『ウルトラセブン』(1967)第24話「北へ還れ!」はカナン星人とウィンダムが登場し、フルハシ隊員にスポットが当たる回。脚本は市川森一。監督は満田かずほ。特殊技術は高野宏一。
・母病気の報を受け、北海道の故郷に帰ってきたフルハシ。しかしロケ地は北海道ではなく、長野。駅名も「野辺山駅」と書いてある。現在は改築されて綺麗な駅舎になっている。
・フルハシの妹・マナを演じたのは山口奈々。
『快獣ブースカ』第45話「魔法の帽子」のシスター役も演じている。声優としての活躍が多い。
映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(1999)では赤い玉の声を演じている(山口ナナ名義)。
・母の病が牧場を継がせる為の嘘と分かり、引き返してしまうフルハシ。
・母病気の報を受け、北海道の故郷に帰ってきたフルハシ。しかしロケ地は北海道ではなく、長野。駅名も「野辺山駅」と書いてある。現在は改築されて綺麗な駅舎になっている。
・フルハシの妹・マナを演じたのは山口奈々。
『快獣ブースカ』第45話「魔法の帽子」のシスター役も演じている。声優としての活躍が多い。
映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(1999)では赤い玉の声を演じている(山口ナナ名義)。
・母の病が牧場を継がせる為の嘘と分かり、引き返してしまうフルハシ。
・カナン星人のオーロラに捉えられてしまう北極圏パトロール機。隊員を演じるのは小沢直平。
『ウルトラマン』(1966)第36話「射つな!アラシ」の児童会館職員、
『ウルトラマンA』(1972)第36話「この超獣、10,000ホーン?」の暴走族リーダー・俊平も演じている。
・旅客機と衝突し、爆発炎上してしまう。
・フルハシをウルトラホーク3号で調査に向かわせるが、3号もオーロラに捉えられ、操縦桿が効かない状態に。正面からは別の旅客機が迫る。
・旅客機の操縦士を演じるのは小島岩(いわお)とブルーノ・ルシケ。
小島岩は『ウルトラQ』(1966)第16話「ガラモンの逆襲」では群馬県警機動隊・警官、
『快獣ブースカ』(1967)第18話「こちらブースカ!110番」では日の出町派出所・巡査、
『ウルトラセブン』(1967)第22話「人間牧場」ではメディカルセンター医師を演じている。
・衝突まであと20分。自爆360秒前にセットし、脱出するよう指示するキリヤマ隊長。しかし、脱出用レバーが故障!これもカナン星人のオーロラの効果か。よく見ると、レバーが木製であることが分かる。
・脱出できないことを知り、狼狽するキリヤマ隊長。
・基地には民間人は入れない決まりのため、麓のホテルに案内されたフルハシの母・ユキ。テレビで相撲を観戦。「寄り倒し、柏戸の勝ち!豪快な柏戸、左前みつ、右差しの速攻冴えました!」の実況が流れる。
・刻々と時を刻む自爆タイマー。緊張感を煽る。
・カナン星人。名前の由来は旧約聖書「出エジプト記」に出てくるユダヤ人約束の聖地カナンから。
巨大な複眼が特徴的な宇宙人。当時の学年誌によると、熱に弱い種族という裏設定もある。
声を演じているのは矢野陽子。
『ウルトラQ』(1966)第2話「五郎とゴロー」の淡島ロープウェイ観光ガイド、第10話「地底超特急西へ」のいなづま号ガイド役としても出演している。
・死を目前にした状況で、親子の会話で笑いが起こる。フルハシは泣きながら笑っているようにも見える。BGMなしで笑い声だけが続き、何回もカットバックする2人の顔。この演出がたまらなく良い。
フルハシの母・ユキを演じたのは市川春代。
フルハシ役の石井伊吉(現・毒蝮三太夫)は「なんて品のいい人なんだ!こりゃあ、ミスキャストじゃないか?」と語っていたという。
サイレント映画時代から活躍し「ハル坊」と呼ばれた名女優である。2004年に亡くなっている。享年91歳。
・戦時中、戦闘機に乗り、空に散っていった若者たちがよく母や家族への手紙を遺しているが、死ぬ前に母と最後の会話をしたかった、そんな若者たちへの鎮魂歌のようだ。この回でフルハシは一命を取り留めるが、脚本の市川森一の脳裏には特攻隊の青年たちのこともよぎっていたのではあるまいか。カットバックするフルハシの表情は考えさせるものがある。因みに放送当時はベトナム戦争の真っ只中で、沖縄基地から米軍機がベトナムに向けて飛んでいた時代である。
・ダンはウィンダムを召喚するが、カナン星人の灯台型基地からビームが発射。電子頭脳を狂わされる。
・主人であるセブンに攻撃してきたウィンダム。エメリウムでビームを軽く防ぐセブン。
・セブンとウィンダムの追い掛けっこが始まる。途中でセブンが抜け、ウィンダムはひとりで回転し目を回してダウン。
・セブンのビームで電子頭脳が正常化。
・再び灯台型基地へ攻め込もうとするウィンダムだが、顔面にビームを浴び、再度ダウン。
・セブンはクロスガードでビームを防ぎ、ウィンダムを回収。
・逃げる灯台型基地をワイドショットで爆砕。
・オーロラが解除され、操縦桿が効くようになる。咄嗟に操作し、間一髪で旅客機を避けることに成功。
・残り27秒だった。
・安堵の表情を浮かべるフルハシ。
・隊長に北海道上空のパトロールを命じられ、夕焼けの空をホーク3号でパトロールするフルハシ。
この夕焼けが美しい。
準備稿では、旧友の仇を討つためにフルハシがホーク3号搭乗を志願する展開であったという。
死を目前としたフルハシの緊張感溢れる人間ドラマが展開される一方、特撮パートは「追い掛けっこ」という肩の力を抜いて観られる展開。緊張と弛緩のバランスを取ったエンターテインメント性が光る回となった。
ただ、残り20分で衝突→360秒(6分)後の自爆設定ということは、本来自爆を解除しても、旅客機と衝突するまであと14分は残っているはずなので、間一髪のすれ違いという演出は計算が合わないことになる。ソガの「20分」という見立てが間違っていたのか、あるいは、カナン星人のオーロラの効果で旅客機やホーク3号が加速されていたのか。はたまた、オーロラの効果で自爆装置も故障してタイマーが狂っていた。などという仮説を立てることも出来る。「カナン星人が計画遂行のためにタイマーを少しずつ遅らせていた」という説が有力なようだが、それならフルハシがタイマーの異変に気付きそうなものである。
ウィンダムは『平成セブン』シリーズで復活を果たし、『ウルトラマンメビウス』(2006)でもマケット怪獣として活躍し、ファイヤーウィンダムといったカスタマイズもされている。また、近年では『ウルトラマンゼット』(2020)で人間が乗り込んで闘う完全なロボットという設定でリバイバルを果たした。両腕が回転し電撃を放ち、体中からミサイルを発射するという新機能も搭載。これからも末永く愛されるキャラとなりそうだ。
cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html
cf.)ウィンダム登場回『ウルトラマンゼット』第4話「二号ロボ起動計画」はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6535953.html
[参考]
DVD『ウルトラセブン』©1967円谷プロ
https://ja.wikipedia.org/wiki/山口奈々
https://ja.wikipedia.org/wiki/小沢直平
https://ja.wikipedia.org/wiki/小島岩
https://ja.wikipedia.org/wiki/矢野陽子
https://ja.wikipedia.org/wiki/市川春代
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラセブンの登場怪獣
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30535.html
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