『ウルトラマンガイア』(1998)で主人公・高山我夢を演じた吉岡毅志が、Twitter上で下記を投稿した。
「押入れの整理してたら『ウルトラマンガイア』の最初の企画書出て来た。
まだタイトルも仮題。
高山我夢じゃなく、高間我夢だった件。
藤宮は兄的存在だった件。
XIGじゃなくて犬だった件(笑)
なんだか貴重な物が続々と出てくる。
部屋の掃除やモノの整理、皆も楽しもう👊‼✨✨✨」
→「高間」だとなんだか違った印象になってくる。
藤宮が兄的存在から暗転するパターンはアリだと思う。
「ガイア」や「アグル」の名前はこの時点では出て来ていない。
一番ビックリなのはXIGじゃなくてDOGだったというところ。「犬」って・・・。政府の犬みたいな受け取られ方もしかねない。けれど「犬に噛まれた」という表現もあるように、DOGが政府の意向に歯向かって独自に作戦を展開し、政府が「飼い犬に噛まれた」「首輪をつけろ」とか言うシーンも想定していたのでは・・・などと『ガイア』のパラレルストーリーも想像したくなる。
企画書をよく読んでみると、レギュラーメンバーの中で千葉辰巳参謀だけ「守岡辰巳」という名前だったことが分かる。なぜ苗字だけ変えたのだろうか。
また、KCB取材クルーの井上倫文も、当初は「井上リンブン」とカタカナ表記だったことが判明。
あとはファイター・チームの中にチーム・マーリンがないこと。細かい点ではオペレーターのジョジーがオース・・・トラリアと日本のダブルであり、「服のお洒落は敦子の羨望の的」だったという隠れ設定も面白い。
・・・・
この『ウルトラマンガイア』、従来のシリーズとは一線を画しており、科学的考証や人間関係などの設定でリアリティが重視された。シリーズを通し「根源的破滅招来体」という仮想敵を設け、大河ドラマ的要素を採り入れた。
放送開始の1998年(平成10年)はノストラダムスの大予言とされる1999年の前年。世紀末も目前にしていたこともあり、番組にタイムリーな「終末観」を漂わせることとなった。
『ガイア』の特徴として、ウルトラマンアグルの存在も大きい。我夢と同じく天才科学者である藤宮博也が変身する。
「地球を守りたい」という思いは二人とも一緒なのだが、我夢は人間も守ろうとするのに対して、藤宮は「人間は滅ぶべきだ」という。この点で二人は度々対立し、時には拳を交える。
しかし、紆余曲折を経て、藤宮は改心し、やがてガイアとアグルの二人で根源的破滅招来体と闘う、という流れになっている。
アグルは当初、2クール(1クールは13話分)終了時にガイアと同化してそのまま消えるはずだった。しかし、アグルのダーティーヒーロー的な魅力が既に子どもたちの間で人気の的となっており、加えて、藤宮博也役を演じる高野八誠(たかのはっせい)のイケメンさと独特の雰囲気が女性ファンを虜にしていたため、4クール目で待望の復活を果たすことになったのだ。
cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8094679.html
因みに・・・
「ガイア」という名は「ガイア理論」から拝借している。
「ガイア理論」とは、1960年代にNASAの科学者でもあるジェームズ・ラブロックが提唱した実在の理論で、当初は「自己統制システム」と命名したが、作家のウィリアム・ゴールディングの提案により、ギリシャ神話の地母神であり大地の象徴とされる女神「ガイア」の名を冠することになった。
地球そのものが生命体であり、地球は自己調節システムを持つとする考え方。この理論によれば、地球は自らに害をなすものに対して免疫機能を発生させる。
仮に藤宮が主張するように、「人間は地球の癌細胞」だとするなら、昨今の新型コロナウィルスも、環境破壊する人間に業を煮やした地球が自浄作用として人間を排除すべくウィルスを投入した、という考え方もできる。
いや、そんなことはない。「人間だって地球の一部」なんだ。地球を綺麗にしていく努力をしていく限り、地球だって人間を見捨てないはずだ。・・・と我夢のように思うためにも、我々ひとりひとりが今一度地球環境について考え、できることをしていくしかない。
cf.)前作『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html
cf.)次作『ウルトラマンコスモス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5982670.html
[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『ウルトラマンガイア』©︎1998円谷プロ
吉岡毅志Twitter(@takeshiyoshioka)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイア理論
