たかの特撮ブログ

特撮ブログです。
ウルトラシリーズを軸に
特撮関連の記事を書いています。

    カテゴリ:ウルトラマン > ウルトラマン

     『ウルトラマン』(1966)はどのような経緯で製作されたのだろうか。武田薬品一社提供枠「タケダアワー」で放送された本作は、TBSでは初となるカラー特撮番組である。

     1966(昭和41)年、『ウルトラQ』が満を持して放送され、平均視聴率30%超えという空前の大ヒットを記録。実は次回作は1965年8月頃から検討されていた。「民間人が毎回、怪事件に遭遇する」という『Q』の不自然さを解消すべく、怪事件の解明を専門とした組織「科学特捜隊」が考案され、さらに正義の怪獣「ベムラー」を主人公とする企画書が書かれた。

     メインライターは円谷特技プロ企画文芸部室長・金城哲夫。TBSプロデューサー・栫井巍(かこいたかし)らとともに、様々なアイディアが出されていった。

     企画書「科学特捜隊ベムラー」におけるベムラーのデザインは、カラス天狗のようにクチバシや羽根を持ったものであった。しかし、正義のヒーローに見えず、不採用となる。

     続く企画書「科学特捜隊レッドマン」においては、『Q』でケムール人やペギラ等のデザインを手掛けた成田亨がレッドマンをデザイン。甲冑を身に纏ったようなデザイン等を経て、宇宙服なのか模様なのか見分けがつかないようなデザインとなり、余計なものが削ぎ落されどんどんシンプルになっていった。これには、本作品はアメリカへのセールスを前提としており、アメリカの事情に詳しいTBSの大谷乙彦らが「今の形では外国人に受け入れられない。もっと無表情な鉄仮面のようなものの方が謎があっていい。」と提案した影響もあるようだ。

     最後は造型を担当した佐々木明と共に粘土細工に直接手を入れながら完成。このときはカラータイマーはついておらず、後の撮影直前になって勝手に付け足されたという。

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    cf.)ウルトラマンのデザインの変遷についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6180062.html

    cf.)ウルトラマンのマスクの造型についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6183384.html

    cf.)成田亨のデザインへの帰還を図る2021年公開予定映画『シン・ウルトラマン』についてはこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/5152928.html

     「レッドマン」というタイトルは、タイトル盗用を防止するためのダミータイトル。この段階で既に、「飛行機事故でサコミズを死なせた宇宙人レッドマンが責任を取ってサコミズの身体を借りる」という基本フォーマットが描かれており、この「サコミズ」という名前は後に『ウルトラマンメビウス』(2006)の隊長役の名前に使われることになる。

     なお、レッドマンは故郷の星を侵略者によって既に滅ぼされていたり、サコミズには人気歌手の恋人がいることなどが盛り込まれている。この人気歌手の恋人の存在も後に漫画『ULTRAMAN』(2011)の設定として採用されている。

    cf.)『ウルトラマンメビウス』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6016964.html

    cf.)アニメ『ULTRAMAN』第3話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6031944.html

     『ウルトラQ』の「ウルトラ」を継承した『ウルトラマン』というタイトルが商標登録されるのを待ち、正式タイトルお披露目となった。

     7月17日の本放送に先立ち、一般試写会が豊島公会堂など都内の各会場で開催された。その最終会場である杉並公会堂での試写会は、第1・2話の上映の他、円谷英二、科特隊のメンバー、ナンセンストリオなどのゲストが登場。ウルトラマンや怪獣たちの立ち回りが披露され、豪華な内容となった。

     この模様が7月10日に『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』のタイトルで、第3話の特撮シーンの紹介とともに放送され、30%を超える高視聴率を記録した。7月10日が「ウルトラマンの日」とされているのはこのためである。

     TBSから支給された製作費は1クールにつき7000万円(1本につき約538万円)という破格の額であったが、ミニチュアを使った巨大特撮は莫大な費用が掛かり、妥協を許さぬ円谷英二のダメ出しによる撮り直しも相俟って赤字であった。毎週放送するのは予算的にも時間的にも余裕がなく、協議の結果、3クール39本の放送で一旦放送終了することが決定した。

     製作陣の苦悩はさておき、視聴率はほとんどの回で35~40%をキープする大ヒットとなり、第37話「小さな英雄」では最高視聴率42.8%という伝説的記録を叩き出した。

