たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    カテゴリ:ウルトラマン > その他


     2015(平成27)年から放送された『ウルトラ怪獣散歩』は「空想特撮散歩シリーズ」と銘打った新感覚お散歩バラエティ番組。フジテレビONEで放送された。

     プロデューサーは門澤清太、足木淳一郎、古賀隆介、平山聡。フジテレビONEでの『ウルトラマン』放送に際し、過去作の放送だけでなく、新しい価値の創造を目的に企画された。等身大のウルトラ怪獣・宇宙人が全国各地の名所を訪ね歩き、食レポや体験レポをする。メインMCはメフィラス星人で、毎回登場し、他の2体は回によって様々な怪獣・宇宙人が登場した。声を担当したのはお笑いコントユニット「東京03」。メフィラス星人は角田晃広、他の2体は飯塚悟志と豊本明長が担当している。また、角田晃広はエンディングテーマ「ウルトラ怪獣散歩のテーマ」を唄っている。

     着ぐるみなので、食レポ時は食べている真似。また、「怪獣は神聖な場所にそぐわない」という理由で神社仏閣の撮影はNGが出ることが多かったが、中にはOKが出る箇所もあった。他にも、動物園や水族館など、動物がいる場所では「動物がびっくりしてしまう」という理由で撮影NGとなるケースもあった。因みに、撮影OKの場合も、怪獣・宇宙人の手の形が異形のものだけ動物に触れられない場合もある。

     撮影NGとなって怪獣たちが残念がるところをむしろネタにし、ひとつのパターンともなった。ロケ時に雨が降ることも多く、低予算番組のため撮影日をずらせずそのまま予定を室内バージョンに急遽変更して撮影決行となることもあった。

     ロケ地は葛飾柴又~両国、鎌倉、江ノ島、京都、大阪、お台場、尾道・宮島、横浜、新潟、伊豆、須賀川・会津若松、上野、深川・月島、長崎、千葉、巣鴨・蒲田、都電荒川線沿線、福岡、佐賀、川越・鉄博、那覇・北谷、首里・美ら海、長岡・新潟市、箱根、逗子・葉山、横須賀、鳥取、札幌。


     脚本に散りばめられた怪獣・宇宙人の豆知識やオマージュカット、そして毎回ラストに繰り広げられる喧嘩(ウルトラファイト)は往年のファンを喜ばせ、4年間にわたり断続的に放送。「ビデオ屋さん大賞2017」のバラエティ部門において金賞を受賞したこともある。

     因みに、『ウルトラセブン』(1967)第14・15話に登場するペダン星人は原典ではシルエットのみだったが、本作でそのマスクが初披露されている。

    [参考]
    DVD『ウルトラ怪獣散歩』©円谷プロ / Contents League
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラ怪獣散歩
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     1970(昭和45)年、『ウルトラファイト』が放送された。 これは毎週月曜から金曜まで、5分間放送された着ぐるみバトルの特撮番組。


     当時、第一次怪獣ブームが沈静化し、『巨人の星』(日本テレビ系)や『あしたのジョー』(フジテレビ系)などのスポ根ものが流行していた。そんな中でも、『ウルトラマン』(1966)や『ウルトラセブン』(1967)の再放送や子ども向け情報誌でのウルトラシリーズ特集により、新作への機運は高まっていった。

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

     しかし、当時の円谷プロは費用を度外視した番組製作のために赤字が嵩み、新作への余裕はなく、円谷英二の逝去もあり、危機的状況にあった。そこで、長男の円谷一は「支出ゼロの番組を作ろう」と発案。それを受け、満田かずほ達がまとめた企画が『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』の特撮戦闘シーンを編集して5分間のミニ番組を作るというものだった。


     企画初期タイトルは『ウルトラ100』。次いで『ウルトラファイト130』。この130とは、月曜から金曜まで週5で放送する帯番組枠で2クール(26週)分の数字。『Q』『マン』『セブン』の怪獣・宇宙人の合計数とほぼ同数だった。

     ところが、実際にフィルムから特撮対決シーンを抜き出してみると尺が足りないものが多いことが判明。そこで、過去作の抜粋だけでなく、新撮の回を作ることで、話数を補うことになった。なお、新撮パートでのヒーローはセブンだが、セブンの出て来ない怪獣同士のバトルのみの回も多い。ナレーションは山田二郎アナウンサー。明瞭な活舌と整った発音でのアドリブ実況でバトルを彩った。

