10月31日(土)放送の『ウルトラマンゼット』第19話「最後の勇者」はバラバ登場回。脚本は根元歳三。監督は辻本貴則。
・街中に突如ベムスター登場。ガスタンクを吸収。接近戦を避けるよう助言するユカ。『帰ってきたウルトラマン』(1971)の大ファンである辻本監督のチョイスだろうか。
cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6315068.html
・監視カメラの映像。辻本監督がよく使う手法だ。キングジョーSCとウィンダムが到着。ウィンダムの手が食われそうになり、ハルキは早々に変身しようとする。と、エースメダルが光る。
・空が割れ、何かを察して逃げるベムスター。
後頭部を打つヘビクラ=ジャグラー。『ウルトラマンオーブ』(2016)最終回で見せた仕草だ。
cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6231535.html
・街中に待機するキングジョーSCとウィンダム。スマホ動画撮影で橋から見下ろすカットは前作『ウルトラマンタイガ』(2019)第23話「激突!ウルトラビッグマッチ!」でも見せた手法。
cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6253725.html
・エースを語るゼット「昔、世話になった。」何があったのだろうか。回想シーンの夕焼けに佇むエースの背中が良い。
・バラバ登場。車好きの辻本監督。今回も多数のラジコンカーを使用している。そこからの内引きカット。左側に設置された水槽の中まで細かく表現されており、きめ細やかさに驚嘆する。
・喋るバラバ。ヤプールの残留エネルギーが実体化したものらしい。ウィンダムがエースに見えているようだ。
・ミニチュアの商店街や自動車工場(?)を右往左往するカット。その中で3人の人間が戦いの様子をスマホ撮影しようとしている。監督陣のカメオ出演。田口監督、武居監督、越監督。
『ウルトラマンタイガ』(2019)第22話「タッコングは謎だ」でも似た手法が採られている。
・ビルの中のスポーツジムのようなフロアの内引きカットから、倒れてくるゼットが見え、背中から派手にビルを壊すゼット。ビル完全破壊ではなく、残されたビル階下部分がゼットを支え、ブリッジのような形になっているのも新しい破壊表現。
・「弱気になるな!ゼット!」エース登場。あの懐かしのオープニングBGM。オールドファンにはたまらない演出だ。
cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/5915827.html
・パンチレーザー、バーチカルギロチン、ウルトラネオバリアを張りながらのフラッシュ光線。得意技のメタリウム光線、そしてエースブレード。
・ベータスマッシュとなったゼットもゼットランスアローを持ち、バラバの両腕の武器に2人で対応する。しかし、エースブレードが折れてしまう。
・アロー光線、タイマーショット。そこからの高速ぐるぐるカット。アベ監督がよく多用する通称アベンジャーズカットだが、今回は高速で「これでもか!」という程回している上に、上下反転も交えており、進化していた。さしずめ、スーパーアベンジャーズカットと言ったところか。
・ストップリングでバラバの動きを止めている隙に、スペースQをゼットのウルトラホールに託すエース。そこからスペースZを放つゼット。「ヤプール死すとも超獣死せず」というヤプールの名台詞を吐いて散るバラバ。因みに、この台詞は板垣退助が残した言葉とされる「板垣死すとも自由は死せず」が元ネタ。ただ、実際には言っていないという説もある。
・「バラバがバラバラ」ひとりオヤジギャグを呟くジャグラー。
・ゼットの名付け親はエースであったことが判明。この地球を守る最後の勇者になれるよう願いが込められているとのこと。本当の親というわけではないのか。では、ゼットもエースと同じように、孤児という設定なのだろうか。このあたりは後々、超全集に掲載される小説などで明らかになるのだろうか。
・Zマークを残して飛び立つゼット。そこに一線プラスしてAマークにしてしまうエース。飛び去り方まで粋な計らい。
『ウルトラマンエース』(1972)で北斗星司を演じた高峰圭二がエースの声を担当し、「光線技の名手」と言われるエースから繰り出される多彩な技を全てコールするというスペシャル演出も嬉しかった(本来はあまり光線名はコールしないので、その辺は賛否両論ありそうだが)。因みに、エースリフターという技があるように、実は力持ちという設定もある。
スペースQをゼットに託し、最後はゼットに譲る形を採ったのは、主役を潰さない配慮というのもそうだが、後輩たちに想いを託す暗喩だったのではないだろうか。つまり、「レジェンド4」と言われる初代ウルトラマンからエースまでの主人公を演じたお歴々(黒部進、森次晃嗣、団時朗、高峰圭二)も今回のような声優仕事が精一杯で体力的にも出演は難しい年齢になってきているし、ウルトラを背負ってきた想いを、現在第一線で製作に携わっているスタッフや新たな俳優陣たちに引き継ぐ、という意味で、ある種の「儀式」だったのではなかろうか。
ミニチュア特撮表現が緻密な上に、破壊表現等も新たな形にチャレンジしており、ボリューム感満点の特撮内容だった。辻本監督のように、第二期ウルトラシリーズで育った世代が主要監督陣に多いので、近年はジャックやエースにも度々スポットが当たるのが嬉しい。今回は往年のオールドファンなら痺れっぱなしの回だったに違いない。
cf.)第20話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7857420.html
cf.)第18話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7684434.html
[参考]
TV『ウルトラマンゼット』©2020円谷プロ・ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京