     最終回「さらばウルトラマン」でも37.8%をマーク。ウルトラマンがゼットンに倒されるという衝撃シーンに影響を受けた著名人も多く、大仁田厚や前田日明は「大人になったらゼットンを倒してウルトラマンの仇を取ろう」と格闘技を始めるきっかけになったと語っている。

     また、ゾフィーに命をもらってハヤタと分離し、宇宙に還っていくウルトラマンのラストシーンでは、当時の子どもたちがウルトラマンを一目見ようと窓を開けて夜空を見上げた、という逸話も残っている。

     特撮では、製作費の問題からか、都会の街中での戦闘・破壊は全体的に少なく、山や海、雪原、といった自然の中での戦闘シーンが多い。牧歌的で明るい作風のため、シリアスな内容に寄せた次作『ウルトラセブン』(1967)とファンの好みがよく分かれる。

     『ウルトラQ』を発展させ、今日まで続くウルトラシリーズの礎を築いた画期的作品である。


    cf.)「特撮のDNA」での展示はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/7747851.html


    cf.)前作『ウルトラQ』総論はこちら→http://tokusatsu-ultra.xyz/archives/6654971.html


    cf.)次作『ウルトラセブン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6375058.html

    [参考]
    『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラマン
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     『ウルトラマン』第10話「謎の恐竜基地」はジラースの登場回。脚本は金城哲夫。監督は満田かずほ。特殊技術は高野宏一。

    モンスター博士の異名を持つ中村博士は北山湖で密かにジラースを飼育していた。

    ・北山湖で釣りを楽しむ釣り人・林を演じるのは西條康彦。
    『ウルトラQ』(1966)で戸川一平役を演じたことで有名。他にも、
    『ウルトラセブン』(1967)第7話「宇宙囚人303」のガソリンスタンド店員役、
    『怪奇大作戦』(1968)第5話「死神の子守唄」の楽屋番役、
    『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』(1994)のサイジョウ・ヤスヒコ役、
    『ウルトラマンマックス』第29話「怪獣は何故現れるのか」の西郷保彦役も演じている。

    因みに、奥の方に映っていた眼鏡をかけた釣り人は特殊技術の高野宏一。

    ・特殊潜航艇S21号がビートルから切り離され、水中へ。

    ・操縦者はアラシ。コックピットはすごく狭そうだ。


    ・チラッと映るジラースの尻尾。アラシに見つからずに済んだ。

    ・下田温泉ホテル。イデ、ハヤタ、アラシはキャップから特別休暇をもらい、ここで疲れを癒す。

    ・イデはシャワーを嬉々として浴びる。気持ちよさそう。

    ・ハヤタはなにやら記録を付けている模様。こんなところでも仕事とは、真面目な隊員っぷり。

    ・アラシは食事を口一杯に頬張る。大食漢のようだ。

    ・「少年グラフ」の雑誌記者。車の改造が独創的すぎる。。。この車は「ヨタハチ」の愛称で有名な「トヨタスポーツ800」。

    ・モンスター博士の取材中、ライターに仕込んだカメラを見抜かれ、フィルムのようなものを抜かれてしまう林一郎カメラマン。演じているのは岡村春彦。
    『ウルトラセブン』第4話・第6話の通信隊員役、
    『ウルトラマンタロウ』第20話「びっくり!怪獣が降ってきた」の米吉役も演じている。

    ・ホテルのボーイ役でチラッと映るのはウルトラマンのスーツアクター・古谷敏。

    ・イデと女性記者・久保友子は夜釣りの最中、怪しい男を追う。木にワッペンを貼り付けて目印を作るイデ。意外と利口だ。
    久保友子を演じたのは谷育子。声優としても数々の役をこなしている。

    ・モンスター博士の研究室へと通じていた通路。秘密を知られた博士は2人を監禁する。
    中村博士を演じたのは森幹太。二階堂教授の声も当てている。
    『怪奇大作戦』(1968)第3話「白い顔」の水上幸一郎も演じている。
    2000年に亡くなっている。享年76歳。

    ・ジラースが夜の北山湖に出現。エリマキが垂れ下がっていてかわいい。

    ・カーバイドを湖に投げ込む心ない釣り人。カーバイドとは炭化カルシウム。水と混合すると爆発する。この爆発の衝撃で気絶した魚を獲ろうという魂胆だ。現代では誰もやらないが、昔はこんなことをする人もいたようだ。


    ・おそらくカーバイドの爆発の衝撃を喰らったのだろう。怒ったジラースが出現!

