たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    2020年05月

      ドラマ『モブサイコ100』(2018)は坂本浩一監督作品。主人公・影山茂夫を演じるのは『ウルトラマンジード』(2017)で主人公・朝倉リクを演じた濱田龍臣。
    第4話には『ウルトラマンエックス』(2015)で高田ルイ役を演じた百川晴香が出演している。

    ルイルイのような眼鏡キャラではなく、猫耳キャラ。少ししか登場しないが、「〜ニャン」や「ズッキュン、ドッキュン、送信♡」というキラーフレーズを放ち、可愛さを爆発させている。ファンなら一見の価値ありだ。


    他にもウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズ、戦隊シリーズに出演歴のある役者が多数登場。「この人はっ!」と探しながら観るのも楽しいだろう。

    原作漫画を知らなくても楽しめるストーリーとなっており、気楽に観られる作品である。

    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    DVD『モブサイコ100』©ONE・小学館 / ドラマ「モブサイコ製作委員会」


     『ウルトラマンエックス』(2015)第14話「光る大空、繋がる大地」はギンガ・ビクトリー客演回の完結編。脚本は林壮太郎、監督は坂本浩一。


    脚本の林壮太郎はアクション好きで、ギナ・スペクター役の佃井皆美を見るために高崎のビジネスホテルで1泊して前のりまでして撮影現場に駆け付けた。
    脚本上は、ウルトラマン3人の活躍のバランスに気を遣ったという。


    ・エックスのピュリファイウェーブ、ギンガのギンガコンフォート、ビクトリーナイトのナイトティンバー。癒しの三重奏。一度でいいから浴びてみたい。坂本監督によると、ラストの立ち回りは『プロジェクトA』がモチーフ。ジャッキー・チェンがエックス。パワー系のサモ・ハン・キンポーがギンガ。そして足技のユン・ピョウがビクトリー、とのこと。

    ・屋上で話す大地・ショウ・ヒカル。脚本の林壮太郎によると、ヤンキーに絡まれた真面目な子みたいな絵面になってしまったという。たしかに大地がカツアゲに遭っているように見えなくもない。
    しかしシリーズ構成上は、大地が自分の夢のモデルケースを知るという大事なシーン。先輩ウルトラマンであるヒカルに励まされる描写が良い。

    ・ヒカルの話の中に出てくるセブンとカプセル怪獣のカット。カプセル怪獣3体が揃い、しかもセブンと一緒に画角に収まっているのはレア。坂本監督によると、第13話でショウがセブンガーを連れてくれば完璧だったが、その希望は叶わなかったようだ。

    ・シャプレー星人に撃たれるマーキンド星人。坂本監督によると、モルド・スペクターは『仮面ライダーX』(1974)のキングダークを意識しているため、『ULTRASEVEN X』(2007)に出て来たマーキンド星人、さらに本作『ウルトラマンX』と併せて「トリプルX」になっている。多少こじつけではあるが。

    ・メカゴモラ対サイバーゴモラ。この対戦カードもエモい。

    ・ナパーム爆破のカット。目を閉じないように言われていたが、思わず瞬きしてしまった大地役の高橋健介。さぞ悔しかっただろう。ヒカル役の根岸拓哉とショウ役の宇治清高はさすがの経験者っぷり。

    ・根岸拓哉は『仮面ライダーエグゼイド』(2016)第4・12話で西脇嘉高役を演じている。
    また、坂本監督作品のドラマ『モブサイコ100』(2018)でも枝野剛役として呼ばれている。

    ・宇治清高は『仮面ライダーフォーゼ』(2011)第5・6話で新田文博 / ユニコーン・ゾディアーツ役を演じている。

    ・ギンガのギンガサンダーボルト、エックスのエレキング電撃波、ビクトリーのエレキングテイル、と電気縛りの攻撃をしたときのルイの表情。「エレちゃん祭り。こりゃたまらんですな。」

    ・高田ルイを演じるのは百川晴香。アイドルグループ「全力少女R」のリーダー。
    「百川」の「百」は山口百恵の「百」から取った。
    坂本監督作品のドラマ『モブサイコ100』(2018)第4話にも出演している。
    坂本監督によると、百川晴香はジュニアアイドルの頃から活動しているため、どうすれば可愛く映るか熟知しており、とてもイキイキとルイルイを演じてくれたという。

