たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    カテゴリ:ウルトラマン > ウルトラマンダイナ

     引き続き「特撮のDNA」レポ。

    今回は『ウルトラマンダイナ』(1997)のブースより。

    cf.)『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/5972025.html

    ・ダイナ フラッシュタイプの飛行シーン人形。初代ウルトラマンのマスクを基調としながら、頭部の先端を後ろに流すのではなく、前方に持ってくるという、よく考えてみると大胆なデザイン。エースのトサカとも似て非なる絶妙な形状。リーゼントのようにも見える。

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    ・ガッツイーグルα号(赤)、β号(青)、γ号(黄)。
    そしてリーフラッシャー。すべて撮影用オリジナル。

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    ・3機が合体したガッツイーグル。これも撮影用オリジナル。

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     ダイナは映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)での客演以来、TDGの中で最も客演が多い。近年では『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』(2016)に登場し、貫禄のある大先輩格のポジションとなっている。つるの剛士の庶民派的イメージやキャスティングのしやすさも然ることながら、それだけ人気が高いということの証左でもある。今後も活躍が期待される。

    cf.)その16はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8094679.html

    cf.)その14はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8084297.html

    [参考]
    「特撮のDNA~ウルトラマンGENEOLOGY~」©円谷プロ・特撮のDNA製作委員会
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     『ウルトラマンダイナ』(1997)第3話「目覚めよアスカ」はサイクロメトラとグロッシーナ登場回。脚本は吉田伸。監督は石井てるよし。特技監督は佐川和夫。

    ・宇宙から降ってきた隕石。黄緑の発行が美しい。

    ・敵陣潜入を想定した訓練をするアスカ。ペアのリョウを無視してひとりで突っ走り楽しむ。人質を想定してか打ってはいけない的もあり、面白そう。

    ・ポイントでアスカに他の隊員が誰も勝てないことに腹を立てるリョウ。


    ・自惚れるアスカを泳がせる隊長。アスカが事故を起こさないか心配するコウダに対し、「先輩になるってことは、そんな厄介事を引き受けるってことじゃないのかね」とおおらかな心を見せるヒビキ隊長。

    ・隕石のデータを取って待機する命令を無視してひとりで突っ走り、隕石から生まれた怪獣に勝手に一撃を加えるアスカ。怪獣はサイクロメトラ。脚本の吉田伸が以前読んだギョウチュウの本から発想したという。

    ・基地に戻ると、3匹の怪獣のうち1匹がまだ生きていたことを知らされるアスカ。「感情に流されるなら、それは正義とは言わん。俺はな、スーパーガッツの隊服を着ている限り、そこには本物の正義が宿っていると信じている。その自覚がないなら、ここから去れ!」と厳しい言葉を浴びせる隊長。締めるところは締める。


    ・ひとり壁に向かってキャッチボールをするアスカ「わかってないのはみんなの方だ。なぁオヤジ?」アスカが想像している映像として、一瞬、父であるカズマの姿が映るが、無表情。

    ・汚名返上するべく、出撃を志願するアスカ。隊長が同行することに。中部山岳地帯にグロッシーナ出現。10年前に駿河湾に出現したときは、GUTSの攻撃を受けて地底で仮死状態になっていた。今回生き残ったサイクロメトラがグロッシーナに寄生して蘇らせたことが判明。一時撤退の命令を無視してアルファ号で分離するアスカ。

    ・ダイナの力で一気に解決してしまおうと変身を試みるアスカだが、変身できない。


    ・アスカを狙う光弾をガッツイーグルで防ぐ隊長。イーグル墜落。隊長は怪我を負ってしまう。

    グロッシーナのスーツアクターは三宅敏夫。デザインは山口修。腹の黄色い器官がとうもろこしのようだ。昆虫系の意匠に満ちたデザイン。どことなく『帰ってきたウルトラマン』(1971)に出て来たキングマイマイに似ている。


    ・「だって、俺は・・・俺は」と言い訳をしようとするアスカに叱咤するコウダ。「俺、俺ってどうして隊長にすまないって最初に言えない?どうして心配を掛けたメンバーにすまないって最初に言えないんだ?」この台詞、言い訳をしがちな新人に言ったことがあるような覚えが。問題児の後輩を持つ先輩の気持ちにドンピシャリの一言。


    ・隊長の病室に花を置くアスカ。コウダの一言が効いたか。

    ・誘導波でグロッシーナをおびき出し、レーザーワイヤーで捕縛。アスカは今度は命令通りにアルファ号で囮を演じる。ガンマ号でトドメを刺す作戦だったが、失敗。

    ・怪我を押してベータ号で駆け付けた隊長。だが、隊長機が被弾。それをアルファ号で支えようとするアスカ。「上がってくれ~!」木を薙ぎ倒していくアルファ号の主観カットが良い。


    ・ギリギリのところで光が満ち、ダイナに変身!今回のスーツアクターは中村浩二。

    ・ソルジェント光線でグロッシーナを貫通!

