たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    カテゴリ:ウルトラマン > ウルトラマンレオ

     引き続き「特撮のDNA」レポ。

    今回は『ウルトラマンレオ』(1974)のブースより。

    cf.)『ウルトラマンレオ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/5936832.html

    ・MACの隊員服とヘルメットは撮影用オリジナル。汚れ加減に時を感じる。

    レオの胸像。わずかに残されたスーツを保存するため、マネキンを芯にスーツを補強して胸像化されたそうだ。胸のプロテクター(?)部分の劣化が激しく、過酷な現場を生き抜いてきたことが窺われる。「生きることの鮮烈さ」を問うのがこの『レオ』である。皺やヒビのひとつひとつが語りかけてくるようだ。

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    ・キング、アストラ、レオのマスク。最近はキングの傍らにこの2人が佇んでいることが多いが、近衛兵、あるいは右大臣・左大臣のようにも見える。キングのマスクも初期タイプが一番良い。近年は目が若干鋭くなり柔和さが削がれてしまっている。

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    ・レオリング。撮影用オリジナルに忠実に再現されたレプリカ。深紅の石は内奥がどこまでも深く、覗き込んでいると時を忘れてしまいそうになる。昭和のシリーズにおける変身アイテムはギミックがないものが多いが、却ってその方が良い。ある種の芸術作品として鑑賞するに値する逸品となり得る。

    IMG_8060


    cf.)その11はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8039890.html

    cf.)その9はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8019039.html


    [参考]
    「特撮のDNA~ウルトラマンGENEOLOGY~」©円谷プロ・特撮のDNA製作委員会

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     『ウルトラマンレオ』(1974)第15話「くらやみ殺法!闘魂の一撃」はフリップ星人登場回。レオが視覚を封じて闘った回でもある。脚本は田口成光。監督は外山徹。特撮監督は大木淳。


    ・分身宇宙人フリップ星人。バルタン星人のように分身の術を駆使する。声もバルタン星人の早回しアレンジ。一説にはバルタン星人の遠い親戚にあたるのではないかとも言われている。デザイン(巨大化時)は大澤哲三。

    ・自分の道着を洗ってくれていると勘違いして声を掛けたゲンだが、百子が洗っていたのは津山という男の道着だった。

    ・喫茶店でトオル・カオルと一緒にデザートを食べているゲン。トオルが開いている学年誌には「レオはあらしの日に生まれた!」と書かれており、レオの出身がL77星であることがゲンの口から語られる。ポロッと情報を開示してしまうゲン。トオルから「なんでそんなこと知っているの?」と突っ込まれてもおかしくなかった。因みに、この喫茶店で流れているのは森山良子の「この広い野原いっぱい」。

    ・津山青年が待ち合わせしていたのは百子だった。髪型も服装も気を遣った印象の百子。これはもしや?と思わせるシーン。

    ・等身大で襲い来るフリップ星人。フリップ星人はマグマ星人の指示で通り魔を繰り返していたという裏設定もある。

    ・津山青年は盲目ながらも、分身したフリップ星人の攻撃を見切って退けてみせる。

    ・黒潮流・空手野外道場。実は津山は沈没してしまった黒潮島の生き残りだった。ダンの命令で津山に心眼を習うよう言われて来たゲンだが、百子に近づいた男へのジェラシーやプライドが邪魔して素直に習わずにやり過ごしてしまう。

    ・再びフリップ星人等身大が登場。ロケ場所は多摩川五本松。

    ・隊員は分身に翻弄され、川に投げられたり、1人は殺されてしまう。

    ・ダンの杖に仕込まれた銃が火を噴く。ポンポン砲はアナログではあるが、やはり味があって良い。
    「身勝手な理由で教えを聞かないことこそ恥ずべきことじゃないのか?」とゲンに説教するダン。脚本の田口成光によると、この台詞は「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」という諺からの発想。大切にしている言葉のひとつだそうだ。

    ・飛んできた紙飛行機をキャッチする津山。演じているのは潮哲也(うしおてつや)。ピー・プロダクションの『快傑ライオン丸』(1972)で主人公・獅子丸を演じたことで有名。

