たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    2020年04月

     2020年6月20日放送予定の『ウルトラマンゼット』で、登場キャストがひとり発表された。

    なんとあの『ウルトラマンオーブ』(2016)でジャグラス・ジャグラーを演じた青柳尊哉だ。

    役柄は対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」の隊長ヘビクラ ショウタ(34才)。

    「ヘビクラ」・・・「ヘビ」というワードがジャグラーを想起させる。間違いなくキャスティングありきのネーミングだ。

    トラブルだらけの若いチームをまとめるリーダー。基本的には温厚で、明るくフレンドリーな、頼れる兄貴分。身体能力も高く、武闘場でハルキに厳しく稽古を付けることもある。

    本人コメント
    「去年の夏、お話を頂いた時は正直戸惑いました。2秒ほど。
    すぐに細胞が湧き立ち興奮している自分がいました。2秒ほど。
    『隊長』だと聞きクエッションマークに支配されました。2秒ほど。
    決断に10秒もいらなかったです。
    『もう一度あの人たちと作品を作りたい!』
    それに勝るものはありません。
    『ウルトラマンオーブ』という作品があってぼくがいて、
    背中を押してくれる仲間も増えて、
    何より、応援し支えてくれる皆様がいて…
    と、言うのは簡単なので、『ウルトラマンZ』でそれを示せればと思います。
    では、6月20日の朝9時に会いましょう
    ご唱和ください、我の名を
    『ヘビクラ ショウターーーーーー!!!』」


    本人Twitterより
    「今、グッと踏ん張って、
    大丈夫、必ず会えるから。
    とりあえず…
    ただいま♡」

    ジャグラーのような語りだ。

    ジャグラーは『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』でムルナウの元についたとき、「就職したんだ」と発言していたが、今度は隊長に就職したらしい・・・。


    もちろん今回の役は隊長なので、そこは青柳尊哉の演技幅でビシッと決めてくれることだろう。

    「ストレイジ」のロゴも公開されていた。ロボットを扱う部隊のため、ネジの装飾があり、スマートというよりは武骨で質実剛健なイメージ。

    因みに
    青柳尊哉は4人兄弟の長男で一番下に妹がいる。『オーブ』の際、ガイ役と松戸シン役のオーディションを受けたが、田口清隆監督の一言で急遽ジャグラー役に抜擢されたという。

    cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6231535.html

    [参考]
    ウルトラマンZ/劇場版ウルトラマンタイガ/ウルクロ公式Twitter(@ultraman_series)
    青柳尊哉Twitter(@takaya_aoyagi)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/青柳尊哉
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     『ウルトラマンオーブ』(2016)のオープニングテーマはアニソン帝王と言われる水木一郎が歌っている『オーブの祈り』 。帝王が歌うだけあってウルトラ史上、類を見ないほど熱くキャッチーな曲である。


     そのムービーで、出演者の名前クレジットが規定の書体ではなく、画面上に大きな帯とともにデカデカと表示される。その俳優女優のドアップとともに出てくるため、非常にインパクトのあるキャラ紹介である。


     なぜこのような形になったのか。


     メイン監督の田口清隆監督によると、前作の『エックス』ではサイバー空間がひとつの要素のため、それを基調にし、多い出演者をテンポよく見せていく手法をとった。それを見た当時の社長・大岡新一がひとこと「なんかチャカチャカしてるな」と言ったらしく、それが頭に残っていた田口監督は、「オーブではレギュラー出演者が少なくなったため、ひとりひとりに若干尺をとって、もっと分かりやすく印象的にできないか」と考え、あのようなドアップ&デカ帯演出になったという。


     2020年6月20日放送開始予定の『ウルトラマンゼット』でもメイン監督を務める田口監督。『ゼット』でも印象的なオープニング演出になっているに違いない。

    cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6231535.html

    [参考]
    Blu-ray『ウルトラマンオーブ』©2016円谷プロ
    You Tube 特爆!チャンネル 【坂本浩一VS田口清隆】特撮は爆発だ! #261 SP
    https://www.youtube.com/watch?v=KfyI_k6M9xA