     撮影やアトラクションで酷使された着ぐるみは、かつての華々しさが薄れ、くたびれていたものが多く、ロケで行われた新撮パートはミニチュアもなく泥まみれのバトルが多かった。放送開始当初は「円谷プロは出涸らしのお茶で商売している」とマスコミから散々に揶揄された。

     しかしながら、子どもたちにとってはテレビで怪獣が見られるため瞬く間に人気番組となり、予定の130話を上回る196話が製作され、再放送も随時挿入、結果として253回の放映となった。

     これが第二次怪獣ブームの火種となり、『帰ってきたウルトラマン』(1971)の製作に繋がることになる。

    cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6315068.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラファイト
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     2008(平成20)年に全国で劇場公開された『大決戦!超ウルトラ8兄弟』は、昭和のレジェンド4(ダンディ4)と平成シリーズの主人公たち(平成4)が共演した娯楽大作。

     プロデューサーは鈴木清。監督には当初、小中和哉が想定されていたが、スケジュールが合わず、『マックス』(2005)や『SEVEN X』(2007)などで実績のある八木毅が抜擢された。脚本は長谷川圭一。

    cf.)『ウルトラマンマックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5997988.html

    cf.)『ULTRASEVEN X』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6039941.html

     企画当初は『メビウス』(2006)で好評だった「昭和ウルトラマンとメビウスの共演」という要素をより強めた内容で、メビウスを除く平成ウルトラマンの登場は考えられていなかった。また、ウルトラマンタロウ=東光太郎を演じた篠田三郎の出演も実現しなかった。

    cf.)『ウルトラマンメビウス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6016964.html

    cf.)『ウルトラマンタロウ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5925381.html

     プロットが再検討され、「昭和ウルトラと平成ウルトラの融合」というコンセプトが決定すると、製作に参加していたバンダイの提案もあって、『ティガ』(1996)で主人公マドカ・ダイゴを演じたV6の長野博へオファーが出された。ジャニーズ事務所は長野博が主役級の扱いならOKとの返事をし、それによりプロットが練り直され、『ダイナ』(1997)で主人公アスカ・シンを演じたつるの剛士、『ガイア』(1998)で主人公・高山我夢を演じた吉岡毅志など、平成シリーズからも追加キャストが次々と決定。決定稿が完成すると、半年以上の期間をかけて撮影・編集が行われた。

    cf.)『ウルトラマンティガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5966349.html

    cf.)『ウルトラマンダイナ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5972025.html

    cf.)『ウルトラマンガイア』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5911369.html


     舞台は開港150周年を迎えた横浜。観光名所や赤レンガ倉庫などの有名建築物が映っているが、これは早くから鈴木清が構想していたもの。各方面の全面協力により実現した。


     映像技術面では、従来のフィルム撮影から、ウルトラシリーズ初のフルハイビジョン画質を達成。CG特撮カット220カットのうち、10数カットはフルCGで表現されており、冒頭における昭和の横浜もフルCGだが、指摘されないほど実景に近い映像となっている。


     音楽面においては『ガイア』(1998)や『メビウス』(2006)を担当した佐橋俊彦が主に担当しているが、『セブン』(1967)などの昭和シリーズを担当した冬木透も特別参加。レジェンド4の変身シーンにつけられた音楽は冬木透による書下ろしである。

     因みに、TBS系列局が関わった最後の作品であり、平成シリーズ全般に指揮してきた円谷一夫や監督として活躍してきた八木毅が関わった最後のウルトラ作品でもある。


     パラレルワールドという設定を使って昭和と平成の融合が図られ、ファンを喜ばせた夢の娯楽大作となった。

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

    cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6315068.html

    cf.)『ウルトラマンエース』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5915827.html

    cf.)次作映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6085844.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    https://ja.wikipedia.org/wiki/大決戦!超ウルトラ8兄弟
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     『ゴジラ』や『帰ってきたウルトラマン』などの怪獣造型で知られる開米プロダクション代表取締役会長・開米栄三が2020424日に白血病で亡くなった(享年90歳)


