2004(平成16)年、『ウルトラQ』のリメイク作品が放送される。その名も『ウルトラQ dark fantasy』。ウルトラシリーズ初の深夜枠として、主にテレビ東京系で放送され、地方局や専門チャンネルのアニマックスでも放送された。
企画の発案は円谷映像社長(当時)の円谷粲によるもの。円谷プロ、テレビ東京、エイベックスからなる製作委員会方式で企画が進行された。
当初は、『ウルトラQ The Midnight』というタイトルで、深夜枠を意識したホラー色の強い内容だった。シリーズ構成は上原正三が務めている。監督は八木毅、実相寺昭雄、金子修介など。脚本は、上原正三、小中千昭、太田愛など。錚々たる製作スタッフが集まっている。また、後のウルトラシリーズでレギュラー出演として活躍する宍戸開、桐島優介、内山眞人、堀内正美なども出演している。
原典の『ウルトラQ』に倣い、原則として各話ごとに独立した1話完結型の話になっている。第1話「踊るガラゴン」では華々しく巨大怪獣を扱っているが、全体を通してみると巨大怪獣の登場は少なく、等身大の宇宙人・怪人・怪物・幽霊・妖怪・アンドロイドなどが登場したり、怪奇現象や超常現象、都市伝説を扱った話が多い。
これは、「dark fantasy」という副題が表しているように、原典『ウルトラQ』が当初は『アンバランス』という名で怪獣路線ではなく、怪奇SF路線での製作をしていたことに由来する。いわば、『ウルトラQ』での原点回帰が試みられた作品である。
因みに、第19話「レンズ越しの恋」では高橋一生がゲスト出演している。
cf.)高橋一生のウルトラ作品出演についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5259675.html
また、下記のように原典の『ウルトラQ』へのオマージュ怪獣・宇宙人も登場する。
・ガラモンのオマージュ怪獣・ガラゴンが第1・16話に登場。
・セミ人間のオマージュ宇宙人・セミ女が第16話に登場。
・カネゴンのオマージュ怪獣・カネゴンヌが第22話に登場。
・ケムール人のオマージュ宇宙人・レキューム人が第26話(最終回)で登場。
深夜枠ということもあり、非常にチャレンジングなこの企画でメイン監督を務め上げた八木毅監督は、その手腕を買われ、2005年放送の『ウルトラマンマックス』のメイン監督に抜擢されることになる。
cf.)同年放送の『ウルトラマンネクサス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5869472.html
cf.)『ウルトラマンマックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5997988.html
[参考]
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラQ dark fantasy
DVD『ウルトラQ dark fantasy』©2004円谷プロ2004/avex/SPEJ/I-ENT
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