2020年1月20日の朝日新聞朝刊28ページ「ウルトラ怪獣 2020を憂う」の記事にこんな記述があった。

ウルトラマンのスーツアクター、古谷敏は、第23話「故郷は地球」でジャミラにウルトラ水流を放射したとき、泣いていたという。
ジャミラはもとは人間。祖国に見捨てられ、宇宙を漂流しているうち、水のない惑星に辿り着き、怪獣化してしまった、という設定。地球に帰還し国際平和会議を妨害しようとする。弱点は水。ウルトラマンからウルトラ水流を浴びせられ、悶え苦しみ、泥の中を這いつくばりながら、一本でも多くの国旗を薙ぎ倒そうとする。
そんなジャミラを葬ったウルトラマン。しかしそのマスクの中は涙で濡れていたのだ。

人類学者の中沢新一も同ページに、ウルトラマンたちが「くんずほぐれつしながら闘う」のが「ハグ(抱擁)しているようにさえ見えます」とコメントしており、「優しさ」や「慈悲の力」を垣間見ている。
元来、優しい性格の古谷敏。演技の中にもこういった優しさが見て取れる。
『ウルトラマン』のメインライター、故・金城哲夫はこう語ったという。
「ぼくは怪獣にも人権というか、いや、獣権というか、そんなものがあると思うな」
「よーく見てご覧なさい。ウルトラマンの顔。怪獣に話しかけていますよ。」
「お前、やめろよ、そんな悪さやめろ。早く帰れ、山でも海でも、巣に帰れ」
(『金城哲夫 ウルトラマン島唄』上原正三.著 筑摩書房)
書き手の想いを知らず知らず、現場サイドも読み取り、古谷敏の優しい性格も相俟って、ウルトラマンの優しさが相乗的に作品に滲み出たのではないだろうか。
cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html
[参考]
2020年1月20日.朝日新聞朝刊p.28「ウルトラ怪獣 2020を憂う」「善と悪 分離できず」
『金城哲夫 ウルトラマン島唄』上原正三.著 筑摩書房

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元来、優しい性格の古谷敏。演技の中にもこういった優しさが見て取れる。
『ウルトラマン』のメインライター、故・金城哲夫はこう語ったという。
「ぼくは怪獣にも人権というか、いや、獣権というか、そんなものがあると思うな」
「よーく見てご覧なさい。ウルトラマンの顔。怪獣に話しかけていますよ。」
「お前、やめろよ、そんな悪さやめろ。早く帰れ、山でも海でも、巣に帰れ」
(『金城哲夫 ウルトラマン島唄』上原正三.著 筑摩書房)
書き手の想いを知らず知らず、現場サイドも読み取り、古谷敏の優しい性格も相俟って、ウルトラマンの優しさが相乗的に作品に滲み出たのではないだろうか。
cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html
[参考]
2020年1月20日.朝日新聞朝刊p.28「ウルトラ怪獣 2020を憂う」「善と悪 分離できず」
『金城哲夫 ウルトラマン島唄』上原正三.著 筑摩書房

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