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     2016年放送の『ウルトラマンオーブ』。人気俳優・石黒英雄を主人公・ガイに据え、2人の先代ウルトラマンの力を借りて変身するという設定が斬新で、今なお高い人気を誇っている。

    初期基本形態はウルトラマンとティガの力を借りて変身したスペシウムゼペリオン。

     それまでの平成ウルトラマンといえば、パワーアップ形態になる際には体のデザインが複雑になったり、装飾が付加されたり、筋骨隆々になったり、アーマーを身に纏ったり・・・と要素がプラスされていたのだが、この『オーブ』ではシリーズ中盤(第17話)でオーブオリジンという元々の形態に戻ることができるようになる・という手法がとられた。当時、黒を基調にした、よりスマートでスッキリしたオリジンのデザインが発表されたときには「?」と拍子抜けしたファンも多かったことだろう。


     なぜこのような運びになったのか。

     メイン監督の田口清隆監督によれば、前作の『ウルトラマンエックス』で初めてメイン監督を務めた際は、バンダイとの打ち合わせ等で決まってくるパワーアップ武器やアイテムの設定が後手後手に回ってしまった反省があり、『オーブ』ではメイン監督が決まった段階でそのような設定の成立過程に早めに関わることにしたという。

     その中で、前作『エックス』のエクスラッガーが好評だったので今度も剣にすることになり、加えて、「2人のウルトラマンの力を借りて変身するなら元々の素体はどういう姿なのか」という疑問があり、この二点を掛け合わせ、失った剣(オーブカリバー)を取り戻すことによって元々の素体にひとりで変身できることにし、これを最終形態(劇場版を除く)とすることになったという。

     企画の早い段階でこれが決定したため、第1話の回想シーンでは、失う前のオーブカリバーを光のシルエットで登場させることができた。

    よく見ると第1話でもオーブカリバーの4つのエレメントが順番に光っている。写真は「火」の瞬間。


     結果的に「失った自分を取り戻す」という設定が多くの共感を呼び、物語の中でその過程が丁寧に描かれることにより、しっかりとした説得力を持ったこの形態は大絶賛された。

     後の『ウルトラマンR/B』(2018)では1クール目にオーブファンの愛染というキャラクターが出てくるが、これもオーブの人気の高さの証であろう。

    cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6231535.html

    [参考]
    Blu-ray『ウルトラマンオーブ』©2016円谷プロ
    YouTube 特爆!チャンネル 【坂本浩一VS田口清隆】特撮は爆発だ!#261 SP  https://www.youtube.com/watch?v=KfyI_k6M9xA

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     1973(昭和48)年に放送された『ウルトラマンタロウ』。今なお絶大な人気を誇り、昨年(2019年)は息子の『タイガ』が登場するなど、第二期ウルトラシリーズの中でも随一の知名度を保持している。


     1973年は円谷プロ創立10周年。初の劇場用作品となる『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』をはじめ、『ファイヤーマン』(日本テレビ系)、『ジャンボーグA』(テレビ朝日(当時はNET)系)といった新作TVシリーズを製作、CMやTVドラマの制作も多数手掛けていた。そんな中、真打ちとして『タロウ』が製作されることになった。


     当初は「ウルトラジャック」というタイトルで企画され、ウルトラ兄弟設定を引き継いで「ウルトラ6番目の弟の物語」ということが決まっていた。また、宇宙怪獣の来襲やメカニック、エンターテインメントの充実もアピールポイントになっていた。


     2番目の企画書は「ウルトラマンスター」。キャスティングやメカニックが具体的に記された。そして3番目の企画書では「ウルトラマンジャック」とされ、「トランプのジャックに因み、11の強力な武器を持つウルトラマン」とされた。


