2013(平成25)年に放送された『ウルトラマンギンガ』は円谷プロ創立50周年記念作品。『メビウス』(2006)以来、約7年振りとなる新作テレビシリーズである。

cf.)『ウルトラマンメビウス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6016964.html


 シリーズ構成は長谷川圭一。企画初期の段階では、『ガイア』(1998)が15周年となることから、主人公を大学生とし、大学教授として高山我夢を登場させる話もあった。また、『仮面ライダーフォーゼ』(2011)(東映)が高校生を主人公としていたことから、差別化のために小学生や中学生を主人公とする案もあったが、最終的に高校生に落ち着いたという。

cf.)『ウルトラマンガイア』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5911369.html

 メイン監督はアベユーイチ。「夢」をテーマに、高校生の青春の悩みや進路の不安など、ピュアな要素を物語に絡めるジュブナイル・テイストで方向性を定め、設定を作り直していった。ギンガに関しては、ほとんど喋らない「謎のウルトラマン」とし、神秘性を持たせている。これは、ウルトラマンゼロが出自もはっきりしていて、よく喋るウルトラマンだったので、正反対の設定にして存在を際立たせたかったためである。また、地球や宇宙を守るといった高尚な使命感を排し、廃校となった小学校を舞台に身近な人々を守るという設定にし、より親しみやすい作風を目指した。


 ギンガのデザインは後藤正行が担当。コンセプトは「光るウルトラマン」。七色発光LEDの使用を前提に、初代ウルトラマンをベースに各所にクリスタルが配置された。当初は太腿にもクリスタルがあったが、伸縮性の優先を考慮して省略された。また、小学校が舞台ということもあり、最終回以外は従来のウルトラマンより若干小さめの30メートルくらいの身長で戦う設定となっている。

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 登場・着地カットはアベ監督お得意の回転台が使われている。これは銀河=星雲が渦を巻いているイメージから考案したもの。

 怪獣を倒しても、スパークドールズという人形に戻るだけで、怪獣を殺すことがない優しい設定。ギンガのデザインの意外性。とある田舎町を守る高校生たちのジュブナイルといった一風変わった作風。そして、40周年を迎えたタロウの登場。全てが上手く調和し独特な雰囲気を持つ本作は人気を博し、続編となる『ウルトラマンギンガS』(2014)を生み出すこととなる。

cf.)『ウルトラマンタロウ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5925381.html

cf.)前作『ウルトラマンゼロ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6085844.html

cf.)次作『ウルトラマンギンガS』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6145930.html

[参考]
DVD『ウルトラマンギンガ』©円谷プロ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンギンガ
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