『ウルトラマン』(1966)第27話「怪獣殿下 後篇」はゴモラ登場の前後編の後篇。脚本は引き続き金城哲夫・若槻文三。監督は円谷一。特殊技術は高野宏一。
・「おにぎりの匂いをかぎつけて、怪獣が来るよ」オサムの一言に固まる鈴木夫妻。
・大阪の空撮カット。大阪市中央公会堂が映っている。
・一番最初に壊されるのは日本工業倶楽部会館を模したミニチュア。これは大阪の建物ではなく、東京駅丸の内側に建っている。
・「おにぎりの匂いをかぎつけて、怪獣が来るよ」オサムの一言に固まる鈴木夫妻。
・大阪の空撮カット。大阪市中央公会堂が映っている。
・一番最初に壊されるのは日本工業倶楽部会館を模したミニチュア。これは大阪の建物ではなく、東京駅丸の内側に建っている。
・大阪市中央公会堂はあっけなく壊されてしまう。
・マルス133でゴモラの尻尾を狙うハヤタ。狙いを指示したのはアラシ。いい着眼点だった。この一撃がなければ、ウルトラマンはまた負けていたかもしれない。
・燃え盛る尻尾の付け根。
・尻尾を失い、付け根が燃えていても、破壊を止めないゴモラ。何かに憑りつかれているようにも見える。安住の地から見知らぬ地へ無理矢理運ばれ、上空から落とされ、攻撃されたことへの怒りか。
・発信機を打ち込むアラシ。無事に命中。イデ発明のビーコンで追跡できるようになる。
・ちぎれた尻尾だけで暴れている。それだけ生命力が強いことを物語っている。
・城壁の外からゴモラの上半身だけが出てくる、戦車の上からの主観カット。いかにも「怪獣が攻めてきた」という雰囲気がよく表れている好カットだ。
・オサム少年の話を信じて現場に連れていく大阪府警。吉村という名前らしい。子どもを危険な現場に連れていく展開が許されてしまう昭和のおおらかさがいい。
・立派な大阪城セット。ゴモラよりも高い。劇場用作品にも引けを取らない緻密な作り。池谷仙克が図面を描いたという。これを爆薬を使わず、着ぐるみによる破壊だけで壊していく。何台ものカメラで色んな角度から撮り、編集。失敗の許されないカットだ。スーツアクターの鈴木邦夫は余程の緊張感を持って撮影に臨んだことだろう。
・跡形もなく壊されていく大阪城。「これだけは絶対に壊す」というゴモラの狂気を感じる。
・ハヤタにベータカプセルを届けるオサム少年。
・ゴモラにチョップをかますウルトラマン。
・尻尾攻撃のつもりが、尻尾がないのでお尻フリフリになってしまったゴモラ。かわいすぎる。
・地面に顔面を打ち付けられ、鼻の角が折れてしまう。
・背中から落ちるウルトラマン。手でショック吸収を試みているが、アクターの古谷敏は相当痛かったに違いない。
・連続で投げ技を決める。
・上段からのパンチ。これは殴っている方が痛そう。
・そしてアッパーカット。痛くないよう、若干押し上げるようにしているのが分かる。
・膝蹴りでゴモラの左角を折る。効果音や内部の赤さが痛々しい。
・尻尾の付け根をつかみ、振り回すウルトラマン。
・トドメのスペシウム。
・火薬の火が首元についてしまい、倒れながら焦って消しているのが分かる。おそらく覗き穴の近くだったので、慌てて消したのだろう。
・アラシ「憎むべきやつだったが、かわいそうなことをした」→本当にそうだ。
イデ「剥製にして万国博に飾ってやろう」→それはゴモラは望んでいないだろう。
・ハヤタにもらった通信バッジで通信するオサム少年。「目下ガリ勉中」と言いながら絵を描く。
人間の都合に振り回され、殺されてしまったゴモラ。ひとつでも多くの建物を破壊してやろうとする人間への憎しみ、狂気さえ感じられる。大阪城の破壊という一大スペクタクルシーンが印象的なゴモラだが、改めて観返すと理不尽な運命の中、ボロボロになって死んでいく悲劇性が感じられる。
cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html
cf.)前篇はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6520129.html
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