    ・グロッシーナの体内から飛び出してきたサイクロメトラにフラッシュ光弾を浴びせるダイナ。

    ・サイクロメトラの消滅にも成功した。体内に反物質を溜める袋を持つサイクロメトラ。処理の仕方を一歩間違えれば大爆発を引き起こすところだった。因みに、他に反物質を持つ怪獣として『ウルトラマンガイア』(1998)に出て来たアンチマターがいる。


    ・屋上でアスカとキャッチボールをする隊長。問題児を毛嫌いせず、厳しさを持ち合わせながらも、愛情を持って育てようとする良い上司だ。アスカの土俵であるキャッチボールを一緒にしてやる度量とコミュニケーション力も併せ持っていることが分かる一面。


     ダイナの光がアスカの父・カズマのものであるとするならば、キャッチボールのシーンでカズマが無表情だったのにも納得がいく。「まず人間として、仲間と一緒に力を合わせて全力を尽くせ。ウルトラの力に甘えるな」と言っているようだ。

     隊長の器の大きさとコウダの熱い叱咤が印象的な回となった。

    cf.)『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html

    cf.)変身不能回の原点『帰ってきたウルトラマン』第2話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6441050.html

    cf.)『ウルトラマンコスモス』の変身不能回はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6751477.html

    cf.)『ウルトラマンマックス』の変身不能回はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6669311.html

    cf.)『ウルトラマンゼット』の変身不能回はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6433016.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマンダイナ』©1997円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンダイナの登場怪獣
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     『ウルトラマンダイナ』(1997)第20話「少年宇宙人」は小学生3人組の別れを描いた感動回。脚本は太田愛。監督は原田昌樹。


    ・3人組の秘密基地。かなりの面積を占めている。エンディングでペットボトルロケットを発射しているシーンがチラッと出てくる。

    ・辰雄の父役を演じるのは、渡会良。『ウルトラマンティガ』(1996)第32話「ゼルダポイントの攻防」でTPC隊員役を演じている。ゴルフクラブを磨いており、周りのセットを見ても、中流~上流階級の家庭のようだ。

    ・スーパーGUTSを欺くために囲碁クラブを装うが、やっているのは五目並べ。

    ・3人の変装作戦も微笑ましい。

    ・悟を演じるのは崎本大海(ひろみ)。『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』(1997)で星見勇気役を演じている。他にも、『仮面ライダー鎧武』(2013)での角居裕也役、最近では『仮面ライダーゼロワン』(2019)での松田エンジ役が記憶に新しい。

    ・悟の母を演じるのは、石井めぐみ。『重甲ビーファイター』(1995)第38話で草薙サユリ役を演じている。2015年に国立市議会議員に初当選。2019年に再選している。イメージとして、悟を心配する愛に溢れる母役にぴったりでナイスキャスティングだ。

    ・遺影で出てくる悟の父役は撮影の倉持武弘。カメラマンとして平成ウルトラシリーズを支えてきた第一人者だ。

    ・黄色い服のたっちゃん(辰雄)役を演じるのは豊永利行。現在は声優、俳優、シンガーソングライターとして活動中。アニメ『デュラララ!!』シリーズの竜ヶ峰帝人役などで有名。

    ・みのっち(実)役を演じるのは山田孝穂。

    ・ダイナはラセスタ星人となった悟が高圧送電線に接触するのを体を張って防ぐ。

    ・未来への不安を語る悟に対し、励ますのではなく、君の未来は君自身が作っていくんだ、と少年の未来への旅立ちを促すダイナ。バックの星空が美しく印象的だ。膝をつく悟だが、その背中には羽が。少年がひとつ大人になることを象徴的に表した名シーン。

    ・翔び立つ際の足首の動きがなんとも可愛らしい。ラセスタとはスペイン語で第6の意。ケリガン星系の第六惑星ということから、この名を付けたと思われる。また、トナカイ座はかつて18世紀にきりん座の近くにあった星座。近代になり星座の数がまとめられるとほとんど使われなくなった。因みに、イリスとはギリシア神話に出てくる虹の女神の名前。

    ・悟の旅立ちを機に、自分たちの夢を宇宙飛行士とロケット開発者と決める2人。友情が織り成すこの展開も最高だ。

     ダイナが闘わない異色回となったが、ウルトラマンが闘わない回は傑作となる場合が多い。太田愛のジュブナイル色溢れる感動作を、監督の原田昌樹が叙情的な映像と音楽で見事に演出し、落涙必至の話となった。

    cf.)『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマンダイナ』©1997円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/渡会良
    https://ja.wikipedia.org/wiki/崎本大海
    https://ja.wikipedia.org/wiki/石井めぐみ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/豊永利行
    https://dic.pixiv.net/a/ラセスタ星人
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     1997(平成9)年に放送された『ウルトラマンダイナ』は「平成3部作」の第2部。企画当初は、防衛チーム隊員以外の人物がウルトラマンに変身し、旅の中で遭遇した事件を解決していくというストーリだったが、前作『ティガ』の好評を受け、スポンサーであるバンダイや講談社を交えた会議では、「次回作がティガの延長でもいい」という意見が出た。

     そこで、『ダイナ』の世界は『ティガ』の7年後、2017年に決定。隊員が変身すること、宇宙へ開拓していく「ネオ・フロンティア」時代の人類、シリーズを通して登場する敵スフィアなどが設定された。 


     続編ということで、丸山浩デザインのダイナスーツにもティガの系譜が表れている。ティガでは技術的問題により実現できなかった青い体色の表現が、合成技術の進歩により可能になり、「体色に青を持つウルトラマン」が初めて登場した。また、ティガのタイプチェンジが好評だったので、ダイナもフラッシュ・ミラクル・ストロングの3タイプにチェンジできることになった。

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    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8084850.html


     作風は、前作『ティガ』がどちらかといえば『ウルトラセブン』的なハードなSF寄りで落ち着いた雰囲気だったのに対し、本作『ダイナ』は『ウルトラマン』に見られる明るく牧歌的な雰囲気が目指された。隊員たちにも元気な演技が多い。


     その一方で、最終回ではダイナがブラックホールに飲み込まれ、生死不明の状態で終わる、というハッピーエンドとは言い難い結末を迎える。しかし、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)で客演することにより復活を果たし、その後の作品にも度々客演している。これは、今なお衰えぬダイナ人気の証拠でもあるだろう。

    cf.)前作『ウルトラマンティガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5966349.html

    cf.)次作『ウルトラマンガイア』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5911369.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマンダイナ』©円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンダイナ
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