『ウルトラマンネオス』の企画は1995(平成7)年に発足した。TVシリーズ化にはいたらなかったが、高野宏一監督のもと、8分間のパイロットフィルムが作成された。
内容は「地球侵略を企むYY星系のザム星人が怪獣ドレンゲランを率いて地球侵攻し、ネオスとセブン21が迎え撃つ」といったもの。
当時の円谷昌弘プロデューサーは「ネオスが発展したのが、ティガでありダイナ、ガイアなんですけど、ネオスは着ぐるみを製作し、キャラクターヒーローを生み出しただけで、映像としてはパイロットフィルムしかなかったんです」と語っている。
しかし、熊本県の「ウルトラマンランド」のイベントショーなどで活躍するネオスとセブン21の姿を観た製作スタッフの熱意により、企画中断から5年後の2000(平成12)年に映像化へ動き出す。ちょうど平成ウルトラセブン「1999最終章」シリーズが終了したタイミングだったこともあり、次の映像作品として『ネオス』がオリジナルビデオ作品として製作されることが決定した。
全12話。2002年7月6日と翌13日に、一時放送休止中だった『ウルトラマンコスモス』の代替番組としてTBS系で全国放送された。『コスモス』の放送再開に伴い、『ネオス』は放送されなくなるが、一部の局では時間帯を変えて残りの話数も放送された。
cf.)『ウルトラマンコスモス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5982670.html
ネオスとセブン21のデザインは丸山浩が担当。ネオスマスクのデザインは『ウルトラマンー遥かなる夢幻境へ翔べー』に登場予定だったウルトラマンの流用であり、丸山浩は首から下をデザインした。額のブロウスポットは円谷一夫のアイデアで付け足された。
因みに、パイロット版は東京・新宿東口のアルタビジョンなど限定された場所での上映が行われ、その一部が『ウルトラマンワールド 決定版!ウルトラヒーロー』(絶版)に収録された。ここに登場するネオスとセブン21のマスクやボディラインは若干異なっており、ザム星人もボディの色調が違う。また、マグニウム光線は両手を×の字にクロスして発射されている。このポーズは後の『ウルトラマンエックス』(2015)のザナディウム光線と同様のポーズであるが、パイロット版ネオスを意識して継承したわけではない。
cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html
ビデオ版では十字のクロスでネオマグニウム光線という名称で放っている。
ネオスは光の国の勇士司令部に所属するエリートという設定だが、OV化に漕ぎ着けるまでイベントなどでの下積み5年という、苦労人の稀有なウルトラマンだった。
因みに、エリートであるネオスとの差別化でコミカルに描かれたのが劇場作品『ウルトラマンゼアス』(1996)である。
cf.)『ウルトラマンゼアス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6013793.html
[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『ウルトラマンネオス』©円谷プロ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンネオス
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