『ネオ・ウルトラQ』(2013)は有料放送局WOWOWで放送された特撮番組で、『ウルトラQ』(1966)の続編的作品。

 2004年に放送されたリメイク作品『ウルトラQ dark fantasy』とは異なり、「円谷プロ×WOWOW ウルトラ三大プロジェクト」の一環として企画され、『Q』のセカンドシーズンというコンセプトのもと、製作された。

 プロデューサーは米村宏、北浦宏之、井上衛。円谷プロの米村宏とWOWOWの北浦宏之、井上衛との間で、2009年頃から「何か新作はできないか」と企画自体が温められていた。

  監督は石井岳龍、田口清隆、入江悠、中井庸友。それぞれ3本ずつ担当し、全12話となった。田口監督のみ、円谷プロ側からの推薦での抜擢。他の監督陣が「現代の新しい『Q』」を目指したのに対し、田口監督は「従来の『Q』」の延長上を目指した。田口監督が「『ウルトラQ』らしさ」を担保したため、シリーズ全体のバランスが保てたという。

 製作プロダクションのコギトワークスは関友彦といながききよたかが立ち上げた映画製作を中心としたクリエーターカンパニー。関友彦は製作スタッフとして『海猿』(2003)や『蟲師』(2005)にも関わっている。脚本はいながききよたかがメインライターとして全話に関わっている。山本あかり、加藤綾子はいながきとの共同脚本として数話参加。巨大怪獣はほとんど登場せず、さほど大きくないクリーチャーや怪物、アンドロイドなどを絡めた事件を描いている。プロットは24本ほど存在し、全体のバランスを考えた上で12本に絞られていった。当初は最終話「ホミニス・ディグニターティ」は存在していなかったが、プロットの調整が行われる中で、追加となったようだ。逆に、調整が行われる中で姿を消したプロットもある。少年の暴力性・破壊衝動を描いた『死に至らない病』は12本の最終プロットに残っており、登場する怪獣・コボルのデザインも作られたが、内容がハードに過ぎたためか、破棄されている。


 メインキャストは原典の『Q』を踏襲して3名。心理カウンセラーの南風原仁(田辺誠一)、ライターの渡良瀬絵美子(高梨臨)、バーのマスター・白山正平(尾上寛之)。3人が登場しない回もあり、準レギュラーの屋島教授(島田雅彦)なども登場する。

 それぞれが個性際立つ内容の12本である。令和となった今、新たに作られることはあるのだろうか。

[参考]
DVD『ネオ・ウルトラQ』©2013円谷プロ・WOWOW
https://ja.wikipedia.org/wiki/ネオ・ウルトラQ
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