     もともとはお化け屋敷や遊園地、博覧会の仕事をしていた。映画では戦争ものを取り扱っていたが、1954(昭和29)年に『ゴジラ』の着ぐるみの造型を担当。以来、東宝でゴジラシリーズの造型に携わっていたが、円谷プロの『ウルトラQ』(1966)のマンモスフラワーやガメロンの造型に携わり、続く『ウルトラマン』(1966)でも造型が「間に合わないんで手伝ってほしい」と依頼があり、着ぐるみ製作を手伝うようになった(ただし、クレジットはされていない)。


    『ウルトラマン』で一番最初に手掛けたのはジラース。ゴジラを転用してエリマキをつけた。

    cf.)ジラース登場回の『ウルトラマン』第10話「謎の恐竜基地」はこちら→
    http://ultra-7.blog.jp/archives/6636518.html



     開米プロダクションを設立、1971(昭和46)年には『帰ってきたウルトラマン』の造型を前作担当の高山良策から引き継ぎ、メインで担当することになる。以後、『ウルトラマン80』(1980)までウルトラシリーズの怪獣全般の造型を務めた。因みに、同じ円谷プロ作品では『ミラーマン』の怪獣造型も担当している。「怪獣の表皮にサラシを貼り付けラテックスを塗る」という手法を考案。型崩れせず長持ちする着ぐるみ作りを行った。一番製作で苦労したのは、ウルトラマンの造型。製作費もそうだが、膝や肘の部分がすぐ破けるので、メンテナンスをしたり、銀色の艶を保持するのが慣れるまで大変だったという。

     プロダクションとしては平成ウルトラシリーズの造型にも携わり、晩年は若手の育成にも力を入れた。「(依頼が)来たものは100%作る。できないものはない」「お金のためではなく、いいものを作る」という物づくりの精神を貫いた本物の職人だった。


    cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6315068.html

    [参考]
    DVD『ウルトラQ』©1966円谷プロ
    DVD『ウルトラマン』©1966円谷プロ
    DVD『帰ってきたウルトラマン』©1971円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/開米栄三
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     『ウルトラマンタロウ』(1973)で主人公・東光太郎を演じた篠田三郎と『ウルトラマンレオ』(1974)で主人公・おおとりゲンを演じた真夏竜が、スズキ提供番組『極上空間』(BS朝日)に出演していた(2004)。

     ドライブ中に放送当時の思い出を語り合い、よくロケで使った多摩川五本松に到着。
    『ウルトラマンレオ』第7話「美しい男の意地」でブーメランを叩き落とす特訓をしたシーンの再現を敢行した(レオ本編でブーメランを投げたのは東光太郎ではなく百子たち)。

     また、第4話「男と男の誓い」で滝を切る特訓のシーンでは、寒さで脚が麻痺したという有名な話も出た。
     そして、自殺まで考えていたいじめられっ子が『レオ』を観て空手を習い始め心身ともに強くなり、今では空手道場の師範、という逸話もあった。

     篠田三郎に関しては、撮影後に疲れて電車内で寝ていたところを子どもたちに囲まれ、ハッと気付いてヨダレを拭いた、という思い出も。

     最後には『ウルトラセブン』で主人公・モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣も登場。3人で変身ポーズを披露。『ウルトラマンメビウス』(2016)など平成シリーズへはタロウ自体は客演を果たしているが、篠田三郎は出演を断っている。ファンの中の東光太郎像を大切にしたいからだろう、と思うが、他のレジェンドたちが出演している中、寂しいと思っていた。今回貴重な変身ポーズが観られて良かった。

       因みに、近年では『ウルトラマンタイガ』(2019)のBlu-rayBOX2の特典映像で主人公・工藤ヒロユキを演じた井上祐貴と対談を果たしている。

     なお、『ウルトラマン』で主人公・ハヤタを演じた黒田進と先述の森次晃嗣は他の回で共演し、変身ポーズを披露している(2013)。

    cf.)『ウルトラマンタロウ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5925381.html

    cf.)『ウルトラマンレオ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5936832.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマンレオ』©1974円谷プロ
    Blu-ray『ウルトラマンタイガ』©2019円谷プロ

    You Tube ULTRA HEROES チャンネル【CPP字幕組】極上空間-篠田三郎(泰羅奧特曼) & 真夏竜(雷歐奧特曼)「泰羅奧特曼40週年SP」 【中文字幕】
    https://www.youtube.com/watch?v=HPBvoq-NDwA

    You Tube Isaac Bookie チャンネル 最近のハヤタとモロボシ 於:西湖
    https://www.youtube.com/watch?v=MVInjP6erxw

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