    ・モンスター博士は実は15年前にネス湖で失踪した二階堂教授だった。ネス湖からジラースを持ち帰り、密かに飼育していたのだ。「ジラースは俺の作り上げた芸術品だ」

    ・しかし、飼い犬ならぬ飼い怪獣であるジラースに踏みつぶされてしまう。


    ・博士に壊された通信機を直し、救助を請うイデ。ワッペンの目印がここで役に立つ。

    ・救助に行くフリをしてサッと抜け出し、変身するハヤタ。第3話のネロンガ回のときのように、ベータカプセルの光がくるくると全身を包む演出。

    ・投げ上げた岩を熱線で破壊するジラース。ウルトラマンも投げ上げた岩2つをスペシウムで破壊してみせる。何の張り合いだろうか。
    ジラースのスーツアクターはゴジラのスーツアクターでもある中島春雄。
    着ぐるみも円谷英二が東宝から借りてきたものの流用で、鳴き声もゴジラの早回し。
    名前は金城哲夫が考えた。沖縄方言で「次郎叔父さん」を意味する「ジラースー(次郎主)」から。


    ・ふっとばされたジラースを笑うウルトラマン。シュワッハッハッハッハ。

    ・ジラースの熱戦三連射をかわすウルトラマン。

    ・ついにエリマキを取られゴジラになったジラース。闘牛士のようにジラースの突進を捌くウルトラマン。監督の満田かずほによると、ゴジラの状態で東宝に返す予定だったため、意図的に劇中でエリマキを取る演出をしたという。


    ・ウルトラかすみ切り。すれ違いざまの手刀で急所を斬っているのだろうか。

    ・口から血を流し、ジラースは倒れる。

    ・二階堂教授の最期。演じているのは灰地順。
    第38話「宇宙船救助命令」で宇宙ステーションV2の吉野隊員役も演じている。


     熱狂・執着が身を滅ぼす結果となった二階堂教授。ゴジラVSウルトラマンの疑似戦という娯楽イベント回でありながら、怪獣の出現も暴走もすべて人間の業が生んだことであったという怪獣特撮の王道パターンを踏まえている。

     沖縄出身で綺麗な海を愛する金城哲夫からすれば、当時行われていたカーバイドで自然を荒らす釣り方などは憎むべき所業であったろう。怪獣=自然とするならば、「いまに自然からのしっぺ返しが来る。」そんなメッセージも含まれているのではないか。

     ちょうどジラース(次郎おじさん)が近所の悪ガキを怒っているイメージだ。

     2020年の『ウルトラマンゼット』第4話ではジラースのウルトラメダルで強化され、エリマキを付けたテレスドンが登場する。エリマキから光線が出たり、汎用性の高い機能が盛り込まれていた。もし元祖であるジラースのエリマキにもそんな機能が備わっていたら、ウルトラマンはもっと苦戦していただろう。

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    cf.)『ウルトラマンゼット』第4話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6535953.html

    [参考]

    DVD『ウルトラマン』©1966円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/西條康彦
    https://ja.wikipedia.org/wiki/岡村春彦
    https://ja.wikipedia.org/wiki/谷育子
    https://ja.wikipedia.org/wiki/森幹太
    https://ja.wikipedia.org/wiki/灰地順
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ジラース
    https://ja.wikipedia.org/wiki/カーバイド
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     『ウルトラマン』(1966)第22話「地上破壊工作」はテレスドン登場回。脚本は佐々木守。監督は実相寺昭雄。特殊技術は高野宏一。