    ・スポ根展開イベント発生。今回は目を閉じたまま飛んできたボールをキャッチするという至難の技。ゲンに当たっているのはおそらく本物のソフトボール。痛そうだ。

    ・猛に練習につきあってもらい、ついにボールをジャンプキャッチするゲン。

    ・フリップ星人が再び現れた。声だけ聴くと本当にバルタンの親戚のようだ。顔だけ見るとネズミかゾウがモチーフなのではないかと思える。

    ・戦闘機からの主観カット。こういったひと工夫がいい。

    ・まさかの泡攻撃!

    ・泡だらけの顔になるレオ。強制的に視覚を封じられる。誇り高き獅子のような顔が台無しだ。だが、心眼を思い出す。

    ・エネルギー光球。光線技の少ないレオだが、たまに放つ光線技が意外と強かったりする。フリップ星人は爆散。

    ・殺された隊員に花を手向け、多摩川五本松で地球を守る誓いを新たにするダンとゲン。夕陽が赤みが非常に良い。

     『ウルトラマンゼット』(2020)第2話でレオの力も含まれているアルファエッジが心眼を使ってネロンガに一撃入れたのは、この回があってこそ。そう、ウルトラの歴史は絶え間ない歴代戦士たちの積み重ねなのだ。

    cf.)『ウルトラマンゼット』第2話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6433016.html

    cf.)『ウルトラマンレオ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5936832.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマンレオ』©1974円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンレオの登場怪獣
    https://ja.wikipedia.org/wiki/潮哲也
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     1974(昭和49)年放送の『ウルトラマンレオ』。当時は第4次中東戦争勃発に伴う石油危機によって、原油価格が高騰しており、フィルムやミニチュア、着ぐるみなど、製作に必要な資材の大半が石油加工品であった特撮現場は厳しい製作状況に追い込まれた。そのため、本編・特撮ともに合成に頼らないアクションシーンを重視することが大前提とされた。

     また、『ノストラダムスの大予言』(五島勉.著 祥伝社)や、『日本沈没』(小松左京.著 光文社)といった終末観を描いた作品が話題になっていたことや、ブルース・リー主演の映画『燃えよドラゴン』のヒットによるカンフーブームが起こっていたため、それらの要素が作品に投影され、「親しみやすくなりすぎたスーパーヒーローに頼りがちな現代っ子の甘えグセを払拭すべく、自分の道を自分で切り開く孤独なヒーローの創造」が図られ、「鍛錬や修練によってウルトラマンになっていく」主人公が設定された。

     世相の反映の例として、第1話では島が沈んだり、東京で大洪水が起こる。また、今作から殺陣師(擬斗)が導入され、渡辺安章が担当している。

     最初の企画書「ウルトラマンL(レオ)」では、主人公はおおとりレオ。故郷のM77星を怪獣・宇宙人に蹂躙され、地球を第二の故郷としていた。宇宙パトロール隊の川上鉄太郎隊長の娘・カオリが所属するウルトラスポーツクラブの指導員を務めている。という設定。

     続く企画書「ウルトラマンレオ」で製作がスタートするのだが、脚本執筆の段階で役名や防衛隊、故郷が全滅したという設定となる。さらに、川上隊長としての出演オファーを受けた森次晃嗣が、「ダン役でなら出演する」と言ったため、モロボシ・ダンが隊長として出演することになった。しかし、第1話でセブンが変身不可能になる設定は、森次晃嗣の意図とは違っていた。 

    cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

     放送開始後、「ゲンを鍛えるダンの姿が過激である」との投書が多く寄せられ、2クール以降の番組強化案では改善が図られ、日本民話シリーズ、北海道ロケ、弟アストラや伝説の超人キングの登場など、落ち込む視聴率のテコ入れの為に路線変更や試行錯誤がなされた。

     また、製作費のさらなる緊縮を余儀なくされ、シリーズ終盤では防衛隊MAC基地のセット維持費や人件費削減も兼ねてか、MAC全滅という展開となり、モロボシ・ダンも行方不明。レオの「孤独なヒーロー像」がさらに強調される結果となった。

