2016年放送の『ウルトラマンオーブ』。人気俳優・石黒英雄を主人公・ガイに据え、2人の先代ウルトラマンの力を借りて変身するという設定が斬新で、今なお高い人気を誇っている。
初期基本形態はウルトラマンとティガの力を借りて変身したスペシウムゼペリオン。
それまでの平成ウルトラマンといえば、パワーアップ形態になる際には体のデザインが複雑になったり、装飾が付加されたり、筋骨隆々になったり、アーマーを身に纏ったり・・・と要素がプラスされていたのだが、この『オーブ』ではシリーズ中盤(第17話)でオーブオリジンという元々の形態に戻ることができるようになる・という手法がとられた。当時、黒を基調にした、よりスマートでスッキリしたオリジンのデザインが発表されたときには「?」と拍子抜けしたファンも多かったことだろう。
なぜこのような運びになったのか。
メイン監督の田口清隆監督によれば、前作の『ウルトラマンエックス』で初めてメイン監督を務めた際は、バンダイとの打ち合わせ等で決まってくるパワーアップ武器やアイテムの設定が後手後手に回ってしまった反省があり、『オーブ』ではメイン監督が決まった段階でそのような設定の成立過程に早めに関わることにしたという。
その中で、前作『エックス』のエクスラッガーが好評だったので今度も剣にすることになり、加えて、「2人のウルトラマンの力を借りて変身するなら元々の素体はどういう姿なのか」という疑問があり、この二点を掛け合わせ、失った剣(オーブカリバー)を取り戻すことによって元々の素体にひとりで変身できることにし、これを最終形態(劇場版を除く)とすることになったという。
企画の早い段階でこれが決定したため、第1話の回想シーンでは、失う前のオーブカリバーを光のシルエットで登場させることができた。
よく見ると第1話でもオーブカリバーの4つのエレメントが順番に光っている。写真は「火」の瞬間。
結果的に「失った自分を取り戻す」という設定が多くの共感を呼び、物語の中でその過程が丁寧に描かれることにより、しっかりとした説得力を持ったこの形態は大絶賛された。
後の『ウルトラマンR/B』(2018)では1クール目にオーブファンの愛染というキャラクターが出てくるが、これもオーブの人気の高さの証であろう。
cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6231535.html
[参考]
Blu-ray『ウルトラマンオーブ』©2016円谷プロ
YouTube 特爆!チャンネル 【坂本浩一VS田口清隆】特撮は爆発だ!#261 SP https://www.youtube.com/watch?v=KfyI_k6M9xA
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