     実は地球には地底人がおり、地上に攻撃を仕掛けてくる。当時のSF界で流行っていた「地球空洞説」がこの回のモチーフではないかとされている。

    ・パリ本部のアンヌ・モーハイム隊員を本人かどうか光線チェックするキャップ。いきなり銃を向けるので一瞬ドキッとする演出。

    ・光線チェックされたカード。「PAR-24 ANNE MORHIM」と書いてある。パリ本部の24番目の隊員ということだろうか。

    ・ロケット操縦の技術指導顧問としてハヤタがアンヌとともにパリへ行くことに。イデが「だいたいお前はあまり役立たん方だからな」と聞き捨てならない台詞を吐く。


    ・ハヤタが出発した途端、各地の電波に異常が生じる。科特隊にも電波障害を起こす装置が置かれていた。

    ・装置を分解すると数々の部品から成っていることが分かる。画面に映っているだけでも49の部品がある。

    ・ケリチウム磁力光波を出す装置だった。部品のひとつ、ゲルマタント鉱石は地下4万mの地底にしか存在しないという。
    つまんで解説するのは福山博士。演じているのは福田善之。
    第19話「悪魔はふたたび」でも福山博士として登場。
    また、『ウルトラセブン』(1967)第12話「遊星より愛をこめて」(欠番)でも福田博士として出演している。


    ・パリに行ったはずのアンヌ隊員がアンテナのついたリモコンのようなものを持って何かをしている現場を発見。追い掛けるが逃げられてしまう。

    ・現場に落ちていたのはハヤタの通信機だった。

    ・テレビセンターを張るイデ。天井模様とBGMが印象的なカット。実相寺監督の作品にはシンメトリーや幾何学模様の背景カットがしばしば登場する。


    ・現れたアンヌ隊員は地底人だった。肌色のハンペンのようなものを貼って目の退化を表現。この辺のチープさがまた何ともいえない味を醸し出している。因みにこのときの髪型はストレート気味。他のシーンではウェーブが掛かっている。

    ・地面が盛り上がるテレスドンの登場カットは圧巻。

    ・「アッハハハハハハ!」高笑いする地底人のドアップが印象的だ。


    ・ビルとビルの間の路地から見えるテレスドン。奥へと走り去る地底人。この構図も良い。

    ・合成した炎が素晴らしい。火炎が丸く巻き上がって一瞬、人魂のようになる。テレスドンのスーツアクターは鈴木邦夫。

    ・ビートルから投下されるナパームの嵐!

    ・テレスドンが見えなくなる程の爆発量。あたり一帯炎の海だ。


    ・光と影を操る実相寺監督。絵画に出てくるような構図が素晴らしい。「キャップ~!」と駆け寄ってくるイデと合流する面々のカット。この構図はちょうどキリコの『通りの神秘と憂愁』に似ている。1914年に描かれたものであり、第一次世界大戦への不安を表したものとされている。絵画に出てくる大きな影は戦争や死の暗喩だという。芸術に造詣の深かった実相寺監督なら意図的に挿入してもおかしくない。或いは意図せず自然にこの構図になっていたか。


    ・仮眠マスクで眠らされ、催眠状態に置かれ、光の明滅で操られ変身させられるハヤタ。

    ・だがしかし、変身したら普通にウルトラマンとしてテレスドンに立ち向かうのだった。投げ技炸裂。
    地底人に操られて街を壊す→科特隊の活躍で正気に返る、という展開も面白そうだが、もし提案しても周りの圧力で廃案になっただろう。


    ・ウルトラマンの前跳び蹴りが決まる。

    ・投げ技のオンパレードだ。最後は頭上に持ち上げてから投げ落とした。


    ・本物のアンヌ・モーハイム。目のインパクトが凄いが、化粧のせいか。もともと目が大きいのもあるのだろう。演じているのはアネット・ソンファーズ。結局、ハヤタは改めてパリへ行くことに。


     怪獣らしく大暴れするテレスドン。ナパーム弾も効かないというなかなかの強者だった。成田亨によるシンプルなデザイン、地底を掘り進みそうな尖った顔、闇夜に光る目。茶色いボディが怪しく艶やか。やはりテレスドンには夜が似合う。

     造型は高山良策。ウレタン製の表面に布を貼ることにより、皺を表現。実相寺監督はテレスドンを「オケラのような奴」と言い表したという。よく自分の担当回の怪獣を揶揄する実相寺監督だが、怪獣愛は並々ならぬものがある。スペシウムで爆散という手法を嫌い、それぞれ異なる形の最期を迎えさせている。

