たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    カテゴリ: ウルトラマン

     宇宙ミュージアムTeNQレポ。

    東京ドームシティの黄色いビル6Fで開催中の宇宙ミュージアムを見学した。「はじまりの部屋」と「シアター宙(ソラ)」での映像美を体験した後、火星の映像なども見られる「サイエンス」展示、そして最後に「イマジネーション」の展示内にある企画展「ウルトラマンゼロ10年の軌跡」を堪能した。

    まずはゼロの立像がお出迎え。

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    壁一面を使ったゼロのスペースチャート、
    声優さんのサイン、
    台本、
    衣装や小道具、

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    ノアとの邂逅の展示、

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    そして、
    東京大学ビッグバン宇宙国際研究センターの鎌田耕平監修によるマルチバースの説明文も書いてあり、たった2部屋程度の展示ではあるが、見応えのある内容だった。宇宙ミュージアムの映像美に、ちょうどゼロが見たかもしれない地球の俯瞰が含まれていたりするところも、この企画の狙いなのかもしれない。

    cf.)『ウルトラマンゼロ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6085844.html

    [参考]
    TeNQ企画展『ウルトラマンゼロ 10年の軌跡』株式会社東京ドーム
    ©円谷プロ

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     『ウルトラマン80』(1980)で80(エイティ)に変身する主人公・矢的猛を演じた長谷川初範は、1955(昭和30)年6月21日に北海道紋別市で生まれる。

     1975(昭和50)年、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)演劇科に入学。在学中に「長谷川憬」の芸名で『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』(テレビ朝日系)や『俺たちの祭』(日本テレビ系)に出演し、卒業公演の舞台で主役を務めて注目される。

     卒業後、本名の「長谷川初範」として1978(昭和53)年のドラマ『飢餓海峡』(フジテレビ系)にて本格デビューを果たす。次にレギュラー出演した1979(昭和54)年の『熱愛一家・LOVE』(TBS系)における好青年ぶりが当時プロデューサーだった野村清の目に留まり、『ウルトラマン80』の主役候補として面接を受けることになる。

     このとき、円谷プロの満田かずほプロデューサーも『熱愛一家・LOVE』で長谷川初範の母親役だった故・森光子から推薦を受けていた。名女優の推薦もあり、面接の翌日に決定。しかし、当の本人は何のドラマかまったく知らずに面接を受けており、その終了間際で初めて80のオーディションであることを知ったという。

     長谷川は『80』出演後、「長谷川ショパン」の芸名で活動するが、1990(平成2)年再び本名へと変更。その翌年に放送された『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)で演じた、主役の恋敵の好演が脚光を浴び、以降数々の作品に出演。現在に至るまで多彩な活動を続けている。


     放映当時、特技に剣道二段(現在は三段以上)とあったことから、放映前の番宣スチールでは竹刀を構える剣道着姿が撮影されている。他にも、杖道初段、居合道一級、レスリングやシューティング、空手にも長け、バスケットボールでは実業団チームの選手として全道大会出場経験もある。さらにスキーも一級で、その腕前は第46話で確認できる。しかし、そんなスポーツ万能の長谷川氏も『80』出演時はカナヅチで、第32話での海に入るロケでは苦労したそうだ。

    cf.)『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS

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     2020年1月2日、脚本家の上原正三が肝臓ガンで亡くなった。82歳だった。

     沖縄県那覇市出身。ウルトラシリーズを支えたライターのひとり。『帰ってきたウルトラマン』ではメインライターを務めた。

     他にも数々の特撮作品や子ども向け番組の脚本を手掛けている。以下に記憶に残る作品の一部を紹介したい。

    『ウルトラQ』第21話「宇宙指令M774」
    ルパーツ星人ゼミを名乗る女性の声が、「ボスタングが侵入した。攻撃の用意を」と警告。海上でボスタングと遭遇、エンジン音を消して難を逃れ、救援隊の爆撃で撃破。対馬丸事件を想起させる話。

    『ウルトラQ』第24話「ゴーガの像」
    アーブ国駐在大使の娘・瀬川タミが持っていたゴーガの像が強奪された。像は盗品コレクターの手に渡り、放射線鑑定を受けるが、それにより中に眠る貝獣ゴーガを目覚めさせてしまう。

