1996(平成8)年3月9日に公開された映画『ウルトラマンゼアス』(松竹系)は、広告代理店の電通が、出光興産との提携を円谷プロに提案して生まれた「企業タイアップのウルトラマン」。
「ゼアス」の由来は天空を意味する「zenith」と地球を意味する「earth」の造語。この名を冠したガソリンブランド「ゼアス」から取られた。1995年に出光のCMキャラクターとしてお茶の間に初登場。以前から出光のCMに出演していた「とんねるず」との共演で人気を博し、続編CMも作られた。同時に、映画の製作もスタート。別企画として進められていた『ウルトラマンネオス』がウルトラマンタイプでエリートの設定だったため、差別化のため、ゼアスはセブンタイプで三枚目の設定となった。因みにゼアスはZ95星雲・ピカリの国出身。電動歯ブラシ・ピカリブラッシャーで変身する。
cf.)『ウルトラマンネオス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5957792.html
デザインは杉浦千里が担当。従来のウルトラマンの銀と赤の配置を入れ替えて赤を基調としている。横から見た形状は頭文字である「Z」を象っており、スーツの素材はスキージャンプ競技用の素材を使っている。
監督は中島信也。日清食品のカップヌードルのCMで注目を集めていたCMディレクター。サントリー「アイスジン」のCMにケムール人を登用したことが縁で抜擢された。脚本は、『ウルトラマンエース』以来、24年振りとなる長坂秀佳。ストーリーはコメディタッチで描かれ、ゼアス=朝日勝人が極度の潔癖症だったり、とんねるずをはじめ出演者たちの演技も喜劇志向寄り。怪獣や宇宙人造型もどこか憎めない仕様となっている。因みに、前年に阪神・淡路大震災があったばかりのため、観客の心情に配慮して、戦闘は街を避けて山や平地で行われている。
cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html
公開直後の4月末、早くも第2作『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』の企画がスタート。円谷プロの鈴木清プロデューサーが電通の飯田尚一プロデューサーに話を持ち掛けた。飯田尚一は、コメディタッチの前作と趣向を変えるべく、当時の格闘技ブームを反映したスポ根志向を提案。空手道場・正道会館の館長を務めていた石井和義に協力を仰ぎ、殺陣や特訓シーンにアドバイスを受けた。正道会館所属の角田信朗やアンディ・フグ(2000年に逝去)が実名で出演し、アンディ・フグのかかと落としも収録されている。
企画当初は女性ウルトラマン登場の案もあったが、最終的に見送られ、ロボットであるウルトラマンシャドーが登場した。続編となる『ウルトラマンゼアス3』の話も出たが、映画『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』の製作が優先されたため、実現しなかった。
シリーズ中、数少ない喜劇志向。当初は「赤い頭のトウガラシ」などと悪態をつかれ醜いアヒルの子扱いだったが、スタッフが心を込めて立派な成長過程を描いてくれたため、ウルトラの幅を広げることに成功した。微笑ましく観ることができる異色作である。
cf.)同年放送のテレビシリーズ『ウルトラマンティガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5966349.html
[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『ウルトラマンゼアス1&2』©1996.1997円谷プロ/ソニー・ミュージックエンタテイメント/ソニー・ピクチャーズエンタテイメント/電通
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンゼアス
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「ゼアス」の由来は天空を意味する「zenith」と地球を意味する「earth」の造語。この名を冠したガソリンブランド「ゼアス」から取られた。1995年に出光のCMキャラクターとしてお茶の間に初登場。以前から出光のCMに出演していた「とんねるず」との共演で人気を博し、続編CMも作られた。同時に、映画の製作もスタート。別企画として進められていた『ウルトラマンネオス』がウルトラマンタイプでエリートの設定だったため、差別化のため、ゼアスはセブンタイプで三枚目の設定となった。因みにゼアスはZ95星雲・ピカリの国出身。電動歯ブラシ・ピカリブラッシャーで変身する。
cf.)『ウルトラマンネオス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5957792.html
デザインは杉浦千里が担当。従来のウルトラマンの銀と赤の配置を入れ替えて赤を基調としている。横から見た形状は頭文字である「Z」を象っており、スーツの素材はスキージャンプ競技用の素材を使っている。
監督は中島信也。日清食品のカップヌードルのCMで注目を集めていたCMディレクター。サントリー「アイスジン」のCMにケムール人を登用したことが縁で抜擢された。脚本は、『ウルトラマンエース』以来、24年振りとなる長坂秀佳。ストーリーはコメディタッチで描かれ、ゼアス=朝日勝人が極度の潔癖症だったり、とんねるずをはじめ出演者たちの演技も喜劇志向寄り。怪獣や宇宙人造型もどこか憎めない仕様となっている。因みに、前年に阪神・淡路大震災があったばかりのため、観客の心情に配慮して、戦闘は街を避けて山や平地で行われている。
cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html
公開直後の4月末、早くも第2作『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』の企画がスタート。円谷プロの鈴木清プロデューサーが電通の飯田尚一プロデューサーに話を持ち掛けた。飯田尚一は、コメディタッチの前作と趣向を変えるべく、当時の格闘技ブームを反映したスポ根志向を提案。空手道場・正道会館の館長を務めていた石井和義に協力を仰ぎ、殺陣や特訓シーンにアドバイスを受けた。正道会館所属の角田信朗やアンディ・フグ(2000年に逝去)が実名で出演し、アンディ・フグのかかと落としも収録されている。
企画当初は女性ウルトラマン登場の案もあったが、最終的に見送られ、ロボットであるウルトラマンシャドーが登場した。続編となる『ウルトラマンゼアス3』の話も出たが、映画『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』の製作が優先されたため、実現しなかった。
シリーズ中、数少ない喜劇志向。当初は「赤い頭のトウガラシ」などと悪態をつかれ醜いアヒルの子扱いだったが、スタッフが心を込めて立派な成長過程を描いてくれたため、ウルトラの幅を広げることに成功した。微笑ましく観ることができる異色作である。
cf.)同年放送のテレビシリーズ『ウルトラマンティガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5966349.html
[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『ウルトラマンゼアス1&2』©1996.1997円谷プロ/ソニー・ミュージックエンタテイメント/ソニー・ピクチャーズエンタテイメント/電通
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンゼアス
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