     しかし、当時社会問題となっていたハイジャック事件(1970年よど号ハイジャック事件が有名)を想起させるネーミングだったため、却下となり、新たなネーミングが検討された。当時の円谷皐社長から「日本的な響きを持つ言葉にも目を向けてみたらどうか」という意見が出され、「ジャック」が西洋のおとぎ話によく出る名前であることから、日本の昔話によく出る「太郎」という名前が採用された。


     当時は和名の家電製品が流行していた時代でもあり、洋風の名前のヒーローが多い中で、和風の名前はかえって新鮮であるとされた。


     タロウのデザインは、前作『ウルトラマンエース』で特撮美術を担当した井口昭彦。歴代ウルトラマンの中で人気の高かったセブンのルックスに、ウルトラの父の角を加え、カラータイマーをつける、というアイデアでデザインされた。胸のプロテクターを肩で切れ上がった形状にすることで、腕の自由度を増し、ボディラインがより精悍に見えるようにするなどの改良も施されている。なお、デザイン画の段階では耳の後ろから後頭部にかけて段差が存在しているが、実際のスーツでは省かれている。

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    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8019039.html

     開米プロの依頼を受けてマスク原型の造型を担当したのは照井栄。照井は「頭が大きいので170cm以上あるスーツアクターを起用してほしい」と熊谷健プロデューサーに打診。『ファイヤーマン』に扮していた西条満が同じ事務所で長身の長沢寛を推薦した。西条も一部の激しいアクションシーンでタロウに扮している。

    cf.)前作『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html

    cf.)次作『ウルトラマンレオ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5936832.html


    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンタロウ』©1973円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンタロウ

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     『ウルトラマンエース』にはそれまでにない革新的ヒーロー像が求められた。その要素のひとつとして、北斗と南が男女合体変身する設定があるが、エース自体のデザインにもそれが反映された。


     もともとウルトラマンの口には仏像のアルカイックスマイルを彷彿とさせるデザインが起用されているが、エースにはさらに中性的なデザインが模索された。観音像をイメージした顔立ち、耳にはイヤリングのようにも見える形状、頭部のトサカには丸い穴を開けるなど、全体的に円形や丸みといった女性的要素が加わった。

    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7831422.html

     さらに、スーツ自体をそれまでのワンピース式ではなく、ツーピース式のセパレートスーツにして製作した。これは、『仮面ライダー』など他のヒーロー番組に負けないアクションを目指して動きやすさを追究したもので、スーツアクターが最初に脚部を履き、その後、上からかぶせた胴部を股間のホックで固定するという仕組み。しかし、撮影中に股間のホックが外れるアクシデントが多発したことで、このスーツは第2話までの使用となり、第3話以降は従来のワンピース式に戻った。


     ツーピース式はアトラクション用として使われた後、第40話「パンダを返して!」に登場するスチール星人に流用された。

    第40話を観てみると、

    ・人間体のスチール星人が実に不気味だ。

    ・当時は上野動物園に中国から来たランランとカンカンがおり、空前のパンダブームだった。

    ・スチール星人が一瞬の内にパンダを盗んでしまう。

    ・老人に化けていたのを見破り追い詰める北斗。

    ・エースが宙を舞うオープンカットはツーピース式のときに撮影されたものなので、第3話以降の話にもツーピース式が映っているときがある。

    ・頭部の突起から炎を出すスチール星人。

    ・メタリウム光線を受け、この後爆発する。

    ・パンダを盗む宇宙人という訳の分からない設定が奇抜な面白い回だが、スチール星人自体はそれほど有名ではない。新作の『ウルトラマンゼット』などで登場したら面白いギャグ回になりそうだが、可能性は低いだろう。

     因みに、エースのデザインは東宝特殊美術部に所属していた鈴木儀雄によるもの。超獣デザインも担当した。

     また、ワンピース式では胸の隆起が若干おさえられ、微妙に形状が違っている。

    cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html


    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンエース』©︎1972円谷プロ


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