たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    カテゴリ:ウルトラマン > ウルトラマンタイガ

     『ウルトラマンタイガ』(2019)に登場するウルトラマントレギア。トレギアが闇堕ちしていった経緯が『ウルトラマンタイガ超全集』(出版:小学館)に収録されている小説「トレギア物語/青い影」に記されている。

     タロウの幼馴染だったトレギア。光のように明るいタロウとは対照的に、暗く内省的である。トレギアとは「狂おしい好奇心」という意味で、その意味の通り、闇に興味を抱いてしまったトレギアは段々と闇に魅入られていき、最終的に邪神を自分のカラータイマーの奥底に封じ込めてしまう。邪神のパワーが噴出しないよう、頑丈な拘束ベルトでカラータイマーを封印し、ウルトラマンであることを捨ててしまう。

     当初は何か決定的な出来事(たとえば、タロウによる裏切り、トレギアの誤解、2人の確執)があって、闇に堕ちていったのかと思っていたが、そうではなく、性格的に好奇心が強すぎて闇を探求していった結果、取り込まれてしまったようだ。深淵を覗く者が深淵から覗かれてしまったのだ。

     しかし、かといって闇至上主義というわけでもなく、「光が正義だなんて誰が決めた?」という台詞に象徴されるように、光を相対化したいだけであって、全ては何の意味もないことなのだという虚無主義の立場に立って物事を見ているように思われる。

     光と闇を探求し、全てを知り過ぎてしまったトレギア。世界に絶望し、生に意味を見出せない彼は、光に闇をぶつけて相殺することで残りの余生を面白可笑しく過ごしたいだけなのかもしれない。トレギアから醸し出されるピエロのような雰囲気は、そういったニヒリズムの表れなのだ。

     その意味でトレギアは、夢も希望もなく現代を彷徨える者たちの象徴なのかもしれない。

    cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6253725.html

    [参考]
    『ウルトラマンタイガ超全集』(編:てれびくんデラックス 出版:小学館)
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     2020年8月7日(金)についに公開となる『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』。前日の6日(木)に、監督とキャストが出演する「前夜祭オンライン生放送」が配信された。

    ・ガイ役の石黒英雄。「光の力、お借りします!」と冒頭からハイテンションだ。

    ・監督の市野龍一。なぜか『ジード』(2017)のリクの上着を着ている。


    ・仕事で遅れて登場した大地役の高橋健介。「石黒さんうるさいから」と小さいラムネ菓子を石黒英雄に渡す。なるほど、ガイを扱えるのは大地だけか。


    ・ヒカル役の根岸拓哉。笑顔がいい。ニュージェネリーダーとしての風格は今回は控えめだが、コメントはしっかりしている。決まり文句の「行こうぜ~」は用途が広そうだ。


    ・ショウ役の宇治清高。丸眼鏡が似合う。リアルタイタス。


    ・映画ではなく、映画を観る出演者たちのリアクションやトークを放送するという冒険的な企画。
    前半はみんな黙って観入ってしまう時間もあった。石黒英雄が声を張って司会的役割をこなし、時折リモート参加のリク役・濱田龍臣に振る場面も見られた。

     しかし途中、大地役の高橋健介が到着してからは、石黒英雄との掛け合いもあり、映画が盛り上がりを見せたこともあって、色々と会話が展開していった。それでもやはり石黒英雄の座長感は半端なく、あまり話してない人に話を振ったり、場を盛り上げようとする気配りが見られた。

     今回主役の井上祐貴は基本的におとなしい感じで、若いので、遠慮してあまり出しゃばらないようにしていたのかもしれない。


    ・カツミ役の平田雄也。繊細なのか、声をあまり張らない喋り方で、マウスガードがそれに拍車をかけていた。


    ・イサミ役の小池亮介。「座敷わらし」と呼ばれ、ニュージェネの中では天然愛されキャラのような扱いだった。


    ・ヒロユキ役の井上祐貴。メイキング映像を観て、石黒英雄とカメラマンの新井毅の握手を見て憧れたという。

    ・リク役の濱田龍臣はリモート参加。少し寂しそうだった。

     出演者たちの映画鑑賞が終わった後は、質問コーナーもあった。

     8月7日(金)10時に編集版がYou Tubeにアップされるので、映画を観たあとに、もう一度この前夜祭を観ても楽しめる仕組みとなっている。

    cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6253725.html

    [参考]
    You Tube ウルトラマン公式 ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.チャンネル
    『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』「前夜祭オンライン生放送!」
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     延期となっていた『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』の公開日がついに決まった。8月7日(金)だ。公開決定にあたり、「3つの約束」を説明するタイガの動画がアップされた。


    1、前日に早く寝ること

    2、マスクの着用

    3、映画館で手を洗うこと

     ポケモン映画は冬まで延期されている中、ひと脚先に夏公開に漕ぎつけた本作。
    この決定にはおそらく大人の事情が相当絡む中、大変な議論が繰り広げられたことであろうと思う。
    たくさんの子どもが観る映画なので、映画館ではおそらく徹底した感染症対策がなされるに違いない。
    席もひとつかふたつずつ開けての使用になるのではないだろうか。


