10月10日(土)放送の『ウルトラマンゼット』第16話「獅子の声」はホロボロス登場回。脚本は小林雄次。監督は越知靖。

 前作『ウルトラマンタイガ』中盤の振り返り回「イージス超会議」で監督デビューした越監督。今作で初めて本格的に特撮場面含む監督業に着手したこととなる。

cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6253725.html

・怪獣メダル製造機を夢中で回すカブラギ。ガチャを回すオタクを彷彿とさせる。

・太平風土記に記された獅子ヶ丘伝説。ニュージェネ作品でよく出てくるこの書物、毎回手が込んでいて、美術担当の細かい芸に感嘆する。

・ユカが昔子どもの頃に見たホロボロ様。神様のような扱いをされていたようだ。八百万の神の価値観を持つ日本ならではの筋書き。漢字でホロボロスを表したときに、滅ぼすの「滅」はなんとなく分かる。それだけ強いということだろう。が、「幌」は埃などを防ぐため車にかける布の意で、覆い包む感じがあることから、なんとなく母性を想起させる。ユカにとって、怪獣学探求の原点となったそれはある種の母であり、神でもあったということか。

・ホロボロスの尿や貝の化石を見つけて喜びはしゃぐユカ。天真爛漫さが強調されている。

・ホロボロス登場。手前には「越ーkoshiー」の看板が。越監督のために今回初登場させたミニチュアだろうか。

・潮騒のさざめきがホロボロスを眠りにつかせる鍵か。近辺が昔は海だったということもあり、もしかしたら昔は海産物を捕食していた可能性も考えられる。とすると、ペンギンのように泳げるのか、あるいは可愛く犬かきをするホロボロスも想像できる。

・ベータスマッシュとなって闘うゼット。その激闘を背に、「うるさいなぁ」と言い放つユカ。ゼットの声が高速化する思考の邪魔だったのだろう。

・「この借りパク野郎がっ!」ギャラクトロンMK2とギルバリスのメダルを投入し、ホロボロスをメツボロスへと変化させたカブラギ。ベリアルメダルを取り返したいらしい。

・荷電粒子砲でキングジョーSCを撃破してしまうメツボロス。

・苦しむホロボロスを見かねて「ホロボロスを楽にしてあげて」とゼットに願う。前半の天真爛漫さから一変、切ない表情のユカが良い。

 なかなかレギュラー陣の深掘り回がなかったので、待ちわびたユカ回。とくに捻ることなく、真正面からユカを捉えた脚本だった。欲を言えば、ホロボロスの幼体、言うなれば、ベビーホロボロスを登場させ、子ども時代のユカと絡ませる場面が見たかった。神性は薄れるが、その方が感情移入しやすかったと思う。ただ、そんな展開がありがちだから敢えてそうしなかったとも考えられる。いずれにせよ、まずは越監督の大健闘を祝したい。

cf.)第17話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7683862.html

cf.)第15話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7280817.html


[参考]
TV『ウルトラマンゼット』©2020円谷プロ・ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京
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