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「押入れの整理してたら『ウルトラマンガイア』の最初の企画書出て来た。
まだタイトルも仮題。
高山我夢じゃなく、高間我夢だった件。
藤宮は兄的存在だった件。
XIGじゃなくて犬だった件(笑)
なんだか貴重な物が続々と出てくる。
部屋の掃除やモノの整理、皆も楽しもう👊‼✨✨✨」
→「高間」だとなんだか違った印象になってくる。
藤宮が兄的存在から暗転するパターンはアリだと思う。
「ガイア」や「アグル」の名前はこの時点では出て来ていない。
一番ビックリなのはXIGじゃなくてDOGだったというところ。「犬」って・・・。政府の犬みたいな受け取られ方もしかねない。けれど「犬に噛まれた」という表現もあるように、DOGが政府の意向に歯向かって独自に作戦を展開し、政府が「飼い犬に噛まれた」「首輪をつけろ」とか言うシーンも想定していたのでは・・・などと『ガイア』のパラレルストーリーも想像したくなる。
企画書をよく読んでみると、レギュラーメンバーの中で千葉辰巳参謀だけ「守岡辰巳」という名前だったことが分かる。なぜ苗字だけ変えたのだろうか。
また、KCB取材クルーの井上倫文も、当初は「井上リンブン」とカタカナ表記だったことが判明。
あとはファイター・チームの中にチーム・マーリンがないこと。細かい点ではオペレーターのジョジーがオース・・・トラリアと日本のダブルであり、「服のお洒落は敦子の羨望の的」だったという隠れ設定も面白い。
・・・・
この『ウルトラマンガイア』、従来のシリーズとは一線を画しており、科学的考証や人間関係などの設定でリアリティが重視された。シリーズを通し「根源的破滅招来体」という仮想敵を設け、大河ドラマ的要素を採り入れた。
放送開始の1998年(平成10年)はノストラダムスの大予言とされる1999年の前年。世紀末も目前にしていたこともあり、番組にタイムリーな「終末観」を漂わせることとなった。
『ガイア』の特徴として、ウルトラマンアグルの存在も大きい。我夢と同じく天才科学者である藤宮博也が変身する。
「地球を守りたい」という思いは二人とも一緒なのだが、我夢は人間も守ろうとするのに対して、藤宮は「人間は滅ぶべきだ」という。この点で二人は度々対立し、時には拳を交える。
しかし、紆余曲折を経て、藤宮は改心し、やがてガイアとアグルの二人で根源的破滅招来体と闘う、という流れになっている。
アグルは当初、2クール(1クールは13話分)終了時にガイアと同化してそのまま消えるはずだった。しかし、アグルのダーティーヒーロー的な魅力が既に子どもたちの間で人気の的となっており、加えて、藤宮博也役を演じる高野八誠(たかのはっせい)のイケメンさと独特の雰囲気が女性ファンを虜にしていたため、4クール目で待望の復活を果たすことになったのだ。
cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8094679.html
因みに・・・
「ガイア」という名は「ガイア理論」から拝借している。
「ガイア理論」とは、1960年代にNASAの科学者でもあるジェームズ・ラブロックが提唱した実在の理論で、当初は「自己統制システム」と命名したが、作家のウィリアム・ゴールディングの提案により、ギリシャ神話の地母神であり大地の象徴とされる女神「ガイア」の名を冠することになった。
地球そのものが生命体であり、地球は自己調節システムを持つとする考え方。この理論によれば、地球は自らに害をなすものに対して免疫機能を発生させる。
仮に藤宮が主張するように、「人間は地球の癌細胞」だとするなら、昨今の新型コロナウィルスも、環境破壊する人間に業を煮やした地球が自浄作用として人間を排除すべくウィルスを投入した、という考え方もできる。
いや、そんなことはない。「人間だって地球の一部」なんだ。地球を綺麗にしていく努力をしていく限り、地球だって人間を見捨てないはずだ。・・・と我夢のように思うためにも、我々ひとりひとりが今一度地球環境について考え、できることをしていくしかない。
cf.)前作『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html
cf.)次作『ウルトラマンコスモス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5982670.html
[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『ウルトラマンガイア』©︎1998円谷プロ
吉岡毅志Twitter(@takeshiyoshioka)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイア理論
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