1983(昭和58)年に放送された『アンドロメロス』は森永製菓の一社提供番組。毎週月曜から金曜まで10分間放送された。
もとは雑誌展開から生まれたヒーローで、『ウルトラマン80』(1980)が終了しテレビシリーズが休止した1981年、 小学館の学年誌でウルトラシリーズの記事構成を担当していたフリー編集者・安井尚志が「鎧を装着したウルトラマンはどうか」と円谷プロにアイデアを提示。当時の社長・円谷皐に好意的に受け止められ、『てれびくん』編集部内で新企画『ウルトラ超伝説』が発足した。
cf.)『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html
これは鎧で正体を隠した謎のヒーロー・アンドロメロスが、歴代ウルトラ戦士と力を合わせ、銀河を舞台に悪と戦うという設定で、居村眞二の漫画とグラビア記事での連載が始まった。歴代のウルトラ戦士や人気怪獣の登場もあり、人気は瞬く間に上昇。編集部が読者アンケート結果を円谷プロに持ち込んだところ、実写映像化が決定した。
ストーリーは、主人公が二代目メロスに移行してからの展開を元とし、タイトルは『アンドロメロス』とした。撮影は従来のフィルム式ではなく、日本特撮では初となるVTR方式で行われたが、技術的にまだ確立していなかったため、動画・描写・合成のズレが明瞭に出過ぎる欠点もあった。スーツアクターは『仮面ライダー』シリーズで知られる演劇・殺陣集団「大野剣友会」が担当。スーツ製作は若狭新一が担当した。ボディのメタリックグリーンは仮面ライダー1号を参考にした部分があり、「大野剣友会がスーツに入ったときは感激しました」と語っている。
cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/8180513.html
モルド、ギナ、ジュダを中心としたグア軍団の設定は後のウルトラシリーズにも影響を与えている。
・『ウルトラマン物語』(1984)ではジュダが登場、グランドキングを操った。
・『ウルトラファイトビクトリー』(2015)ではジュダ・スペクターが登場している。
・『ウルトラマンエックス』(2015)ではモルド・スペクターやギナ・スペクターが登場している。
cf.)モルド・スペクターやギナ・スペクターが登場する3部作前編はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6207734.html
cf.)中編はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6208999.html
cf.)完結編はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6216650.html
・『ウルトラマンタイガ』(2019)の「トライスクワッド ボイスドラマ」にもグア軍団が散見される。
cf.)『ウルトラマンタイガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6253725.html
因みに、映像化されたのは二代目メロスだが、一代目の正体はゾフィー。再生エースキラーに敗れブラックホールに飲み込まれたゾフィーが、宇宙鎧を着けた謎のヒーローとして現れるという設定だった。
ウルトラマンが鎧を着るというコンセプトは後の漫画『ウルトラマン超闘士激伝』(1993)や『ウルトラマンエックス』(2015)などにも見られ、低予算での製作体制ながらもシリーズに幅を持たせることに成功した作品。
cf.)『ウルトラマン超闘士激伝』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6179623.html
cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html
cf.)『ウルトラマン超闘士激伝』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6179623.html
cf.)『ウルトラマンエックス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6227759.html
[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
DVD『アンドロメロス』©1983円谷プロ
https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドロメロス
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