    『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」(金城哲夫との共同脚本)
    遭難した観測所員の救出に科特隊は多々良島へ。島は怪獣たちの巣窟になっていた。レッドキングの襲撃を受けるが、ウルトラマンが背負い投げを決める。

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    『ウルトラセブン』第9話「アンドロイド0指令」
    子どもたちにおもちゃの銃を配るおもちゃじいさん。その正体はチブル星人で、おもちゃは本物の銃だった。午前0時の時報と共に本物に切り替わり、子どもたちは操られ少年兵になってしまう。ダンとソガは阻止できるのか。

    『ウルトラセブン』第17話「地底GO!GO!GO!」
    セブンが地球に来たとき、人間体モロボシ・ダンのモデルとなった人物がいた。その青年・薩摩次郎が地中で遭難。マグマライザーで救出に向かう中、地底都市を発見する。

    『ウルトラセブン』第23話「明日を捜せ」
    超能力を持つがためにシャドー星人に狙われている男を保護するが、男は03倉庫の爆発とキリヤマの怪我を予言した。果たして本当に予言は的中するのだろうか。

    『ウルトラセブン』第28話「700キロを突っ走れ!」
    危険な爆弾スパイナーを運ぶためにラリーに参加して陸路を行くことになったダンとアマギ。過去のトラウマのために臆病風に吹かれるアマギだが、相次ぐ刺客の追撃を振り切り、無事に送り届けることができるのだろうか。

    cf.)『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

    『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」
    イジメや差別、群衆心理の怖さを描いた問題作。宇宙人を匿いながら埋もれた円盤を探して地面を掘り続ける少年。差別意識が膨れ上がり民衆が少年を襲いにかかり、匿われていた宇宙人が銃殺されてしまう。後に『ウルトラマンメビウス』第32話「怪獣使いの遺産」で後日談が描かれる。

    『帰ってきたウルトラマン』第37話「ウルトラマン 夕陽に死す」第38話「ウルトラの星 光る時」
    ウルトラマン=郷秀樹の動揺を狙いナックル星人が坂田兄妹を殺害。心乱されウルトラマンはブラックキングとナックル星人の前に敗北する。しかし初代マンとセブンが現れ処刑寸前で助かり、再戦で勝利する。

    cf.)『帰ってきたウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6315068.html

    『ウルトラマンティガ』第49話「ウルトラの星」
    「怪獣を買いたい」という奇妙な男が不思議な光の中に消えた。あとを追ったダイゴは1965年の円谷プロダクションへ辿り着く。円谷英二、円谷一、金城哲夫、上原正三たちが登場し、金城がウルトラマンの初稿を推敲する場面も描かれる。初代マンとティガの初共演作。

    cf.)『ウルトラマンティガ』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5966349.html

    『怪奇大作戦』第8話「光る通り魔」(市川森一との共同脚本)
    夜な夜な出現する謎の燐光人間。それは、会社の闇を背負わされて追い詰められた男が、生への執着だけを残して肉体を変質させた姿だった。


    『怪奇大作戦』第15話「24年目の復讐」
    基地の街、横須賀で米兵が殺害される事件が起こる。犯人は、戦争の終結を知らずに猿島に潜伏しながらたったひとりの戦争を続けている水兵の男だった。


    『怪奇大作戦』第16話「かまいたち」
    社会に孤立した青年の心の闇を描く。道行く女性をバラバラにすることでその心を満たす猟奇的な連続殺人犯。その正体はいつもおどおどしている青年だった。なぜ。その真意が解かれぬままラストを迎える。後に『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』第4話「深淵を覗く者」でリメイクされる。

    cf.)『怪奇大作戦』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6179907.html

    他にも
    『ウルトラセブン』未映像化脚本「三百年間の復習」
    訓練中に遭難したアンヌは、森の中の館でトーク星人に遭遇。トークはアンヌを死んだ妹・シシーと思い込む。三百年前、髪の色が違うというだけで無抵抗の仲間を虐殺した人類への復讐に燃えるトーク対セブンの、悲痛な戦いが始まる。

