『ウルトラマン80』の終了以来、TVシリーズは長らく製作されていなかったが、ウルトラマン生誕30周年にあたる1996(平成8)年の放送開始に向けて企画が練られていた。

cf.)『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html


 しかし、TBSにおける放送枠の確保は実現せず、TBS系列である大阪の毎日放送(MBS)での放送が決定。9月7日が放送開始日とされたが、準備期間が5か月しか残されていなかった。

 製作は突貫工事のように急ピッチで進められ、その中で、毎日放送の丸谷嘉彦プロデューサーの提案により、V6の長野博が主役にキャスティングされることとなった。

 脚本の最終決定稿を待たず、第1話が慌ただしくクランクイン。『80』終了の1981年以来、約15年振りにファン待望の新作TVシリーズがスタートしたのである。


 M78星雲が存在する世界観と決別し、3000万年前の古代の地球を守っていた「光の巨人」が復活すること。そして、正しき心を持つ人間が「光」と融合することで巨人に変身できる、といった「人間ウルトラマン」のコンセプトが採用された。このコンセプトは後の『ダイナ』や『ガイア』にも通ずるところがある。

 「ティガ」とはインドネシア語で聖なる数字である「3」を意味しており、マルチ・スカイ・パワーの3タイプにチェンジできることも表していると言われている。撮影にはCG技術が使われ、タイプチェンジや飛行シーン・変身シーン、その他防衛隊メカなどにも効果的に使われた。


  ティガのデザインは丸山浩。従来のウルトラマンのマスクに装飾を付け足すのではなく、逆に削る発想でデザインをまとめた。後頭部の窪みは、光を吸収して額のクリスタルから発射する裏設定の名残。体色は赤・青紫・銀の3色を基調とした。当初デザイン段階では青紫ではなく青だったが、変更されている。

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cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8084297.html


 平均視聴率は7.3%と振るわずだったが、子どもたちの認知度は高く、今なお根強い人気を誇っており、TVシリーズ復活の狼煙を上げた記念すべき作品である。

cf.)次作『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html

[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『ウルトラマンティガ』©円谷プロ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンティガ
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