『ゼロVSベリアル 10周年記念読本』(出版:実業之日本社)を読んだ。

 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)で劇的な登場を果たしたゼロとベリアル。10周年を記念して、その系譜、因縁の対決の数々を振り返り、関係者のインタビューも多数掲載、デザイン画等のビジュアルも豊富で、ゼロ愛に満ちた作りとなっている。

 初登場時は強いだけで、師匠に「ごたごた言ってんじゃねぇ!」と礼儀知らずの台詞を吐いていた、口の悪い不良少年的なイメージしかなかったゼロ。それが経験を積むにつれ、数々の人間たちとの出会いを経て精神的にも立派に成長していく。各作品の監督たちが、今度はゼロに何を経験させるか、どんな要素を追加するか、何を考えさせるかを検討し、大切に育ててきたことが如実に伝わってきた。

 また、現在放送中の最新作『ウルトラマンゼット』(2020)ではついにマントを羽織り、弟子(ゼロは認めていないが)を持つようになったゼロ。メイン監督の田口清隆のインタビューでは、企画発端となる北浦嗣巳プロデューサーとの話の内容まで書いてあり、ゼットファンにとっても一読の価値ありの内容だ。

 ベリアルも『ウルトラマンジード』(2017)で息子のジードによって葬られてからも、ベリアルメダルやベリアル因子という形で根強い存在感を示している。ゼットの最終形態「デルタライズクロー」ではベリアルの顔を象った剣「ベリアロク」となって登場。ベリアル本人と人格は違うのだろうが、あの声で「デスシウム歯磨き!」などと喋るという、半ばギャグ的な要素を持つまでに至っている。

 事情により『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)製作の重要人物であるプロデューサー岡部淳也のインタビューがないのは残念だが、ゼロとベリアルをより深く理解するには欠かせない一冊となった。


cf.)『ウルトラマンゼロ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6085844.html


cf.)『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6117436.html

[参考]
『ゼロVSベリアル 10周年記念読本』(出版:実業之日本社)

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