にほんブログ村
・街中に突如ベムスター登場。ガスタンクを吸収。接近戦を避けるよう助言するユカ。『帰ってきたウルトラマン』(1971)の大ファンである辻本監督のチョイスだろうか。
cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6315068.html
・監視カメラの映像。辻本監督がよく使う手法だ。キングジョーSCとウィンダムが到着。ウィンダムの手が食われそうになり、ハルキは早々に変身しようとする。と、エースメダルが光る。
・空が割れ、何かを察して逃げるベムスター。
後頭部を打つヘビクラ=ジャグラー。『ウルトラマンオーブ』(2016)最終回で見せた仕草だ。
cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6231535.html
・街中に待機するキングジョーSCとウィンダム。スマホ動画撮影で橋から見下ろすカットは前作『ウルトラマンタイガ』(2019)第23話「激突!ウルトラビッグマッチ!」でも見せた手法。
cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6253725.html
・エースを語るゼット「昔、世話になった。」何があったのだろうか。回想シーンの夕焼けに佇むエースの背中が良い。
・バラバ登場。車好きの辻本監督。今回も多数のラジコンカーを使用している。そこからの内引きカット。左側に設置された水槽の中まで細かく表現されており、きめ細やかさに驚嘆する。
・喋るバラバ。ヤプールの残留エネルギーが実体化したものらしい。ウィンダムがエースに見えているようだ。
・ミニチュアの商店街や自動車工場(?)を右往左往するカット。その中で3人の人間が戦いの様子をスマホ撮影しようとしている。監督陣のカメオ出演。田口監督、武居監督、越監督。
『ウルトラマンタイガ』(2019)第22話「タッコングは謎だ」でも似た手法が採られている。
・ビルの中のスポーツジムのようなフロアの内引きカットから、倒れてくるゼットが見え、背中から派手にビルを壊すゼット。ビル完全破壊ではなく、残されたビル階下部分がゼットを支え、ブリッジのような形になっているのも新しい破壊表現。
・「弱気になるな!ゼット!」エース登場。あの懐かしのオープニングBGM。オールドファンにはたまらない演出だ。
cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/5915827.html
・パンチレーザー、バーチカルギロチン、ウルトラネオバリアを張りながらのフラッシュ光線。得意技のメタリウム光線、そしてエースブレード。
・ベータスマッシュとなったゼットもゼットランスアローを持ち、バラバの両腕の武器に2人で対応する。しかし、エースブレードが折れてしまう。
・アロー光線、タイマーショット。そこからの高速ぐるぐるカット。アベ監督がよく多用する通称アベンジャーズカットだが、今回は高速で「これでもか!」という程回している上に、上下反転も交えており、進化していた。さしずめ、スーパーアベンジャーズカットと言ったところか。
・ストップリングでバラバの動きを止めている隙に、スペースQをゼットのウルトラホールに託すエース。そこからスペースZを放つゼット。「ヤプール死すとも超獣死せず」というヤプールの名台詞を吐いて散るバラバ。因みに、この台詞は板垣退助が残した言葉とされる「板垣死すとも自由は死せず」が元ネタ。ただ、実際には言っていないという説もある。
・「バラバがバラバラ」ひとりオヤジギャグを呟くジャグラー。
・ゼットの名付け親はエースであったことが判明。この地球を守る最後の勇者になれるよう願いが込められているとのこと。本当の親というわけではないのか。では、ゼットもエースと同じように、孤児という設定なのだろうか。このあたりは後々、超全集に掲載される小説などで明らかになるのだろうか。
・Zマークを残して飛び立つゼット。そこに一線プラスしてAマークにしてしまうエース。飛び去り方まで粋な計らい。
『ウルトラマンエース』(1972)で北斗星司を演じた高峰圭二がエースの声を担当し、「光線技の名手」と言われるエースから繰り出される多彩な技を全てコールするというスペシャル演出も嬉しかった(本来はあまり光線名はコールしないので、その辺は賛否両論ありそうだが)。因みに、エースリフターという技があるように、実は力持ちという設定もある。
スペースQをゼットに託し、最後はゼットに譲る形を採ったのは、主役を潰さない配慮というのもそうだが、後輩たちに想いを託す暗喩だったのではないだろうか。つまり、「レジェンド4」と言われる初代ウルトラマンからエースまでの主人公を演じたお歴々(黒部進、森次晃嗣、団時朗、高峰圭二)も今回のような声優仕事が精一杯で体力的にも出演は難しい年齢になってきているし、ウルトラを背負ってきた想いを、現在第一線で製作に携わっているスタッフや新たな俳優陣たちに引き継ぐ、という意味で、ある種の「儀式」だったのではなかろうか。
ミニチュア特撮表現が緻密な上に、破壊表現等も新たな形にチャレンジしており、ボリューム感満点の特撮内容だった。辻本監督のように、第二期ウルトラシリーズで育った世代が主要監督陣に多いので、近年はジャックやエースにも度々スポットが当たるのが嬉しい。今回は往年のオールドファンなら痺れっぱなしの回だったに違いない。
cf.)第20話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7857420.html
cf.)第18話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7684434.html
[参考]
TV『ウルトラマンゼット』©2020円谷プロ・ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京
にほんブログ村