    著作として
    『金城哲夫 ウルトラマン島唄』
    ウルトラマンのメインライター金城哲夫の生涯を、上原正三の視点から語った記録。

    『キジムナーkids』
    戦後の沖縄を逞しく生きていく少年たちの話。集団自決の回想シーンは衝撃。

     このように数々の名作を生み出してきた上原正三だが、根底にはいつも沖縄があり、戦争と切っても切れない因縁がある。それは作品の節々にもよく見受けられる。

     ウルトラの星へ旅立った今、金城哲夫と再会し談笑しているに違いない。


    [参考]
    https://ja.wikipedia.org/wiki/上原正三
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     2020年で40周年の『ウルトラマン80』(1980)だが、その怪獣たちも近年の作品で新造スーツが作られ、復活している。


    サラマンドラ:第13話「必殺!フォーメーション・ヤマト」に登場。倒しても再生してしまう怪獣で、喉の細胞に再生に必要な酵素がある。喉を狙うためにジャックナイフ・フライトを応用した攻撃法「フォーメーション・ヤマト」が矢的猛とオオヤマキャップにより編み出される。後に『ウルトラマンメビウス』に再登場する。

    ホー: 第3話「泣くな初恋怪獣」に登場。失恋した中学生の気持ちに呼応して出現した怪獣。 硫酸の涙を流しながら暴れ、口からも強力な光線を吐く。 後に『ウルトラマンメビウス』に再登場して以来、度々出現理由を変えて登場する。

    ザンドリアス:第4話「大空より愛をこめて」に登場。だだをこねる子ども怪獣とそれに手を焼く母親怪獣(マザーザンドリアス)がいる。仲を取り持つために80が一役買った。後に『ウルトラマンジード』に再登場。その際は再会した幼馴染の雌雄ペアという設定。

    ギマイラ:第18話「魔の怪獣島へ飛べ!!(後編)」に登場。イトウチーフを死なないと元に戻れない怪獣化光線で怪獣にしてしまう。後に『ウルトラマンタイガ』に再登場。その際は触手を使って人々から魔法(夢を見る力)を吸収した。

    他にもアトラクション用で復活した80怪獣たちも複数いる。今後も80怪獣の復活が期待される。

    cf.)『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    DVD『ウルトラマン80』第3話「泣くな初恋怪獣」第4話「大空より愛をこめて」第13話「必殺!フォーメーション・ヤマト」第18話「魔の怪獣島へ飛べ!!(後編)」

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     今年(2020年)は『ウルトラマン80』(1980)放送40周年。CGのない時代の特撮技術の粋を集めた最高峰傑作というファンも多いこの作品。その魅力を少しずつ思い出していきたい。

    桜ヶ丘中学校の先生として生徒と関わりながらUGM隊員としての仕事もこなす2足の草鞋(わらじ)生活を送る先生編から始まる。当時流行していた学園ものの影響を受け、先生がウルトラマンという設定。しかし、スケジュールや予算の関係のためか、途中からUGM編として隊員姿のみ描かれるようになり、学校がパッタリと出てこなくなってしまう(それでもゲストで子どもが出てくる回は多かったのだが)。

    『ウルトラマンメビウス』(2006)第41話「思い出の先生」では、矢的猛として長谷川初範が再演し、桜ヶ丘中学校の同窓会に出る。そこで、先生を辞めざるを得なかった理由として、相次ぐ怪獣の出現により2足の草鞋が難しくなってしまったことが語られる。

    プロデューサーの渋谷浩康はオファーの際、「矢的猛先生へ」という題で手紙を書き、出演の快諾を得た(ただ、当時の子役ひとりひとりまでは再演は実現できず、代役の俳優が演じている)。また、特技監督を務めた鈴木健二は、80放送当時、助監督としてカチンコを叩いており、感慨深いものがあると語っている。

    劇中で80が語る「遠く離れたとはいえ、私の心には、常に彼らがいる…。」という台詞は長谷川初範の提案を受けた佐野智樹監督が、その想いを汲んで追加で挿入した言葉である。この先生としての復活はリアルタイム世代の心を打ち、反響が凄まじかったという。生徒たちが80に向かって「仰げば尊し」を唄うシーンは涙なしではいられない程である(このあとで人間体の矢的猛として現れ、生徒たちに自分の口で謝る決意をする)。

    この一話で80が再び脚光を浴びるようになったのは間違いないだろう。

    cf.)『ウルトラマン80』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6276509.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマンメビウス』(2006)第41話「思い出の先生」©円谷プロ・CBC
    作品解説書「MEBIUS FILE ⑪」

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