     
     レオのデザインは『エース』から美術を担当していた鈴木儀雄によるもの。L77星出身であるため、他のウルトラマンとは一線を画するデザインにしなければならず、苦心したという。

    cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html

     頭部の形状にポイントを置き、大空に飛翔する雄々しいイメージを投影すべく、「頭上の翼に可能性の広がり、切れ上がった眉に挑む勇気、瞳に深い優しさと一抹の孤独感を込めた」デザインを多数作成。NGデザインのひとつは、『ウルトラマンタロウ』のバルキー星人に転用された。

     プロデューサーの熊谷健とともに、複雑な頭部の粘土造形を完成させた。

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     検討用デザインには、腹部のシークレットサインがなく、体にシルバーのラインが走っている。また、片手にしかブレスレットをつけていない。


    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8027623.html


     2020年の新作『ウルトラマンゼット』ではレオの弟子・ゼロのさらなる弟子が活躍するということで、当時の設定である宇宙拳法が受け継がれている。これはレオの不動の人気の証でもある。

    cf.)前作『ウルトラマンタロウ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5925381.html

    cf.)続くアニメ作『ザ☆ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5938519.html

    cf.)実写特撮復活作『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンレオ』©1974円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/オイル・ショック

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      2020年6月20日放送開始予定の『ウルトラマンゼット』に登場することが判明した怪獣ボール・セブンガー。Twitter上でも話題を呼んでいる。
      その初登場回(といってもこの一回だけなのだが)『ウルトラマンレオ』第34話「ウルトラ兄弟永遠の誓い」を観返してみた。

    ・登場怪獣は二面凶悪怪獣アシュラン。前後両方に顔があり、前向きでも後ろ向きでも闘えるという強者。基本的には赤い方が前で、青い方が後ろのようだ。

    ・怪獣ボールを手に地球に向かうジャックをアシュランが襲い、猿轡を口に着けてしまう。

    ・紛失した怪獣ボールを探すジャック=郷秀樹。砂浜で子どもたちが怪獣ボールで遊んでいるのを発見し、取り返すが喋れず、変人扱いの上、投石される。ひ、酷い。。。

    ・なんとかセブンに怪獣ボールを渡し、セブンガー召喚!アシュランの攻撃を物ともせず、翻弄するセブンガー。ゴロゴロ攻撃だ!(得意技か?)

    ・アシュランを追い詰めるセブンガー。目が半開きで眠そうな表情が非常に可愛い。田口監督が好きそうな表情だ。

    ・しかし1分間しか活動出来ず、ショートして怪獣ボールに戻ってしまう。ナレーションによれば、あと10秒あればアシュランを倒せた、らしい。

    ・セブンの説明により、一度使うと50時間は使えないことが判明。なんて使えないアイテムなんだ。。。

    ・一度退散したものの、夜にまた現れたアシュラン。キックをかますレオ。手を振り上げながらキックするのが二家本辰巳の特徴だ。動作を大きく見せメリハリを付けるのが狙いだろうか。

    ・ジャック参戦!アシュランの上を2人で台上前転。

    ・月食を利用したクロスアタックで仕留めた。

    ・怪獣ボールと壊れたウルトラアイを交換。ジャックが光の国に持ち帰り、直す予定らしい。

    ・セブンガーは強かったが、短命な上に、活躍がこの一度きりだったため、忘れ去られがちだった。

     『ウルトラマンゼット』では人間が搭乗する完全なロボットのようなので、1分以上の活躍が期待できそうだ。(でも『メビウス』ではメテオールに1分の制限があった。もしやこのセブンガーも・・・?)

    因みにこのセブンガー、『大怪獣バトル』のEX第6弾に技カードとしても登場しており、そのスキル名は「一分間の猛攻」という。


    cf.)『ウルトラマンレオ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5936832.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマンレオ』第34話「ウルトラ兄弟永遠の誓い」©1974円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンレオの登場怪獣


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