     科特隊の内部をあえて暗くしたり、顔をドアップで撮ったり、芸術性のあるカットを挿入したりと、光と闇を操った「独創的」な絵作りも特徴的だ。

     空の上ではなく、足元の下に敵がいると想定し、地上を火の海へと化す脚本を書いた佐々木守。高度経済成長を謳歌していた日本人に、戦火に散っていった者たちの無念を思い出させようとしたのだろうか。ナパームで地上を焼き尽くしたカットは渾身の東京大空襲再現を意図しているようにも見える。或いは、1966年当時繰り広げられていたベトナム戦争の惨状を訴えようとしていたのだろうか。

     近年では、2015年の『ウルトラマンエックス』第3話「夜を呼ぶ歌」で地底女とテレスドンが登場。テレスドンがトルネードしながら突っ込むという新たな技を披露している。また、『ウルトラマンゼット』(2020)第4話「二号ロボ起動計画」ではジラースの怪獣メダルの力を得てエリマキテレスドンとして強化改造されている。シンプルゆえに汎用性が高い地底怪獣の代表格となった。

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    cf.)テレスドン登場の『ウルトラマンゼット』第4話はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6535953.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマン』©1966円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/福田善之
    https://ja.wikipedia.org/wiki/アネット・ソンファーズ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/テレスドン
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     『ウルトラマン』(1966)第27話「怪獣殿下 後篇」はゴモラ登場の前後編の後篇。脚本は引き続き金城哲夫・若槻文三。監督は円谷一。特殊技術は高野宏一。

    ・「おにぎりの匂いをかぎつけて、怪獣が来るよ」オサムの一言に固まる鈴木夫妻。

    ・大阪の空撮カット。大阪市中央公会堂が映っている。

    ・一番最初に壊されるのは日本工業倶楽部会館を模したミニチュア。これは大阪の建物ではなく、東京駅丸の内側に建っている。


    ・大阪市中央公会堂はあっけなく壊されてしまう。

    ・マルス133でゴモラの尻尾を狙うハヤタ。狙いを指示したのはアラシ。いい着眼点だった。この一撃がなければ、ウルトラマンはまた負けていたかもしれない。

    ・燃え盛る尻尾の付け根。


    ・尻尾を失い、付け根が燃えていても、破壊を止めないゴモラ。何かに憑りつかれているようにも見える。安住の地から見知らぬ地へ無理矢理運ばれ、上空から落とされ、攻撃されたことへの怒りか。

    ・発信機を打ち込むアラシ。無事に命中。イデ発明のビーコンで追跡できるようになる。

    ・ちぎれた尻尾だけで暴れている。それだけ生命力が強いことを物語っている。


    ・城壁の外からゴモラの上半身だけが出てくる、戦車の上からの主観カット。いかにも「怪獣が攻めてきた」という雰囲気がよく表れている好カットだ。

    ・オサム少年の話を信じて現場に連れていく大阪府警。吉村という名前らしい。子どもを危険な現場に連れていく展開が許されてしまう昭和のおおらかさがいい。

    ・立派な大阪城セット。ゴモラよりも高い。劇場用作品にも引けを取らない緻密な作り。池谷仙克が図面を描いたという。これを爆薬を使わず、着ぐるみによる破壊だけで壊していく。何台ものカメラで色んな角度から撮り、編集。失敗の許されないカットだ。スーツアクターの鈴木邦夫は余程の緊張感を持って撮影に臨んだことだろう。