    ・ギンガビクトリーが平成ウルトラマンたちの力を借りて繰り出す技の数々。
    『劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』(2015)では見せられなかった技をチョイス。ガイアのフォトンエッジ、ダイナのソルジェント光線、そしてティガのゼペリオン光線。
    ダイナのソルジェント光線で、発射前にサムズアップさせているが、本家ダイナではそのような予備動作はなかった。おそらく、発射体制がスペシウム光線と似ているので、区別をつけたくて『ダイナ』(1997)でよく使われた「ラジャー!」のサムズアップポーズを採り入れたのだろう。
    もしかしたら熱狂的なダイナファンからは批判もあったかもしれない。

    ・エクシードイリュージョン。4体4色に分かれて斬撃を鮮やかに決める。かつてないほど華麗な技。


     坂本監督は対戦カードの組み合わせや使う技の組み合わせで、どうしたら面白くなるか、ファンを喜ばせられるかを考えて物語を組み立てている。よく作品づくりを「料理」に例えて話をすることが多いが、本当に現場にある材料を料理するのが上手い三ツ星監督であると言えよう。

    cf.)前話(第13話「勝利への剣」)についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6208999.html

    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    Blu-ray『ウルトラマンエックス』©2015円谷プロ
    『映画監督 坂本浩一 全仕事』著:坂本浩一 出版:KANZEN
    https://ja.wikipedia.org/wiki/根岸拓哉
    https://ja.wikipedia.org/wiki/宇治清高
    https://ja.wikipedia.org/wiki/百川晴香
    You Tube 特爆!チャンネル 特撮は爆発だ! #147feat.アルファスタントSP
    https://www.youtube.com/watch?v=JdnIwdear34
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      2020年6月20日(土)放送開始予定の『ウルトラマンゼット』のメインキャストがまたひとり発表された。


    対怪獣ロボット部隊ストレイジの創設者・クリヤマ長官(64歳)。
    ガミガミと説教することが多いが、実は神経質な胃痛持ち。常に隊員たちのことは考えていて、憎めない一面も。ロボットと怪獣との戦いで起きる被害と、開発予算の工面に、いつも頭を悩ませている。

    演じるのは大ベテランの小倉久寛。
    『仮面ライダーウィザード』(2012)の輪島繁役を演じている。

    本人コメント
    ウルトラマンの放送が始まったのは、僕がまだ子供の頃、胸の前で腕を十字に組み「ジャーッ!」と叫んで、友達とよくウルトラマンごっこをして遊びました。
    ウルトラマンは子供達の間で大人気でした。時は流れ、大学を卒業し、この世界に入ったばかりの頃よくキャラクターショーのアルバイトをしました。こんなに時は流れていても、やっぱりウルトラマンショーは大人気でした。ウルトラファミリー全員登場のシーンなど子供達はもう興奮のるつぼ。その地球防衛軍長官役だなんて、今僕が興奮のるつぼです。」

    『仮面ライダーウィザード』のときもそうだったが、抜群の安心感のある役者である。

    [参考]
    ウルトラマンZ/劇場版ウルトラマンタイガ/ウルクロ公式Twitter(@ultraman_series)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/輪島繁
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     『ウルトラマンエックス』(2015)第13話「勝利への剣」は前作『ギンガS』(2014)のメンバーが登場するスペシャル客演回。脚本は三好昭央。監督は坂本浩一。

    ・脚本の三好昭央は前作『ギンガS』でも第3話「孤高の戦士」第10話「未来への聖剣」を担当しており、ショウには思い入れがあった。今回抜擢されたのはそれもあるのだろう。ショウが成長し、いい意味で丸くなったところを見せたかったと語っている。

    ・アバンに前12話の未公開シーン、屋上で大地とエックスが話す件が入っている。

    ・ビクトリーを連れ去るモルド・スペクター。
    スーツは『ウルトラファイトビクトリー』(2015)に出て来たジュダ・スペクターの流用。頭部は新規造型で、体はジュダ・スペクターの改造。「痛快!痛快!」というモルド・スペクターの台詞は原典『アンドロメロス』でもよく使われていた口癖で、脚本の三好昭央が好んで意識的に入れており、続く第14話でも脚本の林壮太郎が使っている。
    ビクトリーも黒を基調としたウルトラマンなので、黒対黒の戦いとなり、絵としても引き締まった絵になった。

