11月14日(土)放送の『ウルトラマンゼット』第20話「想い、その先に」はM1号登場回。脚本は小林雄次。監督は武居正能。

・盆栽を嗜むヘビクラ=ジャグラー。誤って枝を切ってしまう。盆栽キャラでいくらしい。仮に『ウルトラマンオーブ』(2016)でのジャグラーが人間年齢に換算して30代だとするなら、今作『ウルトラマンゼット』では40代ぐらい、といったイメージ。盆栽などの自然に目を向けた趣味を持つのも納得がいく。

cf.)『ウルトラマンオーブ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6231535.html

・バコさんの娘・イナバルリ博士に花をあげるM1号。母とでも思っているのだろうか、慕情が感じられる。イナバルリを演じているのは蜂谷晏海。CM出演が多い三重県出身のモデル・女優。

・バコさんの様子から察するに、離婚して以来娘とは離れて暮らしていたのではないか。ルリはバコさんの職場であるストレイジの見学を希望する。

・ユカは尊敬するルリ博士に会えて大はしゃぎ。みんなで写真を撮って盛り上がる面々にバコさんが一喝。

・研究室で眠っていたM1号のもとに忍び寄る影。人間のように普通に布団を掛けて眠っていたのが意外でもあり滑稽でもあった。襲ってきた輩ともみ合う内に配電盤に接触。電流刺激の影響で巨大化してしまう。原典『ウルトラQ』(1966)第10話「地底超特急西へ」では液状の物質だったのが、カメラのフラッシュの光刺激で等身大のM1号となったわけだが、今回は電気刺激で巨大化という展開。刺激に敏感な生命体なのかもしれない。

cf.)『ウルトラQ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6654971.html

・キングジョーSCとウィンダムが出動。捕獲のために様々な作戦が展開される。バナナだよ!捕獲作戦、ラグビーダブルタックル!作戦、負けるな!綱引き捕獲作戦、そして、叩いて!踊って!ドン作戦。ソイヤ、ソイヤ、ソイヤ、ソイヤ!と皆で踊る。ウィンダムが踊る姿は『ウルトラマンメビウス』(2006)第20話「総監の伝言」のハーメルンプロジェクトを想起させる。

・M1号に4の字固めを決めるベータスマッシュ。

・ルリ博士が開発した薬をバコさんがバズーカで発射。無事に等身大サイズに戻るM1号。

 父と娘の話という点で『ウルトラマンエックス』(2015)第15話「戦士の背中」が思い出されるが、「戦士の背中」が確執を背景としていたのに対し、今回はこれといった確執はなく、人間ドラマの方はマイルドな仕上がり。ただ、父親が不器用であるという点は共通していた。どちらかというと特撮の捕獲作戦の方に力が入った娯楽作という色が強い。

cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6227759.html

 しかしそんな中でも、命を守るためにロボット整備に命を懸けている、というバコさんの信条が垣間見えたり、ハルキをはじめとするストレイジの面々が「仕方ない」と割り切らずに、M1号救出のために試行錯誤したという点は注目すべき。強大な武力を持ちながらも、命を慈しむことが基本スタンスであるチームだということを再認識させられる回となった。

 因みに、M1号はもともと中のアクターの眼が生かされるよう、目の部分はくりぬかれていたが、『ウルトラマンエックス』(2015)第19話「共に生きる」に登場させるときに、アベ監督が黒目を嵌め込んだ。今回もその黒目がそのまま使われている。

cf.)第21話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8018439.html

cf.)第19話はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7711430.html

[参考]
TV『ウルトラマンゼット』©2020円谷プロ・ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京
https://ja.wikipedia.org/wiki/蜂谷晏海
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