    なにはともあれ、あと1か月で公開。楽しみでならない。

    cf.)直前公開スペシャルについてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5633973.html

    cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6253725.html

    cf.)ウルトラマンレイガとグリムドについてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5323380.html

    cf.)映画主題歌についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5323389.html

    [参考]
    ウルトラマンZ/劇場版ウルトラマンタイガ/ウルクロ公式Twitter(@ultraman_series)
    You Tube ウルトラマン公式 ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.チャンネル 【8月7日(金)公開決定!】『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』\\みんな、待たせたな!//
    https://www.youtube.com/watch?v=MvrAClBFHKA
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     2019年放送の『ウルトラマンタイガ』はタロウの息子・タイガが活躍する令和最初のウルトラマン作品。

     メイン監督は市野龍一。シリーズ構成は林壮太郎、中野貴雄。林壮太郎が用意したプロットが採用された。前作『R/B』(2018)はコメディタッチであったことから、その反動で本作ではハード路線に振っている。主人公・ヒロユキを民間警備組織の社員と設定し、タイガ・タイタス・フーマの3人のウルトラマンがヒロユキの中に宿り、3人が入れ替わって闘うというスタイルとなった。

     「多様性」をテーマとし、地球で密かに暮らす宇宙人といかに共存できるか、異者を受け入れることができるか、が作品を通して問われており、今日におよぶ在日外国人問題等にも通じるものがある。

     メイン監督の市野龍一は自身が子どもの頃に夢中になったウルトラマンの魅力に立ち返ることを提案し、連続ドラマ性も残しつつ、基本的には1話完結の中でどれだけ面白いものができるかにこだわった。また、怪獣も消費される使い魔的な扱いではなく、出自や現れる理由もしっかり描くことを意識している。

     シリーズを通した敵として、『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』(2019)で出て来たウルトラマントレギアが登場。タロウの旧友であり、超全集に収録された小説『トレギア物語/青い影』にはいかにして闇に堕ちていったかが描かれている。 


     3人のウルトラマンのデザインは後藤正行が担当。タイガのデザインは、若さを見せるために目を大きくして童顔に見えるように意識し、タロウとの差別化から角の向きや形状を異なるものとしている。

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    タイタスのデザインは、体色が銀色だと筋肉質体型がぼやけてしまうことから、黒を基調とし、引き締めている。設定監修の足木淳一郎が40周年を迎える『ザ☆ウルトラマン』(1979)ファンだったことから、U-40出身のウルトラマンとしている。

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    フーマのデザインは、スピード系であることからシンプルにまとめられた。トサカの形状もスピード感を意識している。出身はO-50とされた。
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     トレギアのデザインも後藤正行が担当。デザイン段階では設定が固まっていなかったため、後藤の独自解釈でウルトラマンのアイデンティティを否定しており、特徴である顔を仮面で隠し、自分でむしり取ったカラータイマーから出る光を拘束具で封印しているイメージとなった。尖った爪先は初代ウルトラマンのBタイプを意識している。


     ボイスドラマ『トライスクワッド ボイスドラマ』もYou Tubeにて同時に展開され、足木淳一郎による演出で、3人のウルトラマンの過去が明かされるなど、作品世界の補完が試みられている。

     タロウの息子の物語ではあるが、『タロウ』(1973)へのオマージュ色はなく、『タロウ』を知らなくても楽しめる内容である。トレギアの策略により怪獣や宇宙人が犠牲になる回が多く、ハードに振り過ぎた内容や、カタルシスだけでなく後味の悪い回もあり批判もあったが、近年ではより現実社会に寄せたスッキリとしない終わり方の作品もあり、本作も世相を表したひとつのパターンを提示していると言える。

    cf.)前作『ウルトラマンR/B』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6244727.html

    cf.)次作『ウルトラマンゼット』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8275836.html

    [参考]
    Blu-ray『ウルトラマンタイガ』©2019円谷プロ
    『ウルトラマンタイガ 超全集』編著:てれびくんデラックス 出版:小学館
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンタイガ
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     『ウルトラマンタイガ』(2019)で霧崎=トレギア役を演じた七瀬公。『今日から俺は!!』(2018)第4話に少しだけ登場していた。恐喝をはたらく不良役である。

    トレギアはこんなところでも悪事に手を染めていた。
    七瀬公は他にも不良系の役を演じている。アイドルが好きで、ジャニーズ事務所を受けた際は最終で落ちたそうだ。Sexy Zoneのバックダンサーとして踊ったこともあるという。ドラマ『チア☆ドル』(2015)で俳優デビュー。

    因みに、一緒に映っている青い服の男子は『仮面ライダーウィザード』(2012)で奈良瞬平役を演じた戸塚純貴である。『今日から俺は!!』は東映作品なので、仮面ライダー俳優が他にも登場している。

    [参考]
    DVD『今日から俺は!!』©東映
    https://ja.wikipedia.org/wiki/七瀬公
    https://ja.wikipedia.org/wiki/戸塚純貴
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