    ・『エックス』の世界に迷い込んできたアリサを受け入れるXioの面々。少し会話しただけですぐ信用して仲良くなるあたりはウルトラマンの世界の明るさ、もしくは坂本監督の明るさが反映された結果なのかもしれない。アスナ役の坂ノ上茜とアリサ役の滝裕可里は撮影中も仲良しで、滝裕可里のクランクアップのときは2人で抱き合って泣いた。

    ・ショウはモルド・スペクターによって猿ぐつわをはめられた状態で登場。『ウルトラマンレオ』(1974)第34話「ウルトラ兄弟永遠の誓い」でジャックがアシュランによって猿ぐつわをはめられたときのオマージュ。「私は、地球、人です」と2回説明する大地の描写もコミカル。

    ・アスナ、アリサ、ギナ・スペクターによる三つ巴戦。動ける女優が揃ったので坂本監督がぜひやりたかったというアクション。

    ・ショウが大地の剣技を特訓するシーン。セブンがレオを特訓し、レオがゼロを特訓し、ゼロがギンガ・ビクトリーを特訓・・・と脈々と受け継がれてきたスポ根設定を踏襲。撮影中、打ち合いが激しすぎてショウの木刀が折れるというアクシデントもあった。ショウが筋骨隆々なので大地の細さが際立って見える。

    ・ビクトリーを初めて見たエックスの2度見リアクション。「かっこいい・・・」という台詞は脚本の三好昭央の狙いだが、2度見させたのは坂本監督。

    ・エックスとビクトリーの同時パワーアップカット。ビクトリーナイトはオープンカットが非常に映える。

    ・最後に登場するギンガ。「シャォラ!」という台詞は脚本の三好昭央がこだわった台詞。何度も台本を書き直して台詞を削る中、ここだけは残したかったという。因みに、ギンガの掛け声は全て時間に関係している。「シャォラ」は「将来」の訛りである。

    スポ根の伝統が受け継がれた回だったが、大地が今後ルーキーに対し修行をつけることはあるのだろうか。師匠というガラではないキャラではあるが。

    cf.)続く第14話「光る大空、繋がる大地」についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6216650.html

    cf.)前話(第12話「虹の行く先」)についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6207734.html

    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    Blu-ray『ウルトラマンエックス』©2015円谷プロ
    『映画監督 坂本浩一 全仕事』著:坂本浩一 出版:KANZEN
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     『ウルトラマンエックス』(2015)第12話「虹の行く先」はエクシードエックスの登場回。また、後のエピソードに繋がるギナ・スペクターやダークサンダーエナジーも登場する要素の多い重要回でもある。脚本は内田裕基。監督は坂本浩一。

    ・坂本監督はこの年、韓国での仕事がメインだったので、『エックス』にはフルで参加できない状態だった。そこで、プロデューサーの岡崎聖の依頼により、新ビークルやパワーアップ形態回、ゼロやギンガ客演回のみの参加となった。

    ・当初は「虹の大地」というサブタイトルだったが、脚本の内田裕基は違和感を感じ、第3稿くらいでこっそり「虹の行く先」に変えたらそのままOKが出たという。デビュー作だったため、自分の考えたサブタイトルとなって嬉しかったと語っている。

    ・本来、どうしてエクスラッガーが出てくるのかをドラマで描くのがセオリーだが、他にも要素が多く、とてもそんな余裕がないので、そこが目立たないように密度と勢いのある話にしようと坂本監督が先導。実際、本当に勢いのある回となった。

    ・ギナ・スペクター登場。演じているのはアクション女優の佃井皆美。
    安室奈美恵に憧れてダンスなどを始めたが、歌唱力がないことに気づき、アクションクラブ・JAEへ入った。しかし、練習は死ぬほど辛かったという。坂本監督作品にはよく登場している。『仮面ライダー鎧武』(2013)で仮面ライダーマリカ / 湊耀子役として、変身前と変身後のスーツアクターの両方を演じたこと等でも有名。
    アスナ役の坂ノ上茜も新体操出身でアクションを得意とするので、女同士の戦いを撮りたかったという。