    ・跡形もなく壊されていく大阪城。「これだけは絶対に壊す」というゴモラの狂気を感じる。

    ・ハヤタにベータカプセルを届けるオサム少年。

    ・ゴモラにチョップをかますウルトラマン。


    ・尻尾攻撃のつもりが、尻尾がないのでお尻フリフリになってしまったゴモラ。かわいすぎる。

    ・地面に顔面を打ち付けられ、鼻の角が折れてしまう。

    ・背中から落ちるウルトラマン。手でショック吸収を試みているが、アクターの古谷敏は相当痛かったに違いない。


    ・連続で投げ技を決める。

    ・上段からのパンチ。これは殴っている方が痛そう。

    ・そしてアッパーカット。痛くないよう、若干押し上げるようにしているのが分かる。


    ・膝蹴りでゴモラの左角を折る。効果音や内部の赤さが痛々しい。

    ・尻尾の付け根をつかみ、振り回すウルトラマン。

    ・トドメのスペシウム。


    ・火薬の火が首元についてしまい、倒れながら焦って消しているのが分かる。おそらく覗き穴の近くだったので、慌てて消したのだろう。

    ・アラシ「憎むべきやつだったが、かわいそうなことをした」→本当にそうだ。
    イデ「剥製にして万国博に飾ってやろう」→それはゴモラは望んでいないだろう。

    ・ハヤタにもらった通信バッジで通信するオサム少年。「目下ガリ勉中」と言いながら絵を描く。

     
     人間の都合に振り回され、殺されてしまったゴモラ。ひとつでも多くの建物を破壊してやろうとする人間への憎しみ、狂気さえ感じられる。大阪城の破壊という一大スペクタクルシーンが印象的なゴモラだが、改めて観返すと理不尽な運命の中、ボロボロになって死んでいく悲劇性が感じられる。

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    cf.)前篇はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6520129.html

    [参考]
    DVD『ウルトラマン』©1966円谷プロ
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     『ウルトラマン』(1966)第26話「怪獣殿下 前篇」はゴモラ登場の前後編の前篇。脚本は金城哲夫・若槻文三。監督は円谷一。特殊技術は高野宏一。

    3年後に万博を控えた大阪でロケが行われた。これは、当時のスポンサーである武田薬品の本社が大阪にあり、武田薬品の強い要望があったため。

    ・「怪獣殿下」と呼ばれ、みんなから馬鹿にされる鈴木オサム少年。友達がからかう「しおしおのぱー」は快獣ブースカの台詞で有名。

    ・「五重丸」の評価を取ったゴモラの絵を誇らしげに母親に見せるが、母親は別の教科で「五重丸」を取れという。「五重丸」という言い方がいかにも昭和らしい。

    ・団地の背景に怪獣の絵が。男の子の頭の中を画で表すとこうなる。

    ・射撃の腕を買われ中谷教授から呼ばれたアラシは、ジョンスン島で学術調査隊と一緒に行動していた。

    ・ジョンスン島にもスフランが。すぐにスフランを焼いて調査隊員を助けるアラシ。

    ・ゴモラが岩壁から姿を現す。デザインは成田亨。特徴的な頭部は黒田長政の兜がモチーフ。名前の由来は旧約聖書に登場するゴモラという町の名前という説と、ゴジラ・モスラ・ラドンの頭文字を取ったという説がある。

    ・オサム少年が切り抜いた新聞。「ゴモラは生きていた 万国博に出品か」と見出しに書いてある。TBS系なので、毎日新聞だ。

    ・怪獣の存在が証明され、一躍クラスの人気者になるオサム。「あたりきさ」は「当たり前さ」のことか。

    ・ゴモラは鼻の角を地面にこすりつける。痒いのだろうか。スーツアクターは鈴木邦夫。こういった動物的な仕草がとてもいい。

    ・スパイダーから丸い光線が。威嚇モードの光線だろうか。

    ・UNG麻酔弾。アメリカ製なので「USA」と書いてある。

    ・重たいゴモラをビートル3機で持ち上げ空輸。

    ・目を覚まし2000mの上空から落下したショックで凶暴な大怪獣へと変貌してしまったゴモラ。突進してくるゴモラに対し、ウルトラマンは角を持って力を受け流し、投げ技に繋げる。

    ・ウルトラマンを踏みつけにするゴモラ。

    ・尻尾攻撃をもろに食らうウルトラマン。だいぶ痛そうだ。

    ・なぜかベータカプセルがオサム少年のところに飛んでくる。オサムを演じるのは稲吉千春。『ウルトラセブン』(1967)第16話「闇に光る目」にも出演している。

    ・前跳び蹴りをかますウルトラマン。ガチンコアクションだ。

    ・ゴモラの尻尾攻撃の連打で圧倒され、ついに倒れるウルトラマン。よく見ると後頭部に傷がある。

    ・地中に潜ってしまったゴモラ。『大怪獣バトル』シリーズでは「超振動波」で地中を掘り進むという設定が追加されたが、この時点では明らかに手で掘っている。

    cf.)『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6058390.html


    ・スペシウムを撃つ前にゴモラに逃げられてしまったウルトラマン。「あっ・・・」という表情に見える。


    後篇に続く。

    cf.)後篇はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6533057.html

    cf.)『ウルトラマン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6642931.html

    [参考]

    DVD『ウルトラマン』©1966円谷プロ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴモラ(ウルトラ怪獣)

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