2010年12月に公開された映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』 はゼロの冒険物語。2011年がウルトラシリーズ45周年にあたるため記念作品第1弾として製作された。配給は前作のワーナー・ブラザーズから再び松竹に戻っている。

 監督は『ウルトラマンネクサス』(2004)などで実績のあるアベユーイチ。親子や兄弟、仲間たちとの絆をテーマに、宇宙を舞台とした冒険譚を描いた。『ファイヤーマン』(1973)のオマージュヒーロー・「グレンファイヤー」、『ミラーマン』(1971)のオマージュヒーロー・「ミラーナイト」、『ジャンボーグA』(1973)のオマージュヒーロー・「ジャンボット」が登場、ゼロの仲間となっていく。

cf.)『ウルトラマンネクサス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5869472.html

 『スター・ウォーズ』シリーズや『宇宙からのメッセージ』(1978)の影響を受けた設定やストーリーに加え、アベ監督は科学誌等を参考にして他世界宇宙・マルチバースの設定を導入、映像化に成功した。これは終盤で『ネクサス』(2004)に登場したウルトラマンノアを登場させるためでもあった。以後、世界観の違うウルトラ作品同士を繋ぐ理由付けとして多用されるようになった。

 製作期間が9か月しかなかったため、ロケ撮影中心となり、山口・福岡・熊本でロケが行われた。バラージ神殿のシーンは山口県の鍾乳洞・秋芳洞で撮影されている。

 ゼロは本作で初めて人間に憑依することになり、ゼロと一体化する主人公・ランには小柳友が抜擢された。ナオ役・エメラナ役には濱田龍臣と土屋太鳳。二人はNHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010)で共演している。

・ゼロとラン・ナオ兄弟の邂逅シーンでは、敢えてゼロの顔をフレームカットすることで、巨大感を演出した。この手法は『オーブ』(2016)のギャラクトロン登場シーンにも使われている。

cf.)ギャラクトロン初登場回はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6013826.html

・ベリアル軍を退けたウルトラ戦士たちのカットでは、マックスとゼノンもしっかり映っている。

cf.)『ウルトラマンマックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5997988.html

 
 ウルティメイトフォースゼロ結成やウルティメイトイージスを手に入れるまでの過程が丁寧に描かれ、ゼロの成長を描くとともに、その後のゼロの活躍の幅を広げることとなった冒険活劇作品である。


cf.)『ウルトラマンゼロ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6085844.html

cf.)次作『ウルトラマンギンガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6129654.html

[参考]
DVD『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』©2010「ウルトラマンゼロ THE MOVIE」製作委員会
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国
You Tube 特爆!チャンネル 特撮は爆発だ! #172
https://www.youtube.com/watch?v=sA9zSMvXx-0
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