    ・脚本の内田裕基はルイに「コスプレのお姉さん」と表現させている。このあたりの感覚も若い内田裕基ならでは。ルイとは年齢も近いので、書きやすかったという。因みに、ギナ・スペクターの衣装は『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』(2008)に出てくるペダン星人ハーランのものの改造。

    ・サイバーゴモラに力を貸してほしいと頼むアスナ。後の第19話「共に生きる」でゴモラに訴えかけるシーンにも繋がる伏線として、この回からアスナとゴモラの絆も描かれ始める。

    ・ザラガス対サイバーゴモラ。坂本監督はザラガス好きのため、登場怪獣として選んだ。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)でもザラガスとゴモラを戦わせており、今回はそのセルフオマージュである。

    ・エクスラッガーを見つけてエックスを取り戻した大地。「前より大地を近くに感じる」という台詞や、「お前を離さない!」という台詞は、ともすれば変な意味に捉えられかねないが、それまでの大地とエックスの絆の総決算的な回なので敢えて言わせている。ユナイトは人間同士の話ではなく、心が繋がることでもあり、エックスを一度失った大地の喪失感は相当のものだったろうと推察しての台詞である。

    ・エクシードエックス登場。デザインを担当した後藤正行によると、相当の難産だったという。バンダイから提示されたイメージイラストは全身が虹色に光っている感じのデザインだったが、現実的には無理で、エフェクトを絶えず入れるわけにもいかないため、エクスラッガーも含めてデザインでなんとかまとめなければならない。「圧倒的に光る」というコンセプトのエクスラッガーをエクシードエックスの意匠へ落とし込めた後も、全体の色で苦労したという。

    ・ルイの「めっちゃデコってるよ~!」という台詞は内田裕基のアイディア。新ヒーローが出てきたらリアクションするのが坂本監督あるあるで、ここでも若い感覚が冴えている。内田裕基によると「怒られるかな」と思ったが、すんなり通ったという。

    ・ツルギデマーガのデザインは三ノ輪さりとが担当。坂本監督と品田冬樹の意見をデザインとしてまとめた。パワーアップ前のエックスでは少ししか投げられていないが、エクシードエックスになってからは宙空に大きく飛ぶほど投げられており、このあたりでもレベルアップが表現されている。ふっとぶツルギデマーガはワイヤーアクションである。

    ・エクシードエクスラッシュ。この技は邪気退散的な効果のみに留められた。その理由はエックス自身がカッコいいデザインで、ザナディウム光線も素晴らしい技なので、後半戦に出なくなるのは勿体ないと坂本監督が感じたため。また、従来のウルトラマンとの差別化でもある。

    ・また、商戦を意識して、大地が持つエクスラッガーの大きさも玩具版と同じサイズになっている。なるべく画面にアイテムが露出するよう、インナースペースでの操作カットも意識的に採り入れられている。この辺りは坂本監督が円谷プロに吹き込んだ良い風潮であると言える。

    ・大地に抱きつくアスナ。この大胆な展開もこの回の驚きポイントのひとつだ。
    近年の円谷プロとしては、あまりベタベタした恋愛表現は好まず、淡い恋心程度に留めるパターンが多いが、坂本監督はどちらかといえば色恋沙汰に肯定派なのではないか。内田裕基の若い感覚もそれに乗っかった節がある。

    内容がてんこ盛りで大変な回だが、勢いがあり、エクシードエックスの華々しい登場回となった。こんな回を若い内田裕基は(坂本監督のフォローがあったとしても)よくやり遂げたなという印象である。因みに、打ち合わせの際、坂本監督は朝からレッドブルを飲んで気合いを入れていたという。

    cf.)続く第13話「勝利への剣」についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6208999.html

    cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html

    [参考]
    Blu-ray『ウルトラマンエックス』©2015円谷プロ
    『映画監督 坂本浩一 全仕事』著:坂本浩一 出版:KANZEN
    https://ja.wikipedia.org/wiki/佃井皆美
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