxlqr3FBKkKKTAp3tAdA3sQ/videos
    You Tube 特爆!チャンネル 【皐月彩さん登場!】特撮は爆発だ! #354
    https://www.youtube.com/watch?v=fCLy8rKKv4s&list=PLuzydOMJRda8h2XJQReghMu067Kx7YENx


    https://news.yahoo.co.jp/pickup/6357785

     にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ
    にほんブログ村

    PVアクセスランキング にほんブログ村

    このページのトップヘ