1999(平成11)年10月9日から翌2000年9月24日まで関東圏で再放送された『ウルトラマンティガ』の本編終了後に情報CMが放送されていた。その名も『ウルトラマンナイス』。

 バンダイからウルトラシリーズ玩具の紹介CMの製作を依頼された円谷プロは、「家族」をテーマにテンポの良い明るい作風を目指した。当初は「GOKKO隊」と呼ばれていた一家で戦う防衛チーム・「GOKAZOKU隊」=夢星一家らの活躍にグッズの紹介を絡める内容となった。


 監督・脚本はウルトラ関連CMのほとんどを手掛けていたCMディレクター・伊藤渓太(当時は伊藤啓太)。ナイスが親指を立てる決めポーズや、「ナッ!」という決めゼリフなど、印象に残りやすくする演出をした。特撮撮影はグリーンバックで行われ、背景用の実景やセットと合成されている。


 全20話が作成され、放送終了後はイベントなどで活躍し、ゼアスとともに三枚目キャラクターのウルトラ戦士として親しまれるようになった。

 『新世紀劇場版ウルトラマン伝説』(2002)では天空魔の攻撃で吹っ飛んで腰を痛めたところをウルトラの母の光線で治る姿や他のウルトラ戦士とともにスペシウム光線を発射する姿が見られる。


 また、『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』(2003)ではウルトラマンキング30万歳の祭典に駆け付けている。


 ナイスのデザインは丸山浩が担当。マスクはティガの改造で、盛ったり削ったりしている。出身地が「TOY1番星(とーいいちばんぼし)」という設定のため、多少奇を衒ったような体デザインとなっている。背面の銀色のラインは「N」を象っている。前面の弓状白抜きは当初はもっと細く、ナイキのロゴマークに似ていることから形状が太めに変更となった。また、父親役が変身することから、当初は「ウルトラマンパパ」という名前も候補に挙がっていたという。

 スーツアクターは岡野弘之。必殺技は「ベリーナイス光線」。両腕を×の字にクロスさせ、首を傾げると光線が発射される。


 祖父・夢星語役は初代ウルトラマンに変身していた黒部進。祖母・夢星キク役は初代ウルトラマンでフジ隊員を演じていた桜井浩子。


 『ナイス』だけでの映像ソフト化はされておらず、本編を再編集したVHS『ナ・ナ・ナ・ナ・ナイスな大図鑑』がバンダイビジュアルから発売されたに留まる。稀少な異色作なので、是非ともDVDやBlu-ray化してほしいところである。

[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『新世紀劇場版ウルトラマン伝説』©2002円谷プロ・ウルトラマン伝説プロジェクト
DVD『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』©2003円谷プロ・ウルトラマン伝説